第20話 夢オチなんて
「は?!」
思わずがばっと身を起こした、誰もいない、見覚えしかない自室の室内風景、寝る前に着た覚えの無いけど、着慣れた浴衣。
ついでに確認したけど、やっぱり膜も未だ有った、あの流れでやって無いなんて。
すっきりとした寝起き、やった後は何というか幸せな倦怠感がどうのとか聞いているので、やっぱりやって無い。
諸々を確認して、検討………
結論!
夢?!
ずーんと沈む、どっから夢だ?
そもそも親不知海岸の水没地帯で人なんか居る筈ないだる、いい加減にしろ。
やっぱり男の人なんてUMAか何かだ、シュレディンガーの猫みたいに観測してないんだから存在するかしないか半々で、観測したらやっぱり居なかったに収束するんだ。
最早何も言じられない、あの甘酸っぱい初恋みたいなアレコレも全部やっぱり無かった事で、翡翠さんみたいな優しくて女に都合の良い合法ショタ何て居る筈がない。
ぜーんぶ処女拗らせた妄想で、ぜーんぶ夢だ、どちくしょう……
最早半泣きで布団から起き上がれずにドタバタグネグネする。
コレが処女フラ、処女フラッシュバック、あの時ああしてれば上手くいったとか、そんな事の自己嫌悪とかの自己否定、適齢期に処女を卒業できなかった、自分自身を全肯定できない女の悲しい習性である。
学生時代が彼氏探しの最盛期で、卒業してしまうと既に売れ残り扱いである、私は既に年増扱いなのだ。
最終的に本当に恋も愛も何も知らずに人工授精で精子だけもらって子供を産んだりする事に成るのだ。
内心の遠くででちょっと面白い、美味しいぞ、親友と言うか姉妹達と話す肴には成るだろうと、変な芸人魂を発揮しつつドタバタジタバタしながら感情が落ち着くのを待つ。
どんどん、がちゃ
部屋の戸がノックされたと同時に開けられた。
「何時までやってんですか、とっとと決めてくれないと色々順番回ってこないんですよ?」
聞き覚えしかない声に手ぐすね引いて待ってるんだぞと言外に言われた。
「決める? 何を? 誰を? 何に?」
ポカンと布団の中から這い出て、呟く様に返事をする。
「翡翠さんロビーで待ってます、と言うか色々困ってます、お嬢が一番権持ってるんだから、先ずは先陣切ってくれないと話が進まな……」
その言葉が終わる前に布団から跳ね起きてスリッパも履かずに走り出した。
「青春ですねえ……」
そんな一言が聞こえた。
「って、もうちょい身なりには気を付けた方が?!」
そんな声も続いていた。
追伸
こんな感じにミサゴは拗らせてたんでやタちゃん居ないと話し進まなかったんです。
ちなみに、童貞フラッシュバックは元ネタ『ドスペラード』です、悲しいですね?
短かったのはごめんなさい、急いで次上げますので。
良かったら感想とか応援とか評価の★3とか、お願いします。
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