時速60㎞で走れる「走力」と、その速度で1時間以上走り続けられる「スタミナ」。5㎞先をも見渡せる「視力」、骨が見えるほどの怪我を負っても完治する「回復力」、そして病気で死なないと言われるほどの「免疫力」。圧倒的なフィジカルスペックを持ちながら、その代償とでもいう様にとてつもなく「アホ」な実在性面白生物『ダチョウ』
先の視力の由来でもある眼球一つ分よりも軽い脳みそは、三歩も歩けば全てを忘れ、群れの面子どころか子供の顔すら覚えられない。二つの群れがすれ違ってメンバーがごちゃごちゃになっても、誰かが走り出して本能のままについていっても、挙句に人がその背に乗っても、三秒経たずとも頭の中が空っぽになる生き物『ダチョウ』
そんなダチョウが異世界仕様にアップデートされ、獣人として存在しているこの世界に転生した主人公。のちに『レイス』と名乗る彼女と、その特異性ゆえ群れのリーダーとして彼女を慕う”子供たち”。それまで活動していた魔物の坩堝のような『高原』という場所から、とある出来事をきっかけに人間社会へと近づき、関り、交流する中で巻き起こる『ダチョウ』であるが故の『痛快ドタバタ劇』。そして常に子を想って行動するレイスと、本当に少しずつだけど確かに成長している子供たちの『ハートフルストーリー』。
コメディとバトルでスカッとし、母子の愛情でほっこりする。程よい緩急で飽きが来ず、日々読むのを楽しみにさせて頂いています!