第2話 生成スキル使ってみます!
「えええええ!ちょっと世界の名前って!あああ!こんなところまでテンプレなの?まじで?」
ということで、森の中です。
いやはや、テンプレですね。まじですか。
待てよ?レベルとか言ってたよね。これだけテンプレならあるでしょ!
「ステータス・オープン!!」
…
…
「無いのかよ!!」
悪態ついても仕方ないよね!
だって、ここまでテンプレなら期待するよね。
とりあえず、周りを見て少し小高いところを探す。
と言っても周りが木で囲まれているから、むしろ木が生えてなさそうな明るそうな視界のひらけていそうな場所を探す。
またはよじ登りやすい木でもいい。
あっちが明るいかな?
ここの木は空が見えないほど覆うような木じゃ無くて、光が差し込んでくるような木。
だから、余計に明るい場所が探しにくい。
とりあえず方向を決めて歩き始める。
あとは枝を折っておくといいんだっけ?
「って!下の方の手が届く範囲の枝なんて太くて折れないんですけど!!」
なんだよ。枝を折るって、そんな簡単に折れるような木はここには無いじゃん!
あとは石でも拾って、木の幹に傷をつけるとか??
「いやいや、葉っぱに埋もれて石とかぱっと見じゃ見つからないんだけど!」
ええ!テンプレの人たちどうしてるんだろう。いや、きっと葉っぱをめくるんだよね。でも何か葉っぱめくったら虫とかいっぱい出てきそうなんだけど!!
あとテンプレというと、あ、服は着てる。よかった。裸は嫌だし。
あとはポケットとか。
あるじゃん。
「あーナイフある。神!まじで神!ありがとう!神様!」
あとはお金とカードっぽい物
「あ、これ、いわゆるステータスカードじゃない?テンプレだもんそうじゃなきゃ!」
そう思ってカードを取り出したら…
「ハッチ村ギルド、一週間宿泊券。えっと、ハッチ村ギルドに多大な貢献をした方に提供されます。この券を提示するとギルドの食事付きで一週間宿泊できます?まあ、ありがたいといえばありがたいか」
魔法のある世界だからステータスカードだと思ったのに。
さすがにそんなオーバーテクノロジーはないか。技術の無い世界って言ってたもんね。しかし
「ハッチ村ってどこよ」
そう言いながらもいろいろ服をあさる。
宿泊券が入っていたのは上着のポケット。
なんかベストみたいな物を着ているのでその内側の胸ポケット。
ナイフは腰に撒いたベルトにぶら下がってた。
あとベルトに小さいポーチみたいな物。
なんか木の実?食べられるの?あとは。お、これって
「薬?いや軟膏かな?すんすん。ちょっと爽やか系の香り。これなんだろ?」
あーさっきから独り言が止まんない。
こんな静かな森の中でしゃべるのどうなんだろう?
それに静か過ぎる森って鳥とか虫の気配も無いって、やばいやつがいるっていうのが相場だよね。
ここ、早く離れる方がいいかもしれない。
だまって作業しよ。
えっと、あとはポーチの中に革袋。お金っぽい物発見。神様再びありがとう。
ポーチはここまでかな?
あとは今来ているのはシャツにパンツにベスト。あとショートブーツみたいな物履いてる。感触から靴下もはいているみたい。
ベストは結構ポケットがついてる。
内側のポケットに宿泊券。あと腰の高さの左右と胸の高さの左右にそれぞれポケットがあるけど、ここには何も入ってなさそう。一応見てみると、左の腰の高さのポケットには何か入ってた。このポケット分厚いから中身があっても邪魔にならないっぽい。
えっと、これは紙?
どれどれ?
