ゲップ一家
おもながゆりこ
第1話
日曜の昼、夫が炒飯を作ってくれ、家族六人で食べていました。
私は生後二週間の三男に授乳しながら、片手で食べています。
ご飯を三男の顔に落とさないよう気をつけながら。
食べ終わった私がついゲップをしてしまいました。
中学一年生の次男が
「汚ねえなぁ」
と言うので
「あら、どこかでスズムシが鳴いているわ」
と言って誤魔化しました。
夫が
「そんなスズムシいねえよ」
と言った後、自分もゲップしました。
「おお、スズムシ」
と、平気で言っています。
その後、大学二年生の長男がゲップしました。
言い訳もせず、スズムシとか誤魔化しもせず、平然としています。
その後、小学校四年生の長女がゲップをしました。
「あら、どこかでスズムシが鳴いているわ」
と私の真似をして言っています。
その後、次男がゲップをしました。
「子供は親に似ちゃうんだよ。テメェら親が二人ともゲップするから、だから、俺もゲップしたんだ」
と言っています。
すると長男が二度目のゲップをした上にオナラまでして
「俺はスズムシがどうとか言わない」
と平然と言っています。
「ニイニ、臭い」
と長女が怒って言います。本当に臭くて
「オナラするなら向こうの部屋に行って、お尻を向こうに向けて出して、なおかつしばらくしてからこっちに戻って来るようにしてよ、臭いが付いてこないように。エチケットでしょう」
と私も怒ってしまいました。
長男は平気で
「屁なんて、屁だ」
と涼やかな顔をしています。
その後、おっぱいを飲み終わった三男がゲップをしました。
赤ちゃんのゲップは可愛くて、みんなでほがらかに笑いました。
大人のゲップはともかく、赤ちゃんはゲップをしても、オナラをしても、何をしても可愛らしくて家族の笑いを誘います。
ああ平和な毎日。
ゲップ一家、万歳。
ゲップ一家 おもながゆりこ @omonaga
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