第90話 予防接種とボルバキア設定の与太話
病院に到着すると、待ち時間も無しに奥に通された。
「ふむ、経過は良好と、これなら行けるか」
トキさんが診察、触診や問診もそこそこに、一人納得した様子で呟いている。
「コレに署名をお願いします」
紙をずいっと出して来た。
『ワクチン接種予定、同意書』
B型肝炎、C型肝炎、ロタウイルス、ヒブ感染症、肺炎球菌感染症、ジフテリア、破傷風、百日せき、ポリオ、結核、インフルエンザ、新型コロナウイルス、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、日本脳炎、HPV、髄膜炎菌感染症、狂犬病等々と。
ざっと見ただけでも結構な数が並んでいた。
「この辺までは多分元の世界でも受けたと思われますが、現状医療記録も何も無いと言うまっさら状態ですので、1から10までと言わずに、1から100まで全部打たせて頂きます、念の為の同意書が有りますが、パンデミック予防には皆さんのご協力が必要ですし、万一病気で早逝されても困りますので是非とも」
真面目な時のトキさんは、美人なのも相まって、結構圧が凄い。
そんな事を考えつつ、書類に軽く目を通して、本数の多さに愕然とする。
「これ、一日で?」
「流石に本数が多いので数日に分けさせていただきます、副反応等もそこそこ有りますから」
何日かかるのだろうか、1か月ぐらい?
「3種混合とか4種混合とかも在りますから、言う程本数多くならないはずですね?」
「それなら安心ですね?」
「そして、ここからは新ワクチンです、恐らくあの時代には未だ存在しなかったものですね?」
別の紙が出て来た、対象は淋病、クラミジア、梅毒、AIDS等々と、あの時代には確かに無かった予防接種の名前が並んでいた。
確かに有ると嬉しい。
「コレ作れたんですね?」
素直に感心する。
「治療法も見つからない難病だったのに」
思わず呟く、製造法的に遺伝子組み換えなのかmRNA系なのか、馬やダチョウなのか、人からなのか、流石に動物由来は旧いだろうか?
「治療法は無くても予防接種作れるのは在りますし、治療法有っても後遺症が割と確実に残るのと、治療に年単位かかるのとかは在りますからね、予防にしちゃった方が国民保険的にも優しいので」
「そりゃそうですね」
「まあ、男性の医療費は基本的に全額国費負担だったりしますが、やはり予防接種で済ませた方が健康期間長いので、ご理解いただけましたか?」
ずいっと押してくる。
「はい、じゃあお願いします」
素直に同意で署名した。
なお、それなりに熱が出たりなんだりで。全部打ち終わるまで結構かかった。
追申
ワクチン接種は基本的に補助金出る限り打つ派ですので。
医療系は100年程度で医療系の謎ナノマシンがわしゃわしゃすると思えんので、気持ち地に足の着いた感じの予防接種です。
裏設定的にボルバキア感染者はどこ等辺で免疫が高いのかと言うと、深部体温が若干高いです、下ネタ的には中とか結構あったかかったり。
常に発熱する関係上、燃費悪くて太りにくくて、免疫系と代謝が活発。風邪程度の症状が弱い系だと無症状保菌者に成るので、性行為前健康診断とかだとすり抜けやすく、この世界の獲得免疫無しだと翡翠がちょっと危険。このボルバキアで代謝が上がる性質はこの世界限定です、ご注意を。
100年違うと風邪系のコロコロとかインフル系のウイルス変異が別物に成っちゃうので、実例的にインフルエンザ亜種のスペイン風邪みたいなの出るので、やっぱり必須と思いまして。
更に言うと、栄養状態が悪い200年前とかまでなら、子供の頃に飢餓耐性が若干低いボルバキア保有者が病気は兎も角、栄養失調でぽろぽろ死ぬので、結果的に男女比多少マシだったとか、そんな世界です。
いや、病気には成り難いのでボルバキア有利説も有るけど、栄養失調の方が致命的と見て。
