第86話 死屍累々の脱衣所と、ノリの後始末(ハチクマ視点)

「さて、どうしよっか?」

 苦笑交じりに呟いた、現代位置は脱衣所、先ほどの翡翠さんが大サービスしてしまったので、サービスを受けた。具体的には、ちょっと裸でハグした面々が静かにイキ散らか した結果、死屍累々と言った感じに成っていた。

 どいつもこいつも全裸なので、肌色ばっかりである。

 床暖房ついているので適温で熱くも寒くも無いので、風邪ひくこともあるまい。

「まったく、そこのクソ雑魚二人~」

 一先ず顔見知りの二人を起こしてみる。

「いや、結構なお点前でした......」

 しみじみと変な事を言う琴理さん。

「今度は出来たかなあ?」

 うふふふ〜とお腹を撫でるきよら、流石に挿入してないんだから無理だと思うんだと言うツッコミは、いれるだけ野暮なのだろう。

 と言うか、今私の中にあるのをかきだして再利用すれば出来るだろうけど、流石に風情とか色々最悪なので提案しない。


「うわ、こりゃすごい」

 声に振り向くと、空っぽの御盆片手にスズメが登場していた、相変わらず周囲は死屍累々である。

「んと、のぼせ気味? 危ないかな? まあ全員飲ませておきますか」

 スズメが気の抜けた調子で呟き、ICカードを自動販売機にかざして、スポーツドリンクをまとめ買いと、ボタンを押し始めた。

「ハチクマ姉、手伝って」

 ボタンを押すごとにガシャガシャと取り出し口に落ちてくるスポーツドリンクの缶を次々と取り出す。

「えーっと、何人で、何個だっけ?」

 途中でスポーツドリンクが売り切れになって、経口補水液に入れ替わっていた。

 改めて整理と指折り数えている。

「ん、おっけ、じゃあ配って」

 淀み無く指示を飛ばすスズメ、こういった時は人を使うのに躊躇しない娘である。

 特に文句も無いので従って配るのだが。

「御代は結構ですので、飲んでおいてください」

 微妙な棒読み気味の、一文字一文字噛んで含める様に声を出している。

 倒れていた面々は、未だのぼせ気味なのか、余韻に浸って居るのか、動きとか反応が色々緩慢だ。

「のぼせて脱水で熱中症で、脳溢血とか、くも膜下出血何かで救急車に成ったら、翡翠さんの混浴サービスも無くなっちゃいますからね!」

 緩慢だった女達の動きが、一瞬でびしりとした、自衛隊とか軍隊のような勢いで蓋を開けて、中身を一気飲みする一同。

「はい、ご挨拶は?」

「ご馳走様でした!」

「はい、お粗末様でした」

 コール・アンド・レスポンスに、うんうんと頷くスズメ、何だろこのノリ。

「あの人をエッチな目で見るのは構いませんが、節度を持って、ケガしたさせた、体調を崩したみたいなことは無いように!」

「はーい」

 段々とお遊戯会とか、イベント会場のノリに成っている。

「触るのは良いんですか?」

「話しかけて許可をもらってください! 許可なしだと流石に有罪判定です!」

 ちょっとハードルが上がってしまい、聞いていた面々の顔が暗くなる。

「大体乗ってくれるはずです! あの人はどスケベですから!」

 フォローにしても、その解説は何なのさ。

「わー」

 場が沸く。

「何処までOKですか?」

「嫌がらなければ大丈夫です! 青天井です!」

「わー」

「何時頃解禁ですか?」

「諸々手続きやら何やら在りますので、一か月から二ヵ月見てください!」

「ネットに乗せて良いですか?」

「解禁前なので駄目です! 公式サイトの告知をお待ちください!」

「えー」

「何か言いたかったら! あれは良いぞ! だけでお願いします!」

「わー」

「結婚したいときはどうすればいいですか?」

 流石の質問に一瞬空気が凍った。

「直接口説いて下さい! 私達は妨害しません!」

「わー」

「おおおおおおお」

 最大級に盛り上がって居る。



「と言うか、良いの?」

 落ち着いた辺りで、スズメに思わず小声で確認する。

「良いの、ヤタおばあ様も多少焚きつけて良いって言ってたし、翡翠さんの自由意志だし、最終的に従業員増えるか、仕送り通い妻か、強火のファンクラブかヘビロテ常連に成るだけだから、大した影響無いって」

「そりゃそうか……」

 あっさりしたもんだ。

「多分、仕送り通い妻とファンクラブのコスト同じになるとか、公式ファンクラブにしちゃった方が良いってオチだと思うよ?」

「やる気満々すぎる………」

 思わず頭を抱えつつ、呻きながら、ため息をつく。

「そんな訳で、後先考えず、深く考えずに、あの二人ぶつけちゃって良いよ?」

 スズメが視界の隅にいる、きよらと琴理さんを言外に示す。

「ふはあ……」

 思わず気が抜けたため息をつく。

「なんつうか、悩んでた私が馬鹿みたいじゃないか………」

 思わずそのまま呟いた。

「色恋すると馬鹿に成るのだよね」

 にししと笑みを浮かべるスズメ、歳下なのに訳知り顔だ、コイツも処女のくせに、生意気。

「やかましい、スズメもとっとと抱かれて来い」

 思わずそんな事を言い返した、そのまま頭ぐちゃぐちゃに成るが良い。




 追伸

 田上スズメ(たうえすずめ)

 何時もにこにこ、腹黒、軍司、扇動屋。

 身長は155cm 体重50kg

 ミサゴとは一歳上。

 この中では小柄だけど、何故か、いつの間にか、群れの先頭に成ってる類。

 全体を俯瞰して指示を出せるタイプ、人を使うのに躊躇が無い。

 自分が動くより早いから、適材適所ってやつと。あっけらかんとしたもの。

 ノリは良い。むしろノリしかない。状況判断とノリで渡っていけるタイプ。

 えげつないLVの上位互換としてヤタちゃんが居るので、ヤタちゃんが居ると陰に隠れがち。

 あっちは年の功の人間観察から読心で動きを読んで仕込む方。尚且つ竿姉妹関係で人脈と資産がえげつない上、本体能力も化け物なので、実質無敵キャラ。

 こっちはその場の空気読んで、ある程度操ると言うか空気に乗せて自分もソレに乗る方、人脈LVは姉妹達身内とネットの方々のみ。

 と言う事で、役割違うのです。

 例によって近況ノートにスズメちゃんの画像置いておきます。


 ギフトありがとう御座います、お茶でも買わせていただきます。


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