第13章 絆

町は活気に輝き、笑い声がお城に甦った。

人々は、この平和を、この幸福を、胸いっぱい深呼吸した。


「これはやっぱりお妃様しか」

「いやよ、私には無理です。」

部屋の中は暖炉の火がとろとろと燃え、イザベラは侍女たちとはしゃいでいた。

フランチェスコは椅子に座り、エレオノーラを膝に乗せて微笑みながら事の成り行きを見ていた。

先程から絵のモデルのことでもめているのだ。

フォルノヴォの戦いに出陣する朝、フランチェスコは聖母マリアに祈りを捧げた。 そして、その日の戦でまさに九死に一生を得たのであった。フランチェスコは独り涙を流し、生きて国へ帰ることが出来た暁には必ず立派な聖母画を創り今日の奇跡を後世に伝えます、と誓いを立てた。

奇跡は続いた。タロの戦い、ノヴァーラの戦いと、フランチェスコは何度も死に直面しながら、その度に間一髪救済され続けたのであった。

凱旋すると、フランチェスコは真っ先にこの話をした。マントヴァ中が感動し、熱狂した。そして、その聖母画こそこの国の金字塔にしようという声が高まった。人々はお城に押し寄せ、その絵の中に甲冑をつけたフランチェスコの姿を描き入れて欲しいと請願した。そして、聖母はイザベラをモデルに描いて欲しいと言うのであった。


「私には無理です。 絶対に無理です。」

イザベラは逃げ回った。しかし、侍女たちは許してくれなかった。

おまけに、あの気難しいマンテーニャまでが、どこか乗り気な表情を見せているのだ。この度の聖母画で白羽の矢が立ったマンテーニャは、口では何も言わないが、いつになく楽しげだった。そして、イザベラの顔を見ると、面白そうに笑みを浮かべるのであった。

それでもイザベラは強硬に辞退した。 そして、遂にマンテーニャが、モデル無しで想像によって聖母を描く、と言ってくれた御蔭で一件落着した。

「それなら、殿様と並んでお妃様の御姿を描き入れていただきましょう。

我らがマントヴァ侯妃として。」

我慢のできない侍女たちは、新しい提案を出してきた。

「いいことがあるわ。せっかくそうおっしゃって下さって嬉しいんですけれど、私より、この度の戦では日夜祈祷を捧げて下さったオサンナ修道女様の絵を描き入れていただきましょう。」

ドミニコ会の修道女ベアタ・オサンナはゴンザーガ家の親族の女性で、侯爵家の人々からはマントヴァの守護聖女としてあがめられ、戦や疫病のたびに祈祷を頼まれるのであった。聡明で上品なオサンナ修道女は、不思議な予知能力を持っていると信じられ、各国の王侯からもしばしば請われて御神託を授けていた。 イザベラは、何か困ったことがあればすぐ彼女に相談するのであった。

イザベラは、肩が凝って頭痛がひどい時はオサンナ修道女に祈祷をお願いしていた。

控えめなオサンナ修道女は、イザベラが聖母画の件を話すと目を丸くして驚き

「とんでもございません。  滅相もございません。」

と固辞したが、イザベラは無理矢理頼み込んで話をつけてきた。

フランチェスコの弟たち、ジギスムントとジョヴァンニも絵の中に描き入れられることになっていたが、イザベラの話を聞いて、照れ屋の彼らはマンテーニャに頼み込み、自分たちの代わりにマントヴァの守護聖者たちの姿を描いてもらうことにした。


いよいよマンテーニャは仕事に取り掛かった。 フランチェスコは、早く解放して欲しいから、と言って、真っ先に自分の姿を描いてもらった。

ところが、それが終わってからもフランチェスコは何時になくそわそわと毎日マンテーニャの仕事場へ足を運んだ。イザベラもそれについて行った。

「あっ」

イザベラは、思わず小さく叫んだ。 昨日からたった一日で聖母の姿は見違えるほど出来上がっていた。

聖母の顔を見て、フランチェスコは口を押えて笑った。

「殿! いやです。」

イザベラは、ふくれて見せた。

「ほらほら、そうするとますますそっくりだよ。」

「殿! 怒ります。」

イザベラは、顔を押さえて駈け出して行った。

マンテーニャは絵筆を止め、振り返って笑った。


その日の午後、イザベラはフランチェスコに呼ばれた。

扉を開けると、フランチェスコは独り机の前に坐っていた。

フランチェスコは静かに顔を挙げ、イザベラの目を見た。

「また、戦だ。」

イザベラは全身の力が抜けていくのを感じた。

窓の外には雪が降りしきっていた。

「ナポリへ出兵だ。 ヴェネツィアがフェランテ殿を支援することになった。」

ナポリ国王フェランテ二世は、シャルル八世が退却を始めるや、亡命先のシチリアから捲土重来し、フォルノヴォの戦いの翌日ナポリへなだれ込んだのであった。 フランス軍の略奪に苦しんでいたナポリの人々は熱狂的にフェランテ二世を歓迎し、ナポリの貴族は皆、フェランテ二世の旗の下に結集した。

