第154話 今夜の確認、作戦会議と、増えた話(ツブリ視点)
「あれ? 今日はどうしたんです?」
病院に翡翠さんが居るにしても、搾精の日程とかでは無い。ご希望とあればいつでも搾りますが。
「予防接種、2セット目も発熱とか落ち着いたんで、3セット目ですね、何でもコレが馴染んだら生ガキと生ハム、生肉が解禁だとか?」
「ああ、ノロとトキソ、カンピロも行ったんですね」
予防接種の通称、食中毒ワクチンセットである、一部の飲食店だとコレの摂取証明が無いと提供出来ないメニューが有ったりして、食道楽には必須だ。
翡翠さんが一切逃げる様子が無いからだが、何だかんだ摂取状況とか順調そうで、何よりだ。
「ところで、ツブリさんは今夜からですよね?」
「ひゃい!」
思わず変な、裏返った声で返事をする。
「そんなに緊張する事も無いので、3日間、ゆっくり楽しみましょう?」
「はい! よろしくお願いしまひゅ!」
優しい笑みで落ち着けと言われるが、勢いよく噛んだ。
周囲から、生暖かい視線が集まる、ちょっといたたまれない。
「すいません、ちょっとハチクマさんお借りします」
そんな訳で咄嗟に同性に逃げた。
「どぞ?」
「あんまり離れないでくださいよ?」
「そこらへんに居ますから、ご安心を」
ハチクマさんの注意に、軽い調子で返答する翡翠さん、ちょっと離れた所にある休憩とか待合用の椅子に座って、横に居た老人たちに適当に話しかけていると言うか、囲まれて話しかけられているが、特に物怖じした様子もない、思った以上に社交的だった。
「で、どうしました?」
そんな様子を、内心ハラハラと見守った後で、促される。
「初夜に当たって、女としてはリードしなきゃと思うんですけど、スマートにいけないと幻滅されたりしません?」
そんな処女丸出しの、切羽詰まり気味な質問に、ハチクマさんはぱちくりと瞬きをして首を傾げた。
「私たちの翡翠さんを信じてれば問題無いです、最悪頭真っ白で、マグロっても、ちゃんと最後までやって、 中で出してくれるんで、ご安心を」
「それは安心……」
と言うか、この口ぶりだと初回でマグロったのか、先駆者として凄いと見ていたが、一気に親近感とかが湧いて来る。
「因みに、ヤタ婆様は初回の主導権取りたくて、初手で翡翠さんを布団にぶん投げたみたいです」
「ぶ……」
思わず吹き出しそうになった、ソレは笑っていい奴なのだろうか?
「怪我とか大丈夫だったんですか?」
「あの人は技術的に私達より上ですから、見ての通りです」
確かにあの翡翠さんは元気そうである。
因みに、私もそれなりに鍛えて居るので、投げ技や寝技、合気はそれなりに使える。
搾精の際には男性と密室で二人きりに成る為、男性が暴れた際にも護身及び、安全に搾る為に必須技能とされているからだ。
「強いんですか?」
「いざと言うときは、翡翠さんの護衛扱いして頼っても良いし、手合わせしても良いと思いますよ?」
「確かに、ちょっとその辺は鈍り気味ですが……」
翡翠さんの相手は、良くも悪くも平和なのだ。
「あの体格なんで、初回は流石に入るか怪しいんで、暴れない様にって主導権とって、膣内潤滑剤も目の前で使って見せたから、遠慮しないで使って良い前例出来てるんで、ご安心」
「流石のおばあ様だけど、やっぱり痛い?」
「翡翠さんのアレ、流石にでっかいから、初回はお腹の中でぶちぶち鳴るし、それなりに痛いし、血も出るから、結構怖いかもだけど、粘膜系だから治りは早いし、あんまり痛くない様に翡翠さん気を使ってくれるから、それ含めてお楽しみってヤツだと思うよ?」
「ソレはごもっともってヤツですけど」
「かなり気を使ってあれこれしてくれるから、初回は任せちゃって良いよ?」
「良いんですか?」
「私とミサゴが本性とか出せたのも結構後だから、まあ長い目で見るべき、翡翠さんも私等とは長い付き合いに成るの、楽しそうにしてるから、これっきりじゃないと思うし」
「そりゃそうですね?」
頭の片隅が、これっきり前提で動いていた、実際問題こういうのは一期一会で毎回違うモノで有るとは思うけど、次回が有るとするなら気が楽だ。
「あ、そだ、媚薬系とか強壮剤とかは辞めといた方が良い、マムシ酒で理性飛ばしたら流石に大変だったみたいだから」
「何でも出てきますね……」
先駆者情報が本気で有り難い。
「因みに、装備品と小道具として有効っぽいのは、お墨付きの一言レビューPOP着けて、旅館の売店に並べてあるから、ちょっと覗いてみると良いよ?」
「至れり尽くせりですね……」
「でもって、翡翠さん的には無理やりも不本意なのも禁止何で、どんなのやりたいのか言うだけで合わせてくれるので、安心して……」
「しゃああああ!」
変な奇声に、びくりと振り向いた。
いつの間にか、翡翠さんを取り囲む面々に、奇声を上げてガッツポーズをする上司、兎田薬とか追加されていた。
わあ、よくやった、おめでとう、よくやった、この色男、と言う感じに拍手が沸いている。
……折角の良いシーン見逃したらしい、本気で目を離すんじゃなかった。
画面外、診察室(トキ視点)
「いやあ、良いもの見ました、今なら10歳ぐらい若返った気がします」
「そりゃよかった」
今まで見た事無い位の上機嫌で報告してくれる患者達、待合室で翡翠と出くわした面々だが、ここしばらく見たこと無い位に、肌艶とか、眼の光具合とか、凄い事に成っていた。
追伸
兎田「今なら行けると思った」
すいません、遅れました。
寒さに負けて再発した肩こりと片頭痛でぐったりしてました。
作者の出身はギリギリ北国系ですけど、寒さには弱いです。
翡翠はそもそも人嫌いでも何でもないので、囲まれても多少疲れる以外のダメージを受けません、安心。
大分前に伏線張って置いた例の娘です、描写で確認された分には14人目、時系列とか直すとグチャりますが、ハクトのアレは求婚に数えて良いやつでしょうか? ちょっと謎です。
他人で有ろうと、おばあちゃん軍団はこういう時、無責任にたきつけてくれるもんだと信じてます。
生食セットのワクチン、ノロは実用化目前、残りのは理屈の上でなら、出来ないことも無いらしいです。
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