『スキルの使い方
今日は初日なので三回スキルを使えます。何を作るか考えて頭の中で具体的に思い描いて、生成魔法というとそのイメージが鮮明であればあるほど綺麗に実体化します。イメージが不鮮明な場合は成功しません。失敗した場合、回数は消費されません』
へえ。イメージを固めてから創造魔法と言えばいいのか。
イメージが鮮明であれば成功、不鮮明なら失敗。
失敗しても回数が減らないならトライすべきだよね。
何にしよう。
まずはこの森から出るためのナビが欲しいよね。
この森から出てハッチ村まで案内して欲しい。
あーでもそれだけで創造魔法使うのもったいないよね。
この森に詳しくて、この森で採れる物とか教えてくれて、お金になる物とかも教えてくれる。あと動物の探し方とかよけ方とか。いっそレーダー機能搭載で。ついでにハッチ村にも詳しくて、就職の仕方とか宿の取り方とかも教えてくれるようなナビがいいな。
そういうナビを
「生成魔法!」
『失敗しました。Tips:能力は定義されていますが、外観情報が足りません』
うわあ、すごい。
失敗理由を教えてくれるんだ。
ということは今の機能は一つに搭載できるんだ。よしよし。
この森に詳しくて、この森で採れる物とか教えてくれて、お金になる物とかも教えてくれる。あと動物の探し方とかよけ方も含めて、動物から植物から所望の物を探せるレーダー機能搭載で。ハッチ村の風習にも詳しくて、就職の仕方とか宿の取り方とかも教えてくれるようなナビで、外見は妖精みたいな羽根がついた小さな女の子で
「生成魔法!」
『失敗しました。Tips:能力は定義されました。属性も定義されましたが、外観情報が足りません』
あれ?また失敗?
あーそうか髪の色とか肌の色とか目の色とか細かいところまで指定しないといけないのか。
えっと
この森に詳しくて、この森で採れる物とか教えてくれて、お金になる物とかも教えてくれる。あと動物の探し方とかよけ方も含めて教えてくれて、動物から植物から所望の物を探せるレーダー機能搭載で。ハッチ村の風習にも詳しくて、就職の仕方とか宿の取り方とかも教えてくれるようなナビで、外見は妖精みたいな羽根がついた小さな女の子で、金色の髪と白い肌と青い目をして、服はパフスリーブのワンピースを着ていて、背中に透明な羽が生えていて、全体的に光っていて容姿はあまりみえないんだけど、他の人の目につかないように隠れることも出来る。ぶっちゃけ私にしか見えないそんな妖精さん。食事は空気から取るから不要で、トイレも行かないし、お風呂入らなくても汚れとか綺麗に出来る。ついでに私の体も綺麗にする魔法も持っているそんな妖精さん
「生成魔法!」
『失敗しました。Tips:能力は定義されました。属性も定義されましたが、外観情報の一部が定義されましたが、容姿の情報が足りません』
…
…厳しい。
厳しすぎる。でも手のひらにのるような妖精欲しい。話し相手が欲しいし。
容姿か。髪の色とか目の色とか想像したけど、顔のつくりとかまで指定していないし。
あ、そうだ。
絶対に誰もがしっかりと想像できる妖精がいるじゃん。
あれならきっと映像も鮮明。ちょっと服だけ変えないといけないかな。
この森に詳しくて、この森で採れる物とか教えてくれて、お金になる物とかも教えてくれる。あと動物の探し方とかよけ方も含めて教えてくれて、動物から植物から所望の物を探せるレーダー機能搭載で。ハッチ村の風習にも詳しくて、就職の仕方とか宿の取り方とかも教えてくれるようなナビで、外見は妖精みたいな羽根がついた小さな女の子で、昔お母さんが買ってくれた小さな三人の姫君の童話の次女みたいな容姿。それで全体的に光っていて容姿はあまりみえない。そしてさらに私にしか見えないそんな妖精さん。食事は空気から取るから不要で、トイレも行かないし、お風呂入らなくても汚れとか綺麗に出来る。ついでに私の体も綺麗にする魔法も持っているそんな妖精さん。あ、ティンカーベルみたいにいたずら好きじゃ無くて、私に対して真摯に、誠実に接してくれるお友達みたいなそんな妖精さん。
「生成魔法!」
あ、何か力が抜ける。
成功?
これまでと違う感じ?