ナポリ駐屯フランス軍の総司令官モンパンシエ公爵は退却を余儀なくされ、カラブリアの山中に立て籠もった。モンパンシエは、フランチェスコの姉キアーラ・ゴンザーガの夫で、折しもキアーラはマントヴァに来ていた。

「モンパンシエの兄上とは敵味方になってしまった。これも長老のお考えだから、どうすることも出来ない。」

フランチェスコはため息をついた。

強国ヴェネツィアとの関係は、イザベラには分かり過ぎるほど分かっていた。そればかりでなく、イザベラはヴェネツィアの国内にフランチェスコを妬み、失脚を狙う者が沢山いることも知っていた。 イザベラは最近、フランス軍と平和条約を締結したロドヴィコに対する批判がヴェネツィアの国内で高まっていることを聞き、フランチェスコとシャルル八世のヴェルチェッリでのあの会見について彼らが長老に何と讒言するか、不安を禁じ得なくなっていた。

イザベラは、しおれて立っていた。

「年が明ければ、すぐ出発だ。」

フランチェスコはそう言ったきり、沈黙した。


1496年が明けた。

この度はヴェネツィアだけが出兵するので、フランチェスコは先ずヴェネツィアへ赴き、そこからナポリへ旅立つことになった。

いよいよフランチェスコがヴェネツィアへ発つ日、もうすっかり用意は出来て、皆は見送りのためお城の前に並んでいた。

イザベラは、独り急いでエレオノーラを連れに行った。

お城の一番奥にあるエレオノーラの部屋の前まで来た時、不意に階段の陰からフランチェスコが現れた。

「殿・・・」

イザベラは、それっきり何も言えなかった。

「泣いてもいいよ。」

イザベラは、目をうるませながら、ただ首を振った。

フランチェスコは襟元からあの小さな金の十字架を持ち上げ、小さく揺らして見せた。

そして、きびすを返すとそのまま走り去った。 イザベラは、声を立てずに泣き崩れた。


フランチェスコがいなくなったマントヴァで、イザベラは毎日エレオノーラを抱いて、マンテーニャの絵の中のフランチェスコに会いに行った。マンテーニャは以前にもまして無口になり、黙々と絵筆を動かしていた。


イザベラは、嘆き悲しむキアーラを慰め励まし続けた。政務室から何度も呼ばれながら、キアーラの話し相手をやめられず、顧問官たちに待ってもらうこともしばしばだった。キアーラは、イザベラが政務室から帰って来るのを待ち焦がれていた。イザベラは毎日時間を見つけてはキアーラの部屋へ行き、心の底から話し相手になった。


5月下旬、マンテーニャの「勝利の聖母」は完成した。

イザベラとジギスムントは、盛大な式典を挙行して祝った。

6月10日イザベラは陣営のフランチェスコに手紙を書いた。

「マンテーニャ先生がお描きになりました聖母画『勝利の聖母』は、先週水曜日6月6日先生の御宅から、この度新たに建立されましたサンタ・マリア・デラ・ヴィットリア(勝利の聖母)礼拝堂まで運ばれました。

この絵は末永く、去年の戦と殿の武勇を後世に伝えることでございましょう。

行列には、今まで私がこの国に参りましてから見たこともございません様な多くの人々が集まって下さいました。私の聴罪師のフラ・ピエトロ様が荘厳ミサで素晴しい演説をなさいました。そして、心にしみわたる様な御言葉で、殿が御無事に、勝利をお収めになってお帰りになります様、聖母マリア様にお祈り下さいました。

身重の私には、とても行列に加わって歩くことは無理でございましたので、ジョヴァンニ様のボルゴのお屋敷で、行列が行き過ぎます様を拝見させていただき、すぐお城に帰りました。

お城のそばには新しい礼拝堂がございます。 礼拝堂は美しく飾られ、道には人が溢れていました。」

式典に参列したジギスムントは、その有様を詳しく兄フランチェスコへの手紙に書いた。天使や十二使徒に扮した若者がマンテーニャの家の前で賛美歌を合唱し、新しい礼拝堂には沢山の蝋燭や松明が灯されて捧げものが山と積まれ、そしてピエトロ修道士がフランチェスコに言及した途端、人々は熱狂的な歓声を挙げて感涙にむせんだ、と。

大臣のアンティマコは手紙の中で、聖母画は非の打ちどころのない傑作であると絶賛し、人々は恐ろしくなる様な勢いで絵の周りに駈け集まり聖母と侯爵の絵姿に我を忘れて見入った、と書き送った。


