第19話 背中流します ミサゴ視点

 スズメの言及を何だかんだで退け、旅館の従業員、仲居さんたち、と言うか腹違いの姉妹達のあれこれをかわし。

 そのままお風呂に案内した、結構お互い冷えていたのだ、下心なんて……

「どうせだから一緒に入りませんか?」

「是非!」

 その提案には一も二もなく飛びついた、しつこいようだが、下心なんて……………

 ちょっぴり、いやかなりあったのだが……

 翡翠さんは元から浴衣みたいな服装だったので、脱ぐのも早かった。

「先に入ってますね〜」

 するっと一瞬で脱いで、あっという間に浴場入りしてしまった、内心でドキドキワクワクと横目で見ていたのだが。ぽかんと脱衣所に残される私である、逃げられた?

 いや、入ってるんだし、大丈夫?

 逃げ道も何も袋小路で出入口ここしか無いし、逃げ道プロックしてグへへって流れでも大丈夫?

 割と最低な下ネタを妄想しつ、気を取り直して、自分も脱ぐ、急いで追いかけたいので、気ばかり焦って色々連れた。

 浴場の洗い場に着翠さんがいた、行儀良く先に洗う派らしい、今は頭を洗っている、泡まみれの全身のラインが艶めかしい。 このまま一生眺めていたいところだけど、どうせならもっと近距離で、あわよくば触ってみたい。

「背中流しましょうか?」

 割と一か八かのギリギリラインが続いているが、どうせ行かないと先に進めないので、死ぬ方向で行って見よう。 と言うか、今までの一連の流れで拒否されていないのだから、コレは脈ありと見ていいのだよね?

「じゃあ、お願いします」

(よっしゃ!)

 内心で歓声を上げ、ガッツポーズを取った。

 はやる心を抑え、手近な所から無造作に椅子を取り、一緒にボディーソープを手に出す...

 ふと気づく、洗い布がない、タオルは入り口にかけてあるので、これはしょうがない。

 しょうがないよね?

 そんな思考を経て、そのまま手でわしゃわしゃと泡立てて、その背中に手を触れた。

 触れた瞬間びくんと動いた。

(わわわわ)

 改めての生っぽい反応に内心でパニックになる、思ったより暖かくて、思ったよりごつごつとしていて筋肉質でちょっぴり硬くて、やっぱり自分達女とは結構違うものなのだと分かって。

 日焼けはしていない白い部分、コレは常に服の下の部分、実質プライベートゾーンと言う奴で……


「痒い所無いですか?」

 照れ隠しにそんな事を聞いた。

「今髭剃ってるので、危ないので……」

 激しく動くのは禁止と、それは了解。

(つまり実質せっく……)

 思考の続きからそんな結論に至って内心でパニくる、既に背中は洗い終わっている気がするが、思わず荒い息を立てて、興奮しすぎて自己主張するそれの先端をくっつけた。

(大丈夫?大丈夫……)

 拒絶されないのを良い事に、もっとアレな所もと、じわじわ手を伸ばそうと....

「こっち終わりましたので、洗いましょうか?」

 死刑告かと思ったら、攻守交替の合図だった。

「ひゃい!」

 思わず声が裏返った。

「じゃあこっちどうぞ」

 その声と共に、横の椅子をジャーっとシャワーで温めてくれた、コレが年上力?

 と言うか、その位置取りだったらアレも見えるよね?

 内心でワクワクしつつ横目でチラチラ見ながら椅子に座る。

 意外と隠れて見えなかった、もしかして脈無しなのかもしれない。

「じゃあ背中から……」

「はい!」

 反射的に返事して、声に合わせてぐるっと回る。

 その拍子に目が合った...

 うちの旅館の妖怪枠な元締めのロリババア、ヤタおばあちゃんだった、普通に見られていた、目が合うとニヤッと笑い、悪びれた様子も無く、とても良い笑顔で親指を立てた。

 思わず吹き出しそうになったところで、それには気が付いていない様子の翡翠さんの手が触れた。

 もう何と言うか、電気が走った。

 見られているのも、もうどうでもよくなるぐらいに気持ちよくて、嬉しくて、内心の理性がぐすぐずに崩れていくのを感じた。

 思ったより真面目に洗ってくれると言うか、きわきわで、もう少しでソレに触れると言う辺りに手が上がってきては引き返す、

 脇腹から腋の下の辺りまで、もう触れられるだけで幸せで。

 手と手、指と指が絡む、それだけでもう……

 これで終わりと言われたのが悲しくて、咄嗟に続きをねだった。

 後ろから抱きしめてくれた、手や足以外のどこかも当たっていたけど、もしかしてアレなのだろうか。

 私と同じように?

 翡翠さんが前に回って来た、大きくなったソレが見えた、臨戦態勢だった、思ったより大きい。

 と言うか、楽しそうに私の身体を洗ってくれているその顔が優し気で、その顔に見とれていたら、目が合った。

(キスとかしたいなあ……)

 そんな言葉が浮かんだ。

 心が通じたのか、にっこり笑われ、顔が近づいてきた。

 え?

 え?

 ちゅっ

 唇が重なった、もっとすごい事を考えていたくせに、その一撃はこれ以上ないほど重かった。

 

 そこから先はもう真っ白で覚えていない。


 追伸

 思ったよりミサゴが下半身で考えてました、まあお年頃だししょうがないということで、生暖かく笑って許していただけると幸いです。

 男女入れ替えると、童貞のあれだと見てもまあアウト臭いですね?

 普通に警察呼ばれそうな案件です、ミサゴの見た目が可愛い女の子であるのでギリセーフなだけでした。

 更にコレ上手く行ってたら良いタイミングでしれっと例のホールが届けられたと考えると、かなりシュールです。怖い怖い。

 良かったら感想とか応援とか評価の★3とか、レビューとか、お願いします。

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