第20話 中間テスト①
ザンッ!!
二人の人物が、教室に降り立った!
「さぁ始まってまいりました、中間テスト! この日、二人の勝負の火蓋が切られる!」
どこから漏れたんだ、俺と松永が勝負をするという話は。
クラスのお調子者、
「エントリーナンバー1! 三年寝太郎、ただの根暗陰キャのはずが最近男子たちから命を狙われることになった、ある意味今一番注目されている人物! 飛鷹裕也!!」
「おい地味にディスんなよ」
「エントリーナンバー2! 突如現れた天使、いや女神! 早くも学園三大美女にランクインしてしまった! このままどこまで伸びるのか、期待の広島弁美少女! 松永柚!」
「え、そんなんになっとるの? うち」
まだ転校して一週間ちょいなのに、凄いな。まあこの顔なら当然か。
「中間テストで高い点を取った方が勝ちなこのゲーム! 松永さん! 毎回学年一位の飛鷹裕也に勝てる自信は!?」
「あるよ! ゆうちゃんなんかに負けん!」
「それに対して飛鷹裕也! お前は!」
「松永みたいなアホに負けねえって言いたいところだが……俺は正直勝負なんてどうでもいい」
「松永さんをアホだと!? 許せねえ! ギィィイイルティ――ゴホッ、ゴホッゴホッ!」
「ギルティって叫びすぎて喉死んでんじゃねえか!? 大丈夫かよ!」
「フッ……松永さんのためならお茶のこさいさ――ゴホッ!」
「休んどけって!?」
バカかよ!?
松永は松永で「心配しとるゆうちゃん優しすぎ……」とかなんとか言ってるし!
もう周りがカオスだよ!?
しかし、ギルティ判定をするやつがいないのなら、誰がするんだ?
って、しなくていいわ!(ノリツッコミ)
という感じで、中間テストが始まった。
♡*:・゚✧♡*:・゚✧♡
【中間テスト一日目〜数学〜】
「用意、始めっ!」
一限目は数学。
周りからシャーペンが走る音。……本当に微かに。
みんな解けてないのか、唸り声とかため息とか、しまいにはいびきまで。
諦めて寝るなよ。
いやいや、周りなんて気にしてる場合じゃねえ。俺は俺のすべきことを全うす――
ガリガリガリガリ!!
「っ!?」
と、隣からすごい音が……。
カンニング扱いされないよう、ちらっと横を見る。
俺は、絶句した。
松永が、すごい気迫でシャーペンを走らせていたのだ。
もはや気迫なんてそんなレベルじゃねえ。これは――
殺意……!!
ゴクリ、と喉を鳴らし、テスト中だったことを思い出して、慌ててテストと向き合う俺だった。
♡*:・゚✧♡*:・゚✧♡
【中間テスト一日目〜理科〜】
いや、もう、隣の気迫がエグすぎて集中できない……。
ということはなく、普通に
済まんな、テスト描写が雑でよ。
♡*:・゚✧♡*:・゚✧♡
「ふぅー……」
「終わった」
「色んな意味でな」
「な」
「もう嫌だ……テストを発明したやつは誰だ! くそぉ! むしゃくしゃするから飛鷹! お前を殴る!」
「八つ当たりにも程がねえか!?」
男子たちの猛攻撃を謎スキルで躱しながらも、俺は帰る準備をする。……地味に凄くね?
つか最近、クラスメイトたちと喋れてきたな。ボケか本気か知らんが、何かに付けて俺を殴ろうとするのをツッコんでいる。――いや会話じゃねえじゃん。
なんて、心の中で一人ノリツッコミをしていると、HRが始まった。
「はいテスト初日ごくろうさん。丸つけが大変だから、俺もテスト嫌いだ。……そうか、お前ら生徒を殺して数を減らせば」
「教師が何言ってるんすか!?」
「いやだあああまだ死にたくねえええ」
「ハッハッハァァアア!! お前らみたいな貧弱なガキがぁ! 大人に勝てると思うなよぉ!?」
ノリ良いなぁ、このクラス……。先生演技ガチりすぎだろ。
ぼーっと窓の外を見ていると、ようやく「起立、礼」と聞こえてきた。
「「「さようなら」」」
「今日打ち上げいく!?」
「ばっか、まだ初日だろ? ――行くよ」
「行くんかーい!」
知能指数ひっくい会話……。
俺はいつも通りぼっちで帰ろうとすると――
「ゆうちゃんっ! うちを置いといて、一人で帰るつもり?」
松永が呼び止めてきた。
「だって約束してねえし」
「じゃあ今から! ゆうちゃん、今日の放課後一緒に帰ろ! ゆーびきーりげんまーん」
「無理」
こいつ、一回日本語の辞書読んだほうがいいんじゃねえか?
それは約束じゃなく強要な気がするんだが。
その時、俺と松永の間に影が。
「ひ……飛鷹くんがっ、嫌がってるじゃないですかっ! そ、そういう無理強いは、嫌われるだけですよっ!」
プルプルと、雨に濡れた子犬のように、しかし勇気を振り絞って出てきたのは――
「委員長!?」
まさかの委員長だった。
△ ▼ △ ▼
ここで重大報告。
1月17日まで更新休みます。
1月18日から毎日投稿だからお楽しみにっ!
2024/01/15追記
1月18日ではなく、1月中旬とざっくりした日にちから更新になります。申し訳ありません。
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