第2話
ボーッ
船の汽笛の音で我に返った。間違いない。ここは船の上なのだ。しかし、一体なぜ僕がこんなところにいるのだろうか。僕は船に乗る予定などなかったはずだ。まして自分で乗った記憶など微塵もない。携帯も何度か試してみたものの、やはり繋がらない。僕は混乱したまま、ひとまず部屋に戻ることにした。
部屋についてとりあえず今の状況を整理しようとしたが、情報があまりにも少なすぎる。いつ、どうして、僕がここにいるのかが全くわからないのだ。最後の記憶は...だめだ。思い出せない。薄く靄がかかったような気持ちの悪い感じがした。
ふと僕はあることに気づいた。さっき、甲板に出た時、そして部屋に戻る時に誰にも会っていないのだ。僕は急に不安になった。この船には誰もいないのだろうか。いや、そんなはずはない。船が動いている以上、操縦者はいるはずだ。
僕は恐る恐る、部屋の外を覗いた。やはり誰もいない。すると突然、頭上から声が聞こえた。
「皆さん、ロビーに集まってください。さもないと、 殺します。」
船の声 non @Kanon20051001
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。船の声の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます