第3話

 なんかウザい奴に絡まれたけど、会うのは週に多くて二回だしな、うん。来週まで彼奴に会うことないんだし、あんまり考えないようにしよう。

 洗濯物を畳んで干して、風呂を洗って掃除機かけて。不登校の頃からやってる家事を片付け、布団に潜る。来週から氷点下らしいけど、今朝も充分寒かった。タイマーをセットして暖房つけてるって言ってたけど、布団から出るのに苦労したぞ。布団の中でさえも寒かったが。

 登校しない日はこうやって家事をやってのんびり過ごす。ゲームやったり、CD流したり歌ったり。一時間くらい勉強したり。何か音が鳴っていないと時間の流れを感じづらいから気づいたら夕方になってる。独りでいるのは楽だよ。



 誰が僕の理解者になり得る?何を言ってるかわからないと、考え方がわからないと、実の親にすら言われ、呆れられた僕のことなんか誰がわかる?友となり得る?だから僕は独りを選んだ。人とは必要最低限関わっていればいい。情緒の交流なんていらない。理解されたい、なんて何もかも今更だ。理解しなくていいからせめて、そうなんだと受け流すとかにして。そんなわけないだろうとか、意味わかんないって頭ごなしに否定するのだけはやめてくれ。まぁ、慣れてしまったけれど。

 人は知らないものを受け入れ難いし、ときには恐怖すら感じる。知らない言語、見た目ゆえに外国人を怖がるのもその類だろう。変わった思考回路も同じようなものだろうな。僕は僕なりの〈普通〉の思考で考えているが、どうも奇異な視線を受ける。僕からすれば何をどうしたらって疑問の山だ。人との交流は難しいね。

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