与えられたきっかけ

無言でダンジョン探索をしている事をチャットで視聴者から突っ込まれた『マスクドダンジョン』の2人はお互いにダンジョン配信を始めたきっかけを話す事になり、まずはダンジョンプリズマーが配信を始めたきっかけを話し、ダンジョンプリズマーが話し終えると続けてホワイトペインターがダンジョン配信を始めたきっかけを話し始める。


「私もあなたと同じようにダンジョンに迷い込んでそこで偶然この仮面を手に入れたの」

「ふむ、そこは私と同じか」

「だけど私の得た能力はアンデット系の魔物を浄化する事と仮面をつける前より身体能力があがったくらいでなるべく魔物と遭遇しないようにしていたのよ」

「ん?待ってくれ、確か君はロッドを持っていなかったか」


 ロッドを所持していた事をダンジョンプリズマーより指摘されるが、それに対してホワイトペインターが返答をする。


「あれは、後から手に入れたもので、ダンジョンに迷い込んだ時は仮面だけだったのよ」

「そうか」

「いくら能力を手に入れても限定的だったし、怖くてすぐに出なくちゃって思っていたらある配信者を目にしたの」

「ある配信者?」


「あなたも知っていると思うけど人気配信者のみゆき・エマールさんよ」

「みゆき・エマール!女性配信者で剣技と魔法を合わせて軽快なトークで人気の」

「実は恥ずかしい話、ダンジョンに迷い込むまで私ダンジョン配信って興味がなかったのよ、ダンジョン脱出後に配信のアーカイブを観て気付いたの」

「そうか、もしや君がダンジョン配信を始めたのはみゆき・エマールがきっかけか?」


 話の流れからダンジョンプリズマーはホワイトペインターが配信を始めたのは人気ダンジョン配信者であるみゆき・エマールがきっかけではないかと話し、ホワイトペインターが返事をする。


「ええ、彼女の力強さもそうだけど、観る人に勇気を与えるってこういう事なのかなって思うと、私も観る人に勇気を与えられるような事をしたい、そう思ってね」

「確かに彼女は軽快なトークもあるが常に前向きなのが人気の秘密なのかもな」

「これくらいでいかしら」

「私はいいが、視聴者の皆々は……」

『2人共仮面以外にも共通点が多いんだね』

『みゆき様がホワイトペインター様にきっかけを与えたように、ホワイトペインター様がダンプリさんにきっかけを与えたんだね』

『応援するよーーーマスクドダンジョン、共通のチャンネル作ったら登録します』


 きっかけを話し教えた2人はダンジョン探索を再開した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る