第57話 お湯の中で

「ん?」

 お湯の中で、何かを掴んだヤタちゃんがソレが何か気が付いた様子でニヤリと笑みを浮かべた。

 思わず反応してびくりとした。

「未だ病み上がりと言うか、一眠りしただけなのに元気じゃのう?」

 関心半分、呆れ半分と言う感じにヤタちゃんがさわさわ、もにもにと動く。

「そんなに重くないですし、反応するのは通常ですし?」

 所謂使い物に成らないほどの体調不良と言う訳ではない、ちょっと横に成ったら意識が無なくなっただけで、今は怠さも特に無い、風邪としても軽い物だろう。

「と言うか、年増の儂らに抱き着かれて興奮する辺り、物好きじゃのう?」

 そんな事を言いながら楽しそうにモニモニしている。悪びれる様子も無い。

「自分達で抱き着きに来ておいて何言ってんですか………」

 誰のせいだ誰のと言う感じにツッコミを入れる。

「こやつに関しては抱き着きの甘やかし上戸じゃから、抱き着いて何する訳じゃないぞ?」

「妙に甘いと思ったら……」

 昼間会った時には結構厳しそうだったのだが、手のひらクルックルである。

「素面だとアタリがきついからのう? 飲ませると丁度に成る」

 妙に得意気だった。

 しつこいようだが、ヤタちゃんからは先程から本体棒をもにもにされている、搾り取る用の動きでは無いが、反応して段々と硬度が上がって来て居る。

 そっちがその気ならと、こちらからも触ってみる。

 控えめな膨らみと、その頭頂を。

「ん……」

 ヤタちゃんから変な声が出た。

「なんじゃ? 儂の平たい胸に用が有ると? お主も物好きじゃのう?」

 一拍おいて、ニヤニヤと笑みを浮かべられた。


「ん?」

 ヤタちゃんが触れた反応とは別の、疑問か何かの声を上げ、首を傾げる動きをする。

「ハチクマの奴に、こっちに来るのを伝えたか?」

「いいえ?」

 起きた時に誰とも会わなかったので、そのまま直行しただけだ。

「お主はもっと、あ奴と距離を詰めろ、用が無くても、寝てても話しかけろ、常に一緒に居るぐらいでちょうど良い、そうしないと」

 どたん!

 ばたん!

 がら!

 息を切らしたハチクマさんが着の身着のままと言うか。先ほどまで寝てましたと言う感じの、乱れた浴衣と寝癖気味の乱れた髪型で、勢い良く登場した。

 コチラの事を確認すると、安心した様子で大きくため息をついた、駆け回ったらしく肌は上気し、息が上がって居る。

「こうなるからな?」

 ヤタちゃんが少し困り気味に、登場したハチクマさんを目立たぬように指さしていた。

 確かに、無駄な心配をかけてしまったらしかった。


「まあ、そんな訳で、今日は奴に注いでやれ? 問題無く出せるじゃろう?」

 そんな事を言いながら、ヤタちゃんが少し身じろぎした後、するりと離れる。

「ほら、お主もこんな所で寝るな、部屋に帰るぞ?」

 先程からトキさんの動きが無いと思ったら、ぴとりと抱き着いたまま半分寝ている感じの寝息を立ててゆらゆら揺れていた。

 危なっかしい……

 ヤタちゃんの誘導で、トキさんが自分の足でゆらゆら揺れつつも、お湯から上がっていく。

 尻肉とかちゃんと上がってるし、腹肉とかも弛んだ様子はない、後ろ姿も年齢を感じさせない美人さんだった。


「お主はとっとと脱げ、風呂で服着てるのも無粋じゃろう?」

 そんな事を言いつつ、二人でハチクマさんの横を抜けていく。

 ハチクマさんは一瞬の硬直の後、踵を返し、大した待ち時間も無く、全裸でタオル片手に戻って来た。

 ………隠す様子は無かった。





 追申

 トキさんは旅館に居たり居なかったり、その時の気分と忙しさ次第です、病院側にライフライン全部有るので、泊まりっぱなしで問題無く、基本的に居ない時の事が多い。特に平日はまず病院側で、休日とかの時には旅館にそこそこ居る。

 ミサゴの一話時点でのAIイメージ画像と、前作、指切りの最終決戦仕様のメインヒロイン、狐耳ロリババアのカズラの画像を置いてみました。

 ミサゴ、この容姿で売れ残るんか? って感じの美人さんです、こんなのに誘われたら、そりゃあホイホイついていくと思います。


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