あぁーっとなんという事だ!正に\ (・ω・\)SAN値! (/・ω・)/ピンチ!といった状況だー!

今までのあらすじ

学校に行こうとしたら何かのはずみで異世界に来てしまい、気付いたら崖の下に真っ逆さま。幸い生きており、乗っていた自転車も女神様が手入れをしてくれていた。

とまぁ、驚く暇もない異世界生活を余儀なくされるのでした…。


ここからはまだ、誰にも話していないこと。

慌てふためきにふためいた女神様はきゅーっぅという情けないような、何とも可愛らしい声を上げ、如何にもバタンキューという単語がマッチしそうな、これまたアグレッシブな態勢で後ろに倒れてしまった。

それはもう大きな轟音が響き渡った。

この事態に俺はもちろん驚愕の二文字しか頭に浮かばず、大丈夫ですか、と何度も遠くから叫び続けた。と平行して、周りにも助け船を出すべくして声を上げた。


幾度となく叫び続けたからか、思いが届いたのだろうか。

天界的な扉とも言い難い、何と表せばいいのか分からない程の神秘的な大門がいくつも開かれた。

そこからはまるで天使(一応言っておくがここは天界と同じようなものらしいので、天使という言葉は合っている)が羽をばさぁっとひろげ、虹色の光を放ちながら地に舞い降りた。


ゲーミングキーボードみたい、というと失礼に当たるが…。

うん、正直に言おう。かなり思った。天使さん、申し訳ない。

天使さん達(?)は女神様の足元に集まり、こちらをギロッという擬音が、これでもかって位一致した、鋭い視線を向けられた。

ドMの人とか、そういうのが好きな特殊性癖の方々にはご褒美なのかもしれない。

だが、俺は至って普通だ。I'm not abnormal human.

ただひたすらに、純粋に、怖い。

なんと言えばいいのか…こう、なんだ。

ナイフを突き付けられた状態…的な感じだ。


何言ってんだ。


沈黙の15秒間。

そこにあるのは無音と、氷のように冷たいような視線のみがあった。

辺りを見回す限り、現れた天使は計9人。中にはボスというか、リーダー格的雰囲気を醸し出している者もいた。

あまりの恐怖に足が竦んでしまい、動こうにも動けない。それどころか、視線を逸らすことさえ出来ないような感覚に陥っていた。

後頭部からつーっぅ、と汗が流れる。静かすぎて音が聞こえる程に。


背中が冷たい気がする。足が冷え込んでいる気がする。血液が怯えて体内に血が巡っていない


              ___気がしてしまう



所詮、自分は天使や女神に比べてそうだ。煩悩が多い人生を送ってきた。運動だって、勉強だって、知識量だって。出来ない、不甲斐ない、足りない、弱い、頼りない。

そういう面でも、負けていると思ってしまう訳で___。

戦う前から白旗振って敗北宣言している訳で___。



                  でもよ



動け、俺。

血を奮い立たせろ、俺。

気がするなんて思うな、俺。

戦え、戦え、戦え、俺。

まだ負けてなんか___


                ないだろ、俺。



視線を逸らしそうになった。けれど、視線を上げることにした。

今の現状を受け入れて、とにかく戦う。

そんな簡単には変われないけど、踏み出さなきゃいけない。

これからも、きっと。


目線を天使たちに合わせ、口を中くらいまで開ける。

吸える限りの息をありったけ吸い込んで。

そうだ、肺を動かせ。肺を奮い立たせろ。血を巡らせろ。自らを、


______________________________奮い立たせろ。



足に残っている力の半分を使い、立ち上がった。

その勢いを利用して、前に、前に。

今にも倒れそうだ。でも、今は我慢。

この人生、どうせなら歯向かってやろうぜ。

突撃だ___。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る