第2話

この世界の歴史は全部で三つの層があります:一つの層はあなたや私のような凡人が見ることができる歴史で、一つは歴史の背後の真相で、最後の層は真相の背後のあれらの暗黒の中に隠れていて、凡人が見ることも聞くこともできなくて更に言及することもできない歴史です。一般的にこの部分は「暗黒の歴史」と呼ばれ、世界の本当の姿とされています。時に「陰謀」と呼ばれることがあります正しいことを言っているのですが正解は半分です彼らは「陰謀」の背後に何があるのか考えたことがあるでしょうか?

ロレンスという男が列車に乗っていて街を出ようとしていますローレンスはソローの本を愛読していましたが、特に『ウォールデン』を愛読していました。どんなことが書いてあるんですか?ちょっと見てみます。ああ、哲学者としてこの世界について考えているのですね。ロレンスのような人がなぜ哲学に興味を持ったのか想像するのは難しいでしょうでもそれが何ですか?誰にも「不服従の義務」があり、好きな人生を選ぶ権利があります。誰も主流社会に完全に迎合する必要はありません。すべての市民には社会奉仕の義務がありますが。だから、ロレンスのような人が『ウォールデン』に向いているかどうかを議論するとき、私は「まずは自分の目の中の木を抜いたらどうですか?」

線路には絶えず車輪がぶつかり、行き交う人々は談笑していました。上流階級の人はみんなそうで、わいわいとにぎやかです。意味のある言葉は一言もなくても、その場で食べたり飲んだりしながら、一日中しゃべり続けることができるのです。

車両の中から一人の販売員がやってきました。ローレンスは本を置いて、店員のショルダーバッグの中に今日の新聞が入っているのを見ました。彼は店員を呼び止めて、わずかなお金で1つを買いました。新聞の見出しを開くと次のような記事がローレンスの目に留まりました「戦争は終わり、グレメは降伏協定に署名した」

ええ、戦争が終わったんですから、そうなるはずです。

ロレンスは新聞を置いて目を閉じ、少し休もうとしました。

戦争は終わりましたが、この世界は穏やかではありません……安穏としたことは一度もありません。列車が止まり、ロレンスが目的地に到着しました。彼は自分のスーツケースを手に取りました。中には簡単な荷物と彼が届けなければならないものが入っていました。電車を降りると、そこは見慣れたホームでしたが、いつものように、今度も誰も待っていませんでした。

ロレンスは時計を出して見て、時間がまちがっていないことを確かめました。それから彼は自分の荷物を持ってホームの外に出て行きました。彼はこの近くの小さな町に行くんです。知り合いに会いに行くんです。今までと同じように、彼は自分がどこに行けばいいのか、この町でどんな人と話していいのか、どんな人と話してはいけないのかを知っていました。空の雪は平等にすべての人の上で覆って、同様に、それらも平等にすべての都市の上で覆っています。あなたは貧しい人なのか富貴な人なのか、若者なのか老人なのか、あるいは死んだのか生きているのかです。雪はみんな同じです。

ロレンスは、雪は神から与えられたものであり、ある意味では神の意志であるのかもしれないと考えました。神は慈愛に満ちていると思う人がいますが、ロレンスにとっては、神は平等であると言いたかったのです。彼はあなたが富貴な人だから多くあなたを見ることはでき(ありえ)なくて、あなたが貧しいから多くあなたを愛することもでき(ありえ)ません。神の目には、どの創造物も同じです。まるで雪のようです。

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