落陽隧道

秋は悲しい 悲しい季節


君は哀愁の化粧をして乾いた並木道へ出かけてゆく

君をとりまく全てのものが美しく儚く輝き始める


秋は優しい 優しい季節


トンネルの向こうには美しい庭がある

優しい陽の光を浴びて

木々は精一杯に染まっていく

私は寂しい遊園地にひとり佇み

トンネルの向こうから君が来るのを待っている

秋とともに君のシルエットを待っている


秋は儚く 悲しい季節


君を抱き締めたこの腕を

空を見つめたこの瞳を

一瞬でもゆるめたら

一瞬でもそらしたら


君は、秋は、いなくなってしまうのだろうか



秋は悲しい 悲しい季節

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