1496年6月13日、イザベラに女の子が誕生した。その子は、フランチェスコの亡き母の名をもらってマルゲリータと命名された。

イザベラは、喜びの中にも失意を隠すことが出来なかった。いけないと思いながらも、この子が男の子だったら・・・という思いが頭をもたげるのを抑えることが出来なかった。 この国に来て6年になるのに、まだ世継ぎが授からないということは国の存亡に関わる重大事であった。ミラノの公子たちのことを思うと、イザベラの心は千々に乱れた。イザベラは、すやすやと寝息を立てているマルゲリータの顔を見て涙することがあった。


意外にも、フランチェスコは手放しに喜んだ。この様な人物は、この15世紀のヨーロッパを隅々まで探しても珍しかった。フランチェスコは、イザベラ生き写しのエレオノーラを盲愛していた。そして、マルゲリータが父親似で、しかもエレオノーラに負けないくらい可愛いと聞かされ狂喜した。

フランチェスコは、イザベラの嘆きを知って即座に手紙を書いた。

今に必ず神様が男の子を授けて下さる、と。

マルゲリータは、透き通る様な肌をしていつもすやすやと眠り続けた。


カラブリアの戦いは、イザベラが危惧した通り、長引き、泥沼に陥っていった。両陣営双方が深く傷つき、消耗し尽くした。

7月29日、遂にモンパンシエは主要都市アテッラを明け渡した。

そして、その直後、モンパンシエは重病に陥ったのである。敵に対して常に礼を払うことを信条としていたフランチェスコは、丁重にフランスの陣営に医師とお見舞いの品を送った。この行いに両陣営は強く心を打たれ、モンパンシエは涙を流して感じ入った。

しかし、ヴェネツィアの国内では、フランチェスコを妬む者がこぞって、これこそフランチェスコ・ゴンザーガの裏切り行為、と長老に讒言したのである。


フランチェスコはナポリへ戻る道、ローマへ立ち寄り法皇アレッサンドロ六世と会見した。法皇は非常に好意的にフランチェスコを出迎え、黄金の薔薇を贈った。


酷暑を迎えマントヴァでは、マルゲリータの体力が衰えを見せ始めた。イザベラは胸も潰れる思いで、つきっきりで看病した。

「私があの様なことを考えたばかりに・・・神様、これは私へのお裁きでございますか?」

イザベラは涙に暮れて、必死で祈った。

「神様、どうか私の命をお取り下さい。この子は何の罪も無いのです。

私の命と引き換えに、マルゲリータをお助け下さい。」

イザベラは、一心不乱に祈り続けた。

マルゲリータは寛解と悪化を繰り返し、一進一退の日々であった。イザベラはそのたびに、嬉し涙を流し、絶望の淵に突き落とされた。イザベラは、マルゲリータのゆりかごから一時も離れず、ほとんど眠らず、食事も喉を通らなかった。イザベラの顔は痩せ、修道女の様に青白かった。


「お妃様、ナポリから早馬でございます。」

慌ただしく侍女が駈け込んで来た。イザベラは驚いて立ち上がった拍子に目の前が暗くなり、倒れそうになった。イザベラは、危うく侍女に支えられた。

「お妃様・・・」

「有難う。 本当にもう大丈夫です。」

イザベラは蒼ざめた顔で、しかし落ち着いた足取りで、きぬずれの音をさせながら夏の居間に向かった。

使者は、汗でしとどであった。

「大変お待たせいたしました。」

イザベラは静かに席に就いた。

「お妃様、殿様が瀕死の御病気でございます。」

その瞬間、すっと気が遠くなった。それでも必死でもちこたえ、イザベラは意識を失わなかった。イザベラの顔は、さらに蒼白になった。

「お妃様、何卒一刻も早くお越しを。」

使者はたたみかけた。イザベラは窓の外に目をやった。

部屋の中は沈黙が流れ、蝉しぐれだけが聞こえた。

イザベラは、涙をためて使者に向きなおると言った。

「私は参ることが出来ません。 鬼と思って下さい。

私は参ることが出来ません。

マルゲリータが死にそうなのです。」

イザベラは、そのままはらはらと涙を流した。使者も侍女もうつむいて泣き出した。

日は西に傾きかけていた。

「わかりました。私はナポリへ戻ります。

殿様は、明日にもフォンティに移られます。」

「フォンティに?」

「はい。 殿様は昔、占いで『ナポリで死ぬ』と言われましたそうで、明日にも担架でフォンティに。」

イザベラは、目を閉じた。

使者は少し休むと、馬を替えて帰って行った。


その夜、イザベラはマルゲリータの枕元で独り静かに祈りを捧げた。もう、この身は、地上に生きながら我が身ではない様に感じられた。


数日後もたらされた報せは、さらに悲痛なものであった。フランチェスコの病状は悪化の一途を辿り、遂に彼はヴェネツィアの貴族パオロ・カペッロをフォンティに呼んで、自分の亡き後は妻子を頼むと長老に伝えて欲しい、と告げたのであった。


