第3章 家族のかたち 其の4
「ル……ルモンさん!?」
「ぎゃああああああああああああああ!!」
「ホリー!これはもうルモンさんじゃない!バーサーカーだ!」
まさか……目の前で……こんなこと……。
「所長はそこから動かないで!私が絶対に護るから!フィン、お願い!」
「
瞬く間にフィンはルモンさん……いや、バーサーカーを取り押さえ、ナイフで心臓部を一突きする。
「……
「
「え……あ……。」
私は目の前で起こったことに頭が追いつかない。
「……そっか、所長がこの現場に居合わせるのって初めてだったよね。……本当に、ショックだよね……。ラッピーは大丈夫?」
「う……うん、ボクは時々フィンとストロの仕事に連れていってもらってるから……。でも……ルモンさん……。ルモンさーん!!」
「大丈夫ですか!?何かありましたか……ひえっ!ル……ルモンさん!?」
慌てて入ってきた他の看護師さんがルモンさんの遺体を見て驚く。
「ああ、ここは俺が説明する。実は……。」
フィンが今までの一部始終を看護師さんに話した。
「そ……そうだったんですね……。まさか、こんなところで
「俺たち職員は、いついかなる時でもこの状況に備えておかなければなりません。ですので、外出時の武器類の携帯が義務付けられているんです。……同僚の方を手にかけてしまい……申し訳ありませんでした……。」
「いえ、あなた方を責めるつもりはありません。むしろ、他の職員や患者様に被害が及ぶ前に止めていただきありがとうございました……。あぁ……僕もいつかバーサーカーになってしまうのかな……。」
看護師さんはまだ気が動転しているようだ。でも仕方がない。私だって、ついさっきまで慌ててベッドから逃げ出しそうになっていたのだから。ストロに動くなと言われなければ、どうなっていたことか……。
「……ホリーは予定通り、もうしばらく休養してくれ。」
「え……でも司法解剖は……。」
「心配するな。おまえが入院したことは既に全支部に伝えてある。他の支部が手伝ってくれるそうだ。」
「そうそう。休むのは業務命令だって、さっき言ったでしょ?しばらくは仕事のこと、考えちゃダメだからね。」
「う……うん、わかった……。」
「それじゃあホリー、俺たちは一旦遺体を研究所まで運んでくる。ラッピー、ホリーの看病を頼んだぞ。」
「
2人は部屋からルモンさんの遺体を運び出していった。
「ぼ……僕もいつか……あんな風に……あわわわわわわわわ……!」
看護師さん……大丈夫かな。
常闇と黎明、美しきかな尊き姫よ 姫凛*ひめり @himeri_kawaii1
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