第四章 血に宿る力
第23話 キャラクター紹介、用語解説
【用語】
・エインヘリヤル
主神オーディンの勅命で編成された、神の戦士。能力者で構成された異能戦士団。
主な任務は白獣狩りとバナジスライトの回収。民草の安全を守るとの名目の下で行われている。
三人~五人程度の小隊で編成され、現在は第十三小隊まで存在する。
新しく能力に目覚めた者が発見されると、ミッドガルドにある本部に氏名と能力を登録した上で活動を始める。
エインヘリヤルは能力が熟練の域に達すると(具体的には能力に目覚めてから五~十年程度で)、ヴァルキリーが迎えに来てアースガルドに召し抱えられる。
彼らはアースガルドで神々の末席として研鑽を続ける栄誉に浴すると言われているが、その後の音信は不通になるため真偽の程は不明。
・ミッドガルド
大陸の中央にある大都市。街の中心には巨大塔「ユグドラシル」がそびえ立っている。
エインヘリヤルの本部やその他の機能を取り揃える、まさに世界の中心。
・アースガルド
ユグドラシルの高層にある、神々が住まうとされている場所。
神々は基本的に人間の前に姿を表さない。神と人とをつなぐのは、ヴァルキリーと呼ばれる半神の有翼女性である。
・オーディン
主神と呼ばれる神々の王。遥か古代に地上に降り立ち、ミッドガルドにユグドラシルを作ったとされている。
・ヴァルキリー
半神有翼の戦乙女。神々と人間の間を行き来してメッセンジャーとしての役割を果たしている。
全員が美しい金髪に、目元を覆う仮面をしている。
・白獣
野生の獣が能力を得て凶暴化したもの。本来は肉食ではない種類の動物でも、白獣化すると見境なく人間を襲う。
白獣化すると文字通り毛皮が白くなり、同時に瞳が赤くなる。
彼らの脳にはバナジスライトという結晶体が含まれている。
まぶしさと苦しさを訴えているが、エリン以外でその声を聞くものはいなかった。
・バナジスライト
白獣の脳に入っている赤い宝石。方形の結晶体で、常に変化する複雑な屈折率を持ち、光を閉じ込める。
よく育った白獣のものでもごく小さく、一平方センチを超えるケースはない。
オーディンはこれを積極的に集めているが、目的は不明。
【キャラクター紹介】
・エリン
本作の主人公。十三歳、女性。小柄で細身。茶色の髪に青い目。
五歳頃に最北の辺境村に預けられ(?)孤児として育ってきた。それ以前の記憶が全く無く、親や出身地を誰も知らない。
超能力のような力があったせいで、村人から距離を置かれていた。
白獣討伐にやってきたエインヘリヤルのメンバーと出会い、やっと仲間を見つけられたと感じたが、エリンは彼らともまた違うようで……?
孤児として自分を殺して生きてきたため、大人しい性格。ただしけっこう頑固で、言い出したら聞かない面もある。
・シグルド
エインヘリヤル第九小隊隊長。二十二歳、男性。灰色の髪に灰色の目。
能力は
隊長としてまとめ役をこなす、リーダシップのある人。朗らかな性格で多くの人から慕われている。
自身の能力が剣に近いものであると、薄々気づいていた。
・ベルタ
二十一歳、女性。金の髪に緑の目。
能力は
優しそうな見た目に反してちょっと意地悪。父親と上手く行っておらず、関係を修復する気もない。
エリンの事を気にかけているが、強すぎる能力を目の当たりにしてどう扱っていいか悩み中。
・ラーシュ
二十四歳、男性。薄茶の髪に茶色の目。
能力は
敬語で喋る穏やかな雰囲気の人。第九小隊のサポート役として立ち回っている。
エリンの心に能力で触れるも、あまりの異質さに当初から疑問を持っていた。
・セティ
十三歳、男性。銀の髪に青い目。
能力は
ちょっと空気が読めない、マイペースで元気な少年。人の心よりも物質や機械の構造に興味がある。
異例の年若さで能力に目覚めたせいで周囲は年上しかおらず、エリンが初の同年代の仲間。そのため友だちになりたいと思っている。
エリンの手助けでシグルドに魔剣グラムが発動した際、そのあまりに美しい結晶構造に魅了された。ああいうのが自分の能力から出てこないかと、こっそり練習中。いわゆる中二病。
・リスの仮面の人物
年齢不詳。恐らく男性。
エリンを辺境の村に置いたと思われる人物。彼女にペンダントのごく基本的な使い方を教えていた。
・オーディン
主神と呼ばれるアースガルドの主。年齢、性別不詳。
魔剣グラムの発現を感じ取り、その使い手を「第三世代適性者」と呼ぶ。
・シリューダ
ヴァルキリーの一人。ヴァルキリーは数多く存在し、彼女が特別ということはない。
揃いの仮面を身に着けて、同じ色の金の髪をしている戦乙女たちは、地上の人間に畏怖と敬愛を持って崇められている。
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