イザベラは、ただもう祈り続けた。もはや祈りの言葉は定かではなく、涙に暮れながらただ手を合わせ続けた。それでも、言葉は失っても、その心は祈りそのものだった。


暫く報せが途絶えていたが、9月中旬になってやっと早馬が来た。それによると、フランチェスコは僅かに持ち直し、マントヴァに向けての旅路に就いたとのことであった。しかし、まだ予断を許さぬ病状で、旅は中断の連続であり、今、南イタリアのどのあたりにいるのかも定かではなかった。


マルゲリータの命は、日に日に消え入る様に衰えていくのが感じられた。

明け方の光の中で、マルゲリータの顔は透き通る様に青白く、安らかだった。

「ああ、天使の様だわ。」

イザベラは、とめどなく涙を流した。

9月23日マルゲリータ死去。 

僅か百日の命であった。


数日後、イザベラはジギスムントに付き添われ旅に出た。南イタリアを目ざして、イザベラは手紙を手がかりにフランチェスコをたずねあるいた。

先ず、ラヴェンナの町を探したが、何処にもそれらしい人物を見たという人はいなかった。

フランチェスコはまだ、ここまで到っていないのであろう。

イザベラとジギスムントはさらに南を探すため、アドリア海沿岸の街道を南下した。

次に訪れたのはリミニの町であった。しかし、ここにもフランチェスコを見たという人は無かった。

その夜、イザベラは熱を出した。

「姉上は、この町で御養生下さい。私たちが兄上を探しに参ります。」

ジギスムントの声には真心がこもっていた。

「この先は、今までにも増して苦しい旅路と聞いて居ります。

今の姉上のお体には無理です。」

「そうです、お妃様。どうか私たちにお任せ下さい。」

従者も口々にそう言った。

イザベラは、袖で顔を覆って泣いた。

「今の私には、もはや、いとうべき我が身はございません。」


夜が明けると、イザベラはまた馬車に揺られて旅を続けた。

一行は南下を続け、ペーザロに到った。

イザベラは数年前エレオノーラの誕生を祝ってロレトへ巡礼した折り、この地に立ち寄った時のことがまざまざと甦り、悲嘆に胸が引き裂かれた。イザベラは、この町にフランチェスコがいるのではないかと思った。

「姉上は馬車でお待ち下さい。」

「お妃様は、御病気ではございませんか。」

皆は必死で止めにかかったが、イザベラは振り切って馬車から降り、町の中へあくがれ出でた。

フランチェスコは、きっと街道沿いに天幕を張って宿泊しているに違いない。イザベラは道のそばの広場という広場を探し歩いた。しかし、何処にもフランチェスコの姿は無かった。イザベラは、大人や子供や沢山の人々に尋ね歩いたが、誰も知らなかった。

フランチェスコは、この町にも来ていなかった。

「南から来た巡礼なら知っているかもしれない。」

イザベラは、道を行く巡礼をつかまえては、フランチェスコを知らないか、尋ねた。イザベラは町中を歩いて、一人一人の巡礼者に聞き歩いた。しかし、誰一人フランチェスコを見たという人は無かった。


一行は、さらにセニガリアを訪ねた。しかし、何の手がかりも掴めなかった。

イザベラは、不安がこみ上げてきた。

フランチェスコは本当にこの道を北上しているのであろうか。それとも何処かで容体が悪化し足踏みしているのか・・・次々に恐ろしい光景が心に浮かび、イザベラは胸が張り裂けそうになった。

イザベラは、たまらなくなってエリザベッタに手紙を書いた。

夜が明けると、一行はセニガリアを発った。

イザベラは、道々行き違いにならない様、馬車の窓から見つめ続けた。

いつしか10月になっていた。


やがてイザベラとジギスムントはファーノに着いた。そこには、エリザベッタが待っていた。そして、エリザベッタも一緒に町中尋ね歩いたが、遂に手がかりは掴めなかった。

イザベラは、もう絶望的だと思った。この広いイタリアで、フランチェスコは異なる道を北上しているのであろう。或いは、何処か南イタリアの一隅で、今、最後の息を引き取りつつあるのかも知れない。

