配信のきっかけ

 ダンジョンプリズマーとホワイトペインターは新たに『マスクドダンジョン』というユニットを組み、協力しながらダンジョン配信そして探索を行っていく事とする。


「それじゃあ早速だが、あらかじめ地図スキルを発動させて次の階層に続く階段の場所は分かっているから進むとするか」

「ええ、私も分かっているし行きましょう」

「では私が先頭で進む、後方の警戒を頼むぞ」

「任せて」


 2人は話し合いの末、ダンジョンプリズマーを先頭に次の階層までの階段へと進んでいき、そんな中、チャット欄にいくつかコメントが来る。


『ええ、無言の時間が長いよーーーーー!』

『せっかく、ユニットを組んだんだからトークタイムお願いしまーーーす』

『お互いの親睦を深めるって意味でも、ね、ね』


 自分のファンからのチャットコメントを見て無視できなくなったホワイトペインターはダンジョンプリズマーに声をかける。


『あの』


 ダンジョンプリズマー、ホワイトペインターの声は重なって、戸惑うが、慎重にまずはダンジョンプリズマーから話し始める。


「ど、どうしたんだ?ホワイトペインター」

「じ、実はねチャットに話したらってコメントがきたのよ」

「奇遇だな、じつはお、私にも来たのだ」

「でもさ私達ってお互いのプライベートや素性に干渉しない事でこのユニットを組んだわけじゃない、何を話せばいいのよ?」

『ああ、そう言ってましたねーーー』

『でもさ全く話さないと不都合でしょ』


 チャットでも様々な意見が飛び交うが、そんな中ダンジョンプリズマーが口を開く。


「ホワイトペインター、要は互いの素性に絡まない程度ならば話をする分には問題はないんじゃないのか?」

「まあ確かにそうよね」

「では試しだが、ダンジョン配信を始めたきっかけを話してみるか」

「ダンジョン配信を始めたきっかけ?」


 ダンジョン配信を始めたきっかけを話そうというダンジョンプリズマーの提案にホワイトペインターは一瞬戸惑うが、そんな様子に構わずにダンジョンプリズマーは話し始める。


「私はダンジョン自体には偶然迷い込んだのだ、そこでこの仮面を手に入れ、例のフラワーズの動画を観たのがきっかけでコソコソダンジョンの平和を守るよりも表立った方が良いと判断したのだ」

「そうだったのね、図らずも私もあなたが配信をするきっかけを作っていたのね」

「そういう事になるか、君は私と違って、正体の考察動画はなかったはずだが、どうして配信を始めたんだ?」

「……、ダンジョンに迷い込んだのはあなたと同じ、きっかけは……」


 ホワイトペインターが配信を始めたきっかけとは?

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