よかった。これで失敗したら妖精をあきらめて、四角い箱でAIスピーカーチックにしようかと思ったよ。
絵本のお姫様は金髪の緩やかなウェーブの長い髪を下ろしてて、パフスリーブのピンクのワンピース着ていたかな。長女が赤で次女がピンクで三女がオレンジの服を着ていたお姫様たち。その次女のお姫様が一番好きだった。しっかりした長女と天真爛漫な三女にはさまれて、おとなしいけどしっかりした次女のお姫様。
小さな光が私の手の上に降りてくる。
名前をつけなきゃ。
あのお姫様の名前はなんだっけ?確か…
「リリア姫」
そういうと妖精はバッチリ目を開けた。
「おはようございます。私の創造主様」
やったあ。成功だ!
これで勝てる!というか勝ったも同然!
「さっそくだけど助けてくれる?」
「はい。私に答えられることであれば」
「安全なルートでハッチ村に行きたいの。ついでにお金になる物があれば拾っていきたいけどできる?」
「お任せください」
よっしゃあ!!
これでハッチ村までの道案内ゲット!
おまけにお金も手に入る。
生成魔法様々だね!
「創造主様」
「なーに?」
「まだ今日使える生成魔法は残っておられますか?」
「うん、あと2回いけるよ」
「そのうち1回を私のお勧めに使っていただけないでしょうか?」
「何作ればいいの?」
「結界箱です。この世界にもありますので、創造主様が思い浮かべられなくても結界箱と言えば生成できると思います。その際、二日間以上機能する魔石付きの結界箱を生成してください」
「それは便利そうだね。わかった。作ってみるね」
「お願いいたします」
「それと創造主様って仰々しいから呼び方変えてくれない?」
「ではなんとお呼びすればよいでしょうか?」
そう言われて、気がついた。
私の名前、何?
以前の名前も思い出せないんだけど。
それにこの世界にありふれている名前の方がいいよね。
えっとゲームのキャラにつけた名前とかでいいかな?
「この世界にありふれた名前がいいんだけど、ベアトリスってありふれている?」
「初めて聞く名前ですね。ベアトリス様でよろしいですか?」
「ちょっと待って。この世界のありふれた名前を一つ二つ教えてくれない?」
「女性名でしょうか?」
「うん、女性名」
「ありふれた名前というとザラやビビでしょうか」
「それっていい名前?」
「ザラは親に捨てられた子供につけられることの多い名前です。あまりよい印象はありません。ビビは昔の王妃様の名前で、優れた人だったので、その方にあやかってつけられることが多い名前ですが、貴族以外がビビを名乗ると罰せられます」
だめじゃん。
「普通の一般人がつける名前でよくある名前は?」
「リリやキキと言った同じ音を並べる名前でしょうか」
同じ音を並べる。
リリはリリア姫と被っちゃうからよくないな。
えっと
「ココはどう?」
「よくある名前です。子供の頃に体が小さかった子に大きく育てと祈るようにつけられることが多い名前です。生き残ることが少ない代わりに、成長すると苦労したんだねと労られることが多い名前です」
それならいいかな?
「じゃあ、ココで!」
「はい。ココ様。承知しました」
「よろしくね」
そのあと、10cm四方の結界箱が出てきたけど、それを運ぶためのリュックも必要で、これでこの日の生成魔法は打ち止めになってしまった。
「では参りましょう。ついてきてください」
「おっけー。よろしくね!」
二日間以上機能する結界箱と言われたときに覚悟はしていたけど、そこから村までは一泊して翌日の夕方まで歩きつづけだった。
この体は元の体より運動が出来るみたいで助かった。
あと、翌日の生成魔法で、ハッチ村に入るためのライセンスカードを作らされた。
やっぱり、あるんだ。身分証明書。
私の出身地は東の方にあるロッソ村というところで指定された。
なんでもロッソ村は十年ぐらい前に解散したらしくて、当時うまれたばかりのココという赤ん坊を連れた家族が遭難して、死亡したらしい。
だけど、死亡したことはばれていないから、その子に成り代わればいいだろうと。
ハッチ村に着くまでにきのこや木の実をいっぱい拾ったし、これから私の異世界冒険が始まるんだ!
「よおし、がんばるぞ!!」
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