第44話 トラップの可能性(ハチクマ視点)
(え? 良いの?)
思わず近くにいたミサゴ達に目線で確認する。
(うん、大丈夫、行っちゃえ行っちゃえ)
ミサゴからそんな感じに無言で親指を立てて返事された。
ツグミさんも涼しい顔だし、少し離れた席のヤタ祖母ちゃんは、どうなるかなあと言う感じににっこにこである。
うん、大丈夫なんだろうなあと言う感じに考えている間に、琴理さんが先に抱き着いた。
ちなみに、琴理さんは胸が大きい、過度に女性らしいと男性から割と忌避されるので、あまりこういった機会は無いので、逃すまいと言ったところなのだろう。
男性からのこう言った誘いはミルクトラップとか、ハニートラップとかバートラップとか言われる、一発で私達女性の社会的地位を失う即死トラップだったりもするので、色々と怖いのだ。
更に言うと、その手のお店でも、お金を払っても、最終的に男性に選ぶ権利がと言われ払うだけ損で終わる事なんかもザラなので、そんな事する位だったらと、やはり欲求不満とストレス解消は食べること優先だったりした。
そんな事を考えつつ、流れを見守る。あ、いってるなアレ?
琴理さんの身体が小さく痙攣しているのが見える、抱きしめられただけでいくなんて、クソ雑魚チョロインだ。
余制に浸るように琴理さんはしばらく抱き着いていた、翡翠さんは先に手を緩めて居たので、最後のほうは離れたくないと言う琴理さんの意志であるのが分かる。
分かった所でどうも無いのだが。
たっぷり時間をかけて、油の切れたロボットのおもちゃみたいな動きで琴理さんと翡翠さんが離れた。
次は?
と言う感じに翡翠さんが又手を広げた。
きよらは小さい身体に合わせた臆病加減で一歩下がったので、イメージ的にチワワみたいな臆病な小型犬を連想させる。
じゃあ、お先にと、私も抱き着いた。
高さ的にそのままだとバランスが悪いので、膝を折って、膝立ちで、それでも私のほうが少し大きいので、圧迫感を与えないかとひやひやしつつ、腕に少しだけ力を込めて ギュっと抱きしめた。
服の上からでも、小さいけど、思ったよりも筋肉質なその身体付きが分かる、私達女ばかりの空間だと言うのに。怖がったり震えても居ない、そうか、この人、強いんだ………
そんな言葉が頭に浮かんだ、その小さい体格よりも、内面が強い、今まで出会ったどんな男性よりも、多分、もっと強くしても許してくれる?
壊さない様に注意しつつ、ぎゅっと力を込めて抱きしめる、対する翡翠さんは、特に嫌がるそぶりも無く、されるがままだ。 バクバク鳴る自分の心臓を落ち着かせようと、ゆっくり深呼吸する。
すう………はあ…………
良い匂い。
落ち着くし、ドキドキする、今まで嗅いだことがない匂い。 今スーツ着ていることが残念に思う、もっと薄着だったらもっと素敵な体験だったのにと思う。
と言うか、下着来てないんだ? 浴衣だけなんて、襲われちゃいますよ?
内心でそんな事を言う、私達みたいな自制心強い女ばっかりじゃないんですよ?
良いですよ?
そんな妄想に、怖がる様子も無く返答される事が予測された。
いやいやいや、流石にそれは無いだろう、危ない危ない。
同意はちゃんと取らなきゃ。
あれ? これ……?
私達、女とは違う部分の感触を感じた、もしかして、反応してくれている?
ああもう、本当に損した、上着だけでも脱いでおくべきだった。
キュンと、お腹が疼くのを感じる。
これ以上は不味いですよね?
そう考えて理性を総動員して離れる、内心で身体が固まっていて、離れたくないと悲鳴を上げるが、この程度で理性が崩壊するような鍛え方はしていない、甘く見ないでもらおうか?
………かなりぎこちなく関節をギシギシ言わしながら離れた、琴理さんを笑えない。
で、次はきよらの番だったのだが、更に逃げ回っていた、逃げ腰で両手を伸ばして、へっぴり腰で不格好な天地魔闘の構えみたいになっている。
コレは放っておくと長いなと思い、琴理さんと目くばせする、気持ちは同じだったのだろう、頷くだけで通じた。
良いから、抱き締められて来いっと。
二人がかりできよらの逃げ道を塞いで翡翠さんに押し付けた。
きよらは多少じたばたしたが、脱力してされるがままに成って居た。
んー?
あ、いってるなあれ?
意識もどっかに飛んでいる、大丈夫だろうか? 見た所翡翠さん優しそうに笑みまで浮かべてるから平気っぽいけど、意識が戻ってくるまで付き合ってくれるかな?
結構たっぷり抱き締めてくれていた、良いなあアレ、意識半分飛んでるっぽいからアレだけど。
ハグから解放されたきよらは、未だ夢を見ている様なふわふわとした足取りで琴理さんと帰路についた。
私はここで採用されるかどうか問題だ、改めて気を引き締めよう。
追申
何だかんだ、ハチクマさんは護衛適正在りなので色々冷静でした。
ミルクトラップ、白濁液が出るから。外野から出してもらったんだから良いだろうとか言われる。
ハニートラップ、甘い夢が見れたから。以下略。
バートラップ、棒が有るから。棒に触れたんだから以下略。
痴漢冤罪とか、二毛作とか、後だしセクハラ告発とか、やっぱり不同意性交とかで、かなり社会的地位が崩壊します、性別入れ替わってるだけで、現在の私達とあんまり変わりません。
でも、そこら辺加味した上で、死地と言うか、虎穴に入らずは虎児を得られないので、それぐらいの気概じゃないと男を手に入れられません。
良かったら感想とか応援とか評価の★3とかレビューとか、ご協力お願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます