第3話

「あの、ろくでなし、紹介したの

アンタでしょう、責任取りなさいよ」

ミオが友人の北山和江に紅茶を

差し出しながら文句をつけた。

「そんなに、使えない」

「使えない、使えない、キレない

ハサミのほうがまだましだわ」

「アハハっ、ミオにかかっちゃ、忠さんも

かたなしね」

「そんなことないわよ」

「忠さん、浮気とかしないの」

「ない、ない、あの男にそんなかい性あるわけないじゃない」

「わからないわよ。アンタがそんなに冷たいと」

「いいのよ、男と女はこのくらいの温度差のほうが」

「もしも、忠さんが浮気したらどうするつもり」

「そうねえ」

ミオがしばらく考え込んだ。

「まっ、縄でぐるぐる巻きにして」

「グルグル巻きにして」

「浴槽に沈めて様子見るかな」

「まだ、様子見とる段階かい」

和江が両手を広げて首を振った。

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