第3話 晴天の蒼と白雲の白
「リグルスという男は捕縛し、拠点に運び込み済みです」
「早いね~」
「いえ、元々潜入はする予定でしたので」
「そうなの?」
次の標的はリグルス関連という事だろうか?
っとすれば私がわざわざ潜入して探る必要もない。
「えぇ、リグルスを拉致しシロが潜入してやる予定だったので」
入れ替わり潜入という事は、ほぼ黒に近いといっても差し支えないだろう。
セナの判断は確実なる証拠が揃わなければ、やることはない。
黒より黒、リグルスは証拠を取れるだけ取り処分されることは確実だ。
まぁ、その方が私達に被害はないのでいいのだけど。
「恐れ入りますが、聞いてもよろしいでしょうか?」
「何?」
「何故ここにいらっしゃるのですか?」
「私の店関連でね」
「あぁ、そういう事でしたか……それなら安心してくださってもよろしいでしょう。
これから調べた後に関連の組織の粛清にかかりますので」
粛清か。
名無の粛清は表だって出る事はない。
今回の場合は店を少しずつ畳み、取引を最後までやり遂げ、何の不思議もない程自然に消滅していくのだ。
「そっか……この件の結末、私もついていってもいい?」
「それはむしろこちらとしても心強いので構いませんが、セナ様に貴方の事に関しては報告を義務付けられているので彼女の返答を聞いてからでもよろしいでしょうか?」
随時報告ときたか。
セナに報告という事は名無の七色全員が出てくることは間違いないだろう。
「セナに言っておいて、来るなら三人まで」
「その通りお伝えしておきます」
正直、全員の案件ではない。
相手がどれだけいようが三人いれば片が付く。
私の命を受け、サリナは去っていく。
帰るか……。
本当なら、リグルスを捕らえて吐かせる予定だったのだが、彼女達が出てきたのなら私の出番などないだろう。
私は出口を探す。
こんな事なら、サリナに出口聞いておくんだった。
道をわからないまま進んでいくが、出口がまるで見えずどうしようか悩んでいた。
「サリナ~、戻ってきて~」
「はい、お呼びでしょうか?」
「うわぁ、びっくりした」
泣き言でいないと思っていたのだが、サリナはずっとついて来ていたようだった。
「どうなさいましたか?」
「あ~いや、出口の道知らなくてその……」
「あ~、迷ったんですね。 気が利かず申し訳ありません」
淡々と述べる彼女に連れられ、私は出口に向かって歩き出す。
サリナ、なんか嬉しそう……。
彼女は表情をあまり表に出さない。
なんとなく、彼女がそうなっていると思えたのだ。
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