イザベラは、まんじりともしなかった。


夜が明け、イザベラは何の望みも無いままファーノを発ち、アンコーナに到った。

しかし、遂に手がかりは掴めずじまいだった。

「おねえ様、本当に有難うございました。でも、もう無理です。

私は、マントヴァに帰ります。」

イザベラは涙ながらに言った。

「そう。」

エリザベッタはそれ以上何も言えず涙ぐんだ。

「どうか、御気を強くお持ちになって。」

別れ際にエリザベッタは、やっとそれだけ言った。イザベラは、涙に暮れて何も見えなくなった。


そのままエリザベッタは西へ、イザベラは北へと別れて帰途に就いた。

馬車は寂しく車輪の音を響かせて、夕暮れの道を北へ向かった。

イザベラは、力の無い死んだ様な目を窓外に向けた。


イザベラは、はっとした。

誰かが遠くから呼んでいる。イザベラはとっさに馬車の窓から身を乗り出した。

見ると、過日、最初にナポリから来たあの使者が馬を駆ってこの馬車を追って来るではないか。

「止めて。」

鞭のうなりとともに馬車はぴたりと停止した。

「ああ、間に合った。

お妃様、殿様が今アンコーナにお着きになりました。」

「えっ」

「お妃様が今しがたアンコーナをお発ちになったとお聞きして、全速力で参りました。

さあ、早く。 御案内致します。」

そう言うや、使者は馬に一鞭当てると、また全速力で今来た道を引き返した。馬車は急いで方向転換すると、その後を追った。

アンコーナの町はずれまで来ると、さっきは無かった天幕が幾つも並んでいた。イザベラは、その中央の一番大きな天幕に丁重に案内された。

我を忘れて中へ駈け入ったイザベラは立ち尽くした。寝台に横たわっているフランチェスコは頬はこけ、目は落ち込み、別人の様に蒼ざめた顔であった。

イザベラは枕元に膝まずき、目にいっぱい涙をためてフランチェスコの顔を見た。

フランチェスコは顔をこちらへ向けた。

「痩せたな。」

フランチェスコは力の無い声で言った。イザベラは涙が一気に溢れ、フランチェスコの胸の上に身を投げ出して泣き崩れた。


イザベラは、ずっとフランチェスコの枕元に坐り続けた。

「お妃様、もうお休み下さい。後は私が致します。」

夜、あの使者の若者が言った。

「どうも御親切に。でも、私はこうしているのが一番落ち着くのです。」

「お妃様はお疲れです。お身体を壊されます。」

若者は誠実な態度で言った。

「あの・・・まだ貴方のお名前は聞いて居りませんでしたね。」

「私は、アントニオ・アルベルティと申します。」

「アントニオ殿、この度は本当にいろいろと有難うございました。

これより後も、殿をよろしくお願い致します。」

アントニオは頬を染め、感極まった様子であった。


イザベラは、アントニオを休ませ、自分はフランチェスコの枕元に坐り続けた。燭台の蝋燭の火が、ゆらめきながらその寝顔を照らしていた。

夜半、フランチェスコは何度か目を覚ました。そして、枕元のイザベラの顔を見ると、また眼を閉じて寝入った。

天幕の外では松の枝を吹く風の音が夜通し聞こえた。


夜が明けると、アントニオは肩を貸してフランチェスコを馬車に乗せた。フランチェスコは座席に横たわり、イザベラとジギスムントはその向かいの座席に座った。

「姉上はゆうべ寝て居られませんから、今お休み下さい。

兄上は私が見ています。」

ジギスムントはそう言ってくれた。イザベラは、はっと気がつくと眠っていたことが何度かあった。

馬車は病人を気遣って、のろのろと北へ向かった。

単調な車輪と蹄の音を聞きながらイザベラは、これが夢か現か、いつの世に自分がいるのかも分からない様な、気の遠くなる思いがした。

フランチェスコは時折り目を開けたが、すぐにまた眠ってしまった。


馬車は何日も旅を続けた。

夜は兵士たちは皆、天幕で寝たが、イザベラは重病人を動かさないほうがいいと思って、フランチェスコを夜も馬車で寝させ続けた。

外は満点の星空であった。


馬車はまた何日も旅を続けた。

途中、幾つも川を渡った。時折り窓外に目をやると、見渡す限り乾いた葡萄畑やオリーブ畑が続いていた。


やがて馬車はラヴェンナに到り、そこで一行は船に乗り換えた。

船は晩秋のポー川を遡って行った。

暗い船室でイザベラはフランチェスコの枕元に坐り続けた。

フランチェスコは時折り目を覚ましたが、ほとんど喋らなかった。


静かな夜であった。

船に弱く打ち寄せては引く波の音が、胸にしみる様に心細く聞こえた。イザベラは、暗い川面が見える様な気がした。フランチェスコも目を開け、それに聞き入っている様であった。

