第4話 戻れぬ理由

輸送車襲撃の容疑が俺たちに向かないよう


遅延する時を利用して、俺はその場を離れた


もちろん、血まみれの瀬戸と三畑を担いで…







なんとか近くのビルの路地裏まで移動できたが、


現場に残った血痕からすぐに追手が来てしまう…





なんて日だよ…

今日はラッキーカラーで決めたのに…


初対面の仲間にいきなり裏切られて…


初対面の仲間がいきなり死んだ…




早乙女 火輪…ふざけやがって!!…

ちくしょう……

何なんだアイツは……!!




親父を…


親父を…探すために…

リベリオンに入ったのに…


このままじゃ…

俺が先にくたばっちまうかもしれない……







「…こ…小早川…」


!!!

「瀬戸!!」

血まみれの瀬戸は今にも途切れそうな声で、俺の名を呼ぶ…


「瀬戸!は持ってないのか!?」

助かるかもしれない!」







「……いや…駄目だ…」

時計を使っても発動しない…」


「そもそも…、俺たちは肉体を維持したまま…未来には戻れない…からな…」




!!!!

「どういうことだ!!?」


瀬戸は俺の肩から降り、壁に寄りかかる




「…本来、白と黒の時計は意識だけを…移動させる…が…」

「ボスが所持する…時計は……」


「その時計を使って…今俺たちはここにいる…」


「特別仕様で戻ったら…同じく、特別仕様で戻らなければ…ならない…」




……なんてこった……


…だからミッションでは赤と緑としか待たされないんだな…





「……小早川…ボスを…探せ…」

「俺がしくじったら、三畑と共にお前の判断でミッションを継続しろ…」




…瀬戸…くそっ…

マジで、そんな死亡フラグいらねぇんだよ…


………って、なんで三畑?




「頼んだぞ…小早川…悟…」

「お前は…父親のようには…なるな…」



!!!!!!!?

瀬戸!!!!!?なんで!?


…瀬戸はゆっくりと倒れ込み、息を引き取った


なんで親父の事を?……


それを聞く術はない…






「ふぁ〜よく寝た…」

「あれ?瀬戸さん死んじゃった?」



!!!?

「三畑!!!!?」


瀬戸と同じく血まみれの三畑は、何事もなかったかのように起き上がる


「あ、私この程度じゃ死なないんだよね!」






いやいやいやいや!

普通死ぬだろ!そんだけ出血してたら!!


もう…短時間で色んなことが起きて自律神経がイカれそうだ…




「うっすら話は聞いてたよ!



…はぁ?(さとりんって…)



「ミッション継続!2人であの女ぶっ殺すよ♡」

「せとりんの仇撃ちだ!!」



いや…ミッションおかしくなってるって…

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CLOCK-クロック- 今宵ノ月 @dh-revolution

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