第2話

「ふーん…なるほど」

「人間って面白い!!!」


あれから僕は人間に興味を持ち、観察を続けていた

人間の文化や歴史、衣食住などなど

とにかく人間について調べまくった

人は僕ら神とは違って寿命が短く、脆くて弱い

逆に僕らは老いることなく、寿命も永遠と言えるほどだ


「でも何故か僕ら神の生活よりも、弱くて脆い人間の生活の方がうつくしく思えるんだよな」


うーん、まだ僕が見つけていない人間の魅力があるのだろうか

知りたい知りたい!!

あーあぁ、出来たらいいのに…


「……それだ!!!」


人間のことをもっと知るには、僕自身が人間になればいいんだ!

そうしたら退屈な神様生活ともおさらばすることができる!!


「僕って天才〜」


そうと決まれば…


「早速準備開始だ!!!」


僕は記憶を頼りに準備を始めた

僕が天上界から出ていくと知ったら、きっと周りは全力で止めに来るだろう

だからこの儀式は絶対に誰にもバレてはいけない


「えっと…確かこうして」


昔、姉さんから話を聞いたことがあった

あの時はバカバカしいと思っていたが、今はとても感謝している

姉さんから聞いた話は人間に恋をした神が、自分が人間になり人間界で共に過ごすという話

確か、とてもロマンチックよねぇ〜♡って言いながら話してたっけ

その話では、神は人間になるために禁術である転生術を使ったとか

僕は魔法についてはどの神よりも詳しい自信がある

その神が本当に転生術が使えたのなら、きっと僕にもできるはずだ


「いちかバチがだけど…」

「やってみるしかない!」


魔法陣に時を戻す魔法、転移の魔法、記憶を残す魔法を書いていく

失敗する確率の方が高いが、かけてみることにした

いつもなら勝てない賭けは絶対しない

でも、それ以上に僕は人間への好奇心が抑えきれなかったのだ


「出来た…!」


あとはこの魔法陣を発動させるだけ!なんだが…


「兄さん、何をしてるの?」


ツクヨミに見つかってしまった…


「ええっとこれは、その」


「また何かやらかそうとしてない!?」

「この魔法陣はなに!?」


やばいやばいやばい

このまま本当のことを言ったら絶対に年寄りの所に連れていかれる!!

それだけは絶対に阻止しなければならない

仕方ない…

強行突破するしかない!


「ツクヨミ!後のことは任せたよ!」


「は!?ちょっ兄さんッ!!!」


パチンッ


指をならし、魔法陣を発動させる

その瞬間ものすごい光が天上界を包み込んだ


「兄さんッ!!!!!」


最後にツクヨミが叫ぶ声が聞こえ、僕の意識は闇の中へと引きずり込まれていった

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神様やめて人間ライフ楽しみます!! 水音 @Mionn_

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