「マルゲリータは?」

だしぬけにフランチェスコは言った。イザベラは、ただ目に涙を浮かべた。

それを見て、フランチェスコはまた目を閉じた。


マントヴァに帰り着くと、フランチェスコの病気は徐々に回復していった。

そして、やっと歩ける様になると、フランチェスコはすぐ任務の遂行にかかった。


11月21日フランチェスコはヴェネツィアに赴いた。

そこで彼は凱旋者として熱狂的に華々しく歓迎された。

チョギアでは、両院議員全員が威儀を正してフランチェスコを出迎え、マルモッコの砦では長老および各国の大使が全員正装して待っていた。

聖マルコ寺院の大きな扉がフランチェスコに敬意を表して開け放たれ、ミサの後、フランチェスコは立派な船で大運河を遡ってサン・トロヴァソの宮殿へ案内された。

沿道は一目フランチェスコを見ようと詰め掛けた人々で溢れ、熱狂的な歓呼の声が町中に反響した。

翌日、フランチェスコは長老にカラブリアの戦いの一部始終を報告した。

身動きもせず聞いていた長老は、フランチェスコが話し終えると、満足そうに笑みをたたえて力いっぱい両手でフランチェスコの手を握りしめた。

しかし、この栄光は、フランチェスコを妬む者の心を一気に燃え上がらせた。彼らはじっと機を伺った。


数日後、ナポリから悲報がもたらされた。フェランテ二世の死去である。若き勇敢なナポリ王は、父祖の国を奪還した喜びをかみしめる間もなく、数日の病の後に世を去ったのであった。フェランテは、イザベラには従兄に当たった。そして、ナポリで共に戦って以来、フランチェスコとフェランテは固い友情を誓っていた。イザベラもフランチェスコも悲嘆に暮れた。あまりにも華々しく、あまりにも若かったフェランテの死に二人は涙が涸れるまで泣いた。


悲報は続いた。

遂にモンパンシエ公爵が亡くなったのである。

「どうか、姉上を慰めておくれ。」

フランチェスコは悲痛な声で言った。

イザベラは、言葉を失った。涙に暮れるキアーラを前にイザベラは、慰めることなど出来ないと思った。この悲しみを他の人間が癒すことなどできないと思った。イザベラは、頭を垂れてキアーラのそばに座り続けた。それでもキアーラはイザベラに感謝しているらしかった。言葉の端々にそれが伺えた。

年の暮れ、キアーラはフランスへ帰った。


1497年が明けた。

長く続いた喪も終わりを告げ、やっと新しい年になった。

お城では毎年の様に新年の舞踏会が催された。広間には無数の灯りがともされ、真昼の様な明るさだった。そして、夕方から沢山のお客様が馬車で続々と詰め掛けた。

広間には音楽が流れ、人々は舞踏に興じた。

あたりはいつか夜のとばりが降りていた。

そして、夜が更けるにつれ、舞踏会はいよいよたけなわになっていった。

「お妃様、ちょっとワインのことで。」

侍女が耳打ちしたので、イザベラは急いで奥へ行った。

「ああ、それならこちらの白ワインをお出しして。」

「はい、かしこまりました。」

イザベラは、きぬずれの音をさせながら、また広間へ戻って行こうとした。

その時、突然、音楽が止まった。

それに続いて、人々のざわめきが起こった。

イザベラは言い様の無い胸騒ぎがして、急いで広間へ行った。

フランチェスコが蒼白の顔をして立ち尽くしていた。

「ベアトリーチェ殿が・・・ベアトリーチェ殿が」

フランチェスコの唇が震えた。

イザベラは大きく目を見開き、くい入る様にフランチェスコの顔を見上げた。

「亡くなられた」

その瞬間、イザベラは意識を失った。


気がつくと、枕元でフランチェスコが心配そうに見つめていた。

フランチェスコは侍女たちを去らせた。

二人だけになると、堰を切った様に涙が流れた。フランチェスコは何も言わずに深いまなざしで見ていた。イザベラは、身も世も無く泣き続けた。

やがて、フランチェスコは静かに出て行った。

厚いカーテンを通して、夕暮れの光が重苦しく部屋を包んでいた。


明け方、イザベラは寝台から起き出した。

この薄青い光・・・イザベラの心は震えた。

「どこにも いないの」

イザベラは、魂が消え入る様な気がした。


朝、フランチェスコが静かに入って来た。

フランチェスコは何も言わずに枕元に坐った。

「体の半分を」

イザベラは、遠くを見る様な目で言った。

「体の半分を、失ったみたいなの」

イザベラは涙を流した。

「私はベアトリーチェと8年間も離れ離れだったの。子供の時。」

フランチェスコは涙を浮かべて聞き入った。

「でも、この先、ずっとずっと人生があると信じていたわ。その8年を埋める人生が。」

イザベラは泣き崩れた。

「この世は、無意味よ」

フランチェスコは、無言のまま首を垂れた。


夕方、イザベラは起き出して窓辺に立った。

夕日が空を茜色に染めていた。

「遠い国へ行ってしまったのだわ。」

イザベラは、とめどなく涙を流した。


夜明けにフランチェスコが入って来ると、イザベラはまだ泣いていた。

「イザベラ」

フランチェスコは思いつめた声で言った。

「イザベラ、君は幸せにならなくちゃいけないんだ。」

イザベラは驚いてフランチェスコの顔を見た。

「君が幸せにならない限り、ベアトリーチェ殿も幸せにはなれないんだ。」

フランチェスコの目には涙が光っていた。

「イザベラ、君はヴィルギリウスを、プルタークを、どう思う?