ここ数百年でハーバーボッシュ的な窒素固定が出来た関係で、栄養状態良くなって乳児死亡率下がったもんだから逆にボルバキア感染者残っちゃったと言う。
アフリカとかの飢餓地帯で探せば色々どうにかなるんじゃと? 国家単位で精子と男が国有資源化されて色々えぐい事に成ってますと言う感じで。
なお、哺乳類系畜産業が崩壊するんじゃないかと言う指摘が有りましたが、そもそもボルバキアは母子感染、鳥インフルエンザや口蹄疫見たいに感染爆発で即死する物品じゃないので、動物系パンデミックはどの段階問題で、無感染状態の個体が居れば選別するだけで割とどうにかなるんじゃないかと思われます。化学療法的には抗生物質、テトラサイクリン等の抗生物質処理とかで卵細胞を殺菌処理すれば男子は生まれますが、どうしても卵細胞段階で死亡率が上がっちゃって、果てしなく非効率な上、そもそも人権的にどうなんだってことで、動物は兎も角、人間に対しては倫理的に封印指定の技術です。
畜産系では完全に蔓延していると困りますが、前述の通りの無茶はできますので、如何にか成るんじゃないかと。
それ以外の超長期で見た人類生存ルートは、近況ノートのリンク記事にも有った、生き物自体がボルバキア耐性を自前で獲得する事、ボルバキアによる染色体の組み替えを妨害するのか、組み替え後に修復するシステムなのか、免疫系でボルバキア自体を駆逐するのか。まあ色々有りそうです。
何がアレって、明確にボルバキア感染者にヤタちゃんみたいな適合者以外にも、単純に体温が上がる等のメリットがある為、男が少なくなるデメリットに目を瞑って、このままボルバキアとなあなあで共生して行きたいと言う無言の一派がかなり居そうな事。
結局、色々加味してボルバキア未感染で元気に動いてる翡翠はレア物ですね?
そして、この世界の雄共が何で弱いのかの裏が取れる形に、エラー的な未感染者で他の通常ボルバキア感染者より初期免疫が弱いので色々生育不良起こすと。
そう言う事で、しつこいようですが、この作品はフィクションです、作中のヒトボルバキアに関しては作者の妄想ですので、悪しからず。
更に変なことを言うとHPV、ヒトパピローマウイルス、一般的に子宮頸がんの原因だが、極論粘膜系のガンは結構な率でこれが原因。
ワクチンには子宮頸がんを筆頭に、咽頭がん、食道がん、口腔がん、肛門がん、直腸がん等のガンに予防効果が有るので、別に女性限定ではない。むしろ限定する意味が分からない。
感染経路は粘膜接触と言うが、交尾以前に、キスだけで感染、全人口の半分が感染者、3人以上とキスしていれば9割感染者と言われる、酷い感染率のウイルス。 感染から10年から20年の潜伏期間からの発症なので、とても面倒なタイプ。
カスゴミのネガキャンにより接種義務から外れているため、世界に比べて日本では異様に子宮頸がんの発症者が多い。
現代日本では女性のみ補助金で、男性には補助金無し。明確な男性差別案件である。
世界的には男女ともに接種推奨の流れ。 男の場合丸ごと実費に成るため、安い方の四価で3回1セット5万円、高い方の九価3回1セット10万円と言う極めてお高いワクチン。 しつこいようだが、男側は保険着用ですらない。
一般名が子宮頸がんワクチンと言う名前なのが一番の問題点だと思われる。
って事で、補助金無いのに打つの推奨とか言われるインフルエンザワクチンとか、最近の補助金消えたコロ〇ワクチンもイラっとする系です。
作者は書いちゃったら公開しないと延々とこねくり回す質なので、書いた以上は出しちゃえと言う事で、お目汚しだったらすみません。
良かったら感想とか応援とか評価の★3とかレビューとか、ご協力お願いします。
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