2人で戦闘

 互いにダンジョン配信を始めたきっかけを話したダンジョンプリズマーとホワイトペインターはダンジョン探索を再開し、先程きっかけを話したのもあるが話すハードルも下がり探索しながら2人で話をしていた。


「そういえばホワイトペインターは私より1ヶ月早く4月くらいからダンジョン配信をしていたが、すぐに人気がでたな」

「そうだったかしら、でもダンジョンプリズマーだってすぐに人気が出ると思うわ」

「それは君とユニットを組んだからだろう、言うなれば君のおかげで得た人気という事になる」

「私は自分の戦闘力に不安があったからあなたと組んだのよ、それにダンジョンプリズマーなら私と組まなくても人気が出たと思うわ」


 話しているさなかダンジョンプリズマーが何かに気付き、ホワイトペインターに呼びかける。


「ストップ、何か近づいているぞ」

「何かって?」

「殺気を放っている、おそらく魔物だ」

「すごいわね、私はなにか音がするか目につかないと気が付かないのに」


 ダンジョンプリズマー、駿は祖父より空手を習っていた事もあり、殺気に敏感なところがある。


 空手自体は中学生で辞めており、多少感性は鈍っていたが、今回のダンジョン配信、そしてダンジョンプリズマーの仮面とスーツが感覚を研ぎ澄ましており、殺気を中学時代以上に感じやすくなっていたのだ。


「来るぞ!」


 ダンジョンプリズマーが叫ぶと2人の前に多くの魔物が現れた。小鬼のような魔物と、さらに同じ小鬼だが王冠をかぶっている魔物もいて、ダンジョンプリズマーはディスプレイで魔物のデータを確認する。


「ゴブリン、集団で人間を襲う魔物、そしてあの王冠をかぶっているのはキングゴブリン、ゴブリンを指揮する王様だ」

「能力も普通のゴブリンより高いわね」

「まずは私が突っ込もう、ホワイトペインター、君はアンデット浄化以外になにか能力はあるか?」

「そうね、後はケガの治療能力かしら」

「分かった、戦闘は任せろ!」


 そう言ってダンジョンプリズマーは魔物に突っ込んでいき、次から次へと得意の空手でなぎ倒していく。


『わあああ、すごい!空手の技で戦っている!』

「え?ダンジョンプリズマーって空手で戦っているの?」

『うん、自分昔通信空手習っていたから分かるんだ!』

『通信空手かよ(笑)』

『やっぱり少しは元の肉体の力が反映されんのかな?』

『案外あの仮面に空手のDVD映像が収録されていたりして』


 ダンジョンプリズマーが仮面により得た電撃の技だけでなく、自ら培った技を活用している事にホワイトペインターは驚きを隠せないでいた。

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