彼らは永遠の命を与えられているじゃないか。

ベアトリーチェ殿だって・・・ベアトリーチェ殿だって、永遠にこの地上に生き続けることが出来るんだ。 21歳で終わりではないんだ。」

イザベラは驚きのあまり声も出なかった。

「イザベラ、立派になれ。君が立派になればベアトリーチェ殿の名だって残る。」

「そんなこと無理です。」

「無理かどうかはやってみなくちゃわからないじゃないか。」

イザベラはさめざめと泣いた。 フランチェスコは黙って首を垂れた。

やがて顔を挙げると、イザベラは静かに言った。

「私は、これからベアトリーチェを探して生きていきます。」

夜明けの透き通った光が部屋に満ちていた。


6月24日、フランチェスコはヴェネツィアに上陸した。長老から、戦に備えて準備を始める様、依頼を受けたのだ。

サン・トロヴァソの宮殿に着くと、ゾルゾ・ブロニョロが待っていた。

フランチェスコは笑みを浮かべて歩み寄ろうとした。

不意にゾルゾは、手に持っていた紙を読み上げた。

「閣下をヴェネツィア共和国総司令官の地位より解任する。

                   1497年6月23日  十人会議」

ゾルゾはそれだけ読み上げると出て行った。

フランチェスコは茫然と立ち尽くした。

長老の要請でフランチェスコはヴェネツィアへ赴いたのだが、到着の前日、十人会議が解任を可決したのであった。

フランチェスコはすぐさま飛び出すと馬に乗り、大運河沿いの道を全速力でサン・ジョルジョ・マッジョレ教会に向かった。

フランチェスコは教会に駈け込んだ。やがて行政長官が現れた。

「今すぐ、今すぐ長老に会わせて下さい。

どうしても確かめねばならないことがあります。」

行政長官は、眉一つ動かさず言った。

「長老にお合わせするわけには参りません。」


その頃イザベラは、フランチェスコの要請でヴェローナを訪れていた。そして行く先々で歓迎の人々を魅了していた。ヴェネツィアの長老は、イザベラのために指令を発した。マントヴァ侯妃にどこまでも礼を尽くし手厚くもてなす様に、と。 そればかりではなく長老は、侯妃がヴェローナに滞在を続ける限り、その饗応のため日々25ドゥカーティを支給する様、命じた。

ヴェローナ滞在中、イザベラの前でフランチェスコ解任のことを口にする者は誰も無かった。


数日後、イザベラはマントヴァに帰った。

お城の前まで来ると、夜なのにフランチェスコの部屋の窓には灯りが無く、イザベラはどうしたのかと思った。裏玄関に入ると、イザベラは何かただならぬ空気が流れているのを感じ取った。

イザベラは、フランチェスコの部屋へ急いだ。

扉を開けると、ただ1本の蠟燭が灯されているきりで、フランチェスコは魂が抜けた様に坐っていた。

「解任された。」

「えっ」

「ヴェネツィアの総司令官を解任された。」

イザベラは我が耳を疑った。

あれほど華々しい勝利を収め、ヴェネツィア中で英雄と謳われ、そして何より長老から格別の信任を受けていたフランチェスコが。

それに、このヴェローナ滞在中も長老は非常に好意的な心遣いを見せてくれていた。

「裏切った、と言うんだ。」

「どういうことです。」

「フランス王と密通していると。」

「殿、長老がそうおっしゃったのですか?」

「いや、長老には会わせてくれなかった。」

イザベラは、息を飲んだ。

「陰謀です。 あの人たちの陰謀です。

長老は殿を信じて下さって居られました。まだ23歳だった殿を総司令官に御抜擢下さったのも、そして、殿が武勲を立てられます度に我が事の様に一番お喜び下さったのも、長老だったではございませんか。まるで御自分の御子息のことの様に。

『あれは大した奴だ。 やっぱり、わしの目は高い。』

が長老の口癖でした。それを激しい妬み嫉みの目で見ている人間がどんなに沢山あの国にいたか、殿もよく御存知のはず。

そればかりではございません。ヴェネツィアの国内で殿の人気が高まり、人々が称賛して下さる度に、彼らはどんな思いで殿の失脚を願ったか、私はよく聞いて居ります。

殿は戦場にいらして御存知なかったかも知れませんが、捕虜になられたバスタル・ド・ブルボン様に私が礼を尽くしておもてなし致しましたことも、そして重病に陥られたモンパンシエの兄上に殿が陣中見舞いを贈られましたことも、彼らはことごとく、フランス寄りのマントヴァ侯の裏切り行為だと言って騒ぎ立てたのでございます。」

