第155話 ツブリの初夜、先ずは挨拶から
「毎回こんな感じなんですか?」
湯船の中でぺったりくっついたツブリさんが呟く。
「今日は静かな感じですね? 昨日はこの混浴で、全員集合でした」
ヤタちゃん相手の際には、宿に居る正妻達全員で混浴から始まるので、かなりの大騒ぎだった。
因みに嫁1号が正妻で、残りは妾では無いのかと言うツッコミに関しては、書類上正式に妻なんだから正妻で良い、下手に順位付けるとギスギスすると言う事で、籍入れ組は全員正妻呼びで有る。
「私が独占って言ったから?」
「そうですね」
お互いに多少は気を使った感じなのだろう。
「でも、今日は綺麗に剃ってあるんですね?」
思わず悪戯心とかが湧いて、ツブリさんの首の後ろとか背中の辺りをツーッと指先でなぞる。
「ひゃ!?」
可愛い声が上がった
身じろぎした関係で飛沫が上がる。
恐らく、自分では手入れ出来ない部位で有る。
でもって、今朝逢った時には生えていたと思われる部位なので、念入りに準備して来たのが一目瞭然だった。
「早目に来たら、前準備しますか?って言われて、ハイって言ったら、こっちまでツルツルに……」
ツブリさんの顔がお風呂で温まった分より、何だか赤い顔で目線が下に向く。
透明なお湯の下には、どうやらしっかり剃られてツルツルになったソレが有るらしい。
湯面の揺らぎと反射とかで、そこまでは見えにくいが、生えて居ないのは確かに、そう? なのか?と言う感じのシュレディンガー加減で有る。観測したらそこまでだが、未だ観測して居ない事に味が有る。
そういえば、脱ぐ時に、何だか恥ずかしそうにガード入れてたなあと一連の動きを回想する。
えっちだなあ。
しみじみ思う、確か前回の搾精の際にもちゃんと整えてあったと思うのだが、更に念入りにされたらしい。
「そりゃまた念入りだ」
そんな一言を返しつつ、思わずニヤニヤと笑う。
「えっと、お好きですか?」
「大好物です!」
赤い顔で確認して来るので、思わず親指を立てて良い笑顔で返事をする。
嫌いな人は居ないと思うのだ、生えてる生えて居ないより、女の子が恥ずかしそうにする一連の流れがとても良いです。
「そ、それは良かったです……」
微妙にひかれた感が有るが、まあ良いだろう。こっちの世界でエロをオープンにしてひかれる事は無いようだし。
向こうだと下ネタと性欲は隠せと出せと、最初隠して、後から出したらぬいぐるみから余計な物が生えてきたとか酷い事言われまくる流れである、結局どっちだと困るやつだ。
「とても良かったです」
そんな相槌に、無駄に大げさにうむうむ頷いてみる、恥じらいは大事だ。
微妙に染まって来た感が有るのは認める。
「さて、今日はどんな感じで行きましょう?」
ちょっと一拍入れて、落ち着いてから、切り出した。
「先ずは、私達の何時も通りから行きましょう?」
ツブリさんのご希望は、何時も通りのアレだった。
寝室に移り、布団の上で、何時もの流れで、裸で向かい合って、お互いに正座で頭を下げる。
「「よろしくお願いします」」
顔を上げて、二人でニヤリと苦笑を浮かべた。
「でも、何時も通りで良いんですか?」
「何と言うか、良い感じの攻めとか構成とか思いつきませんでした、出だしは私がいつも通り攻めますけど、攻め手が切れたら良い感じに攻め返してくれると嬉しいです」
「あんまりそんなの気にしなくても良いのに?」
「本番は初めてですから、万一失敗なんかした日には、女の子としては、一生モノのトラウマですよ」
「それはまあ、男女どっちでもトラウマでしょうなあ」
向こうでは基本的に男のせいと言われるが、こっちでは女のせいになるらしい、当然の流れでは有るのだろう。
「そんな訳で、実際にやって出来た流れを先ずはなぞります」
そして、やらかし済みと、やらかす前では意識が違うのは当然なので、経験者目線で語っても未経験者はビビッて当然、だから経験者側が優しく導いてやる必要が有る訳だが。
「だから、失礼しますね?」
未経験と言うには無理が有るだろうと言う手付きで、半戦闘状態な本体部分を、上の口で咥え込まれた。
湿った温かい感触に、本体が一瞬で戦闘形態を取ったのは言うまでも無い。
追申
言うまでも無いけど、無駄にビビり散らかしてるけど、お仕事なら出来るタイプです。
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