第4話

それからも私は、時に両親やお姉様を巻き込んで、もとい協力してもらい、この世界に百合という概念を広めていった。


そして15歳になった私はこの春、乙女ゲームの舞台になる王立学園に入学する。


「レイチェル様。おはようございます」


「ええ、よろしくね。エマ」


レイチェル様のお姿は、ゲームの設定資料通りなんだけど、そんなもので表現できない神々しさがあふれ出しております。


「本日はお一人で……?」


「ええ……殿下は生徒会の用事があるそうで先に」


「そうなんですか……」


初めてレイチェル様とお会いした時から、度々お茶会等を通して交流を重ねた私は、見事原作通り悪役令嬢に侍るモブ令嬢の立ち位置を獲得いたしました。

レイチェル様の周りには、徐々に取り巻きの令嬢たちが集まってきました。


「レイチェル様。聞きました? 男爵令嬢の話」


「ええ。母親が平民で、珍しい光魔法の持ち主だとか」


きっとヒロインのサラのことね。

本当に乙女ゲームのシナリオが始まるのね。気を引き締めないと。

目指せ、真の悪役令嬢ルート!

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