フランチェスコは、驚いて顔を挙げた。

「フランス王と密通ですって? そんなこと、あの人たちなら何とでも捏造するでしょう。 第一、キアーラお姉様の亡き御夫君モンパンシエ公爵はフランス王の従弟でいらっしゃいました。お姉様とのお手紙まで、その気になれば何とでも申すことは出来ます。

『マントヴァ侯がフランスの王族と文通している』とか。」

フランチェスコは呆気に取られてイザベラを見上げた。


翌日、アルフォンソが馬で駈けつけた。

「お姉様、すぐフェラーラに。 お父様も待っています。

この度のことを相談しましょう。」

不眠不休で馬を飛ばして来たアルフォンソは、苦し気に肩で息をしながら言った。

イザベラは、悲嘆に暮れるフランチェスコを独り置いていくことが心配でならなかった。フランチェスコは勇猛果敢である反面、非常に壊れ易い一面を持っていることをイザベラは知っていた。イザベラは後ろ髪を引かれる思いで船に乗った。

フェラーラでは、沈痛な面持ちの父が出迎えた。そして、父とイザベラとアルフォンソの3人で話し合いを始めたが、イザベラはその間もフランチェスコのことを思うと気が気ではなかった。

結局、何も結論を見い出せないままイザベラはフェラーラを後にした。

帰りの船の上でイザベラは、或る決意をした。


マントヴァに帰り着くとイザベラはフランチェスコの部屋へ走った。

扉を開けた途端、イザベラは立ちすくんだ。暗い部屋の中でフランチェスコは独り、真っ黒な服に身を包んで座っているのだ。その顔は蒼くやつれ、目は死人の様だった。そして、何より痛々しかったのは、首にはめられた鉄の輪だった。それが何を意味するものかイザベラには分からなかったが、途方もないフランチェスコの悲しみがイザベラの目にしみた。

「殿」

イザベラは歩み寄り、フランチェスコの足元に膝まずいた。

「殿、どうか私とエレオノーラを、ヴェネツィアへ人質に出して下さいませ。」

フランチェスコは深い驚きの色を見せたが、すぐ首を振った。

「そんなことは・・・そんなことは、命に代えても出来ない。」

イザベラは、目に涙をためて言った。

「殿、何としてでも長老に、殿の誠意を、真実を、お分かりいただかねばなりません。そのためには、私はどうなっても構いません。」

フランチェスコは涙を浮かべて首を振った。

「殿、お願いでございます。たとえ駄目でも、私は何もしないまま手をこまねいていることは死ぬより辛うございます。」

そう言って、イザベラは涙を流した。


遂にイザベラの熱意に押し切られ、フランチェスコは身の刻まれる思いでヴェネツィアへ旅立った。人質の申し出をするために。

イザベラはエレオノーラを抱きしめて、フランチェスコの船が見えなくなるまで船着き場に立ち尽くしていた。


しかし、フランチェスコは長老との面会は許可されなかった。

そればかりでなく、長老への贈り物も全て持って帰る様に言われた。

イザベラの懇願により、フランチェスコはその夏中、何度もヴェネツィアへ足を運んだが、遂に長老に会うことも贈り物を届けることも許可されなかった。


イザベラは、或る晩フランチェスコを探した。部屋にいないのだ。お城の中を隅から隅まで探したが、フランチェスコの姿は何処にも無かった。

イザベラは外に出た。そして、お城のめぐりを探し歩いた。

「あっ」

フランチェスコは暗い庭で独りたたずんでいた。その後ろ姿は、風に震える木の葉の様に寂しげに見えた。イザベラは、声をかけることが出来なかった。

「君か」

フランチェスコは振り返って嘆息をついた。

あたりは虫の音がしきりだった。

「昔のことを思い出していたんだ。」

「殿」

イザベラは、涙が出そうになるのを抑えて言った。

「どんなに不本意に、不幸に思うことがあっても、心の正しい人間には、必ずそれがいいことになって返って来るんです。

殿、明るくしていれば、必ずいいことになって返って来るんです。

悪い人が長続きしたことはございません。

きっと、総司令官として今一度御出陣なさいましたら、殿は御命を落とされたのでございましょう。私は、そんな気が致します。」

イザベラは、頬を染めた。

「殿は、マントヴァの殿でいいのです。 それだけで。」

フランチェスコは頭を垂れた。

やがて顔を挙げると、フランチェスコはいたずらっぽい目で言った。

「マントヴァの? マントヴァだけの?」

イザベラは、目をうるませながら微笑んだ。

「マントヴァと、そして私の」

フランチェスコは笑みを浮かべ、乱暴にイザベラの肩に手を掛けると、二人で連れ立ってお城の中に入って行った。



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