第3話 見えざる犯罪者

2020年 4月3日 午前11時

エリアA-256


事件発生の30分前に俺たちは戻ってきた


リベリオンの仕事は、犯人が特定できていない未解決事件の発生直前に赴き、対象を捕まえる事


俺たちは犯人を捕まえる…



たぶん…7人全員がだ…


俺には…この時を超える仕事で、


死ぬ訳にはいかないんだ…







「午後11時32分、この歩道橋の下を現金輸送車が通過する」

「時間丁度にを発動し、犯行を阻止するぞ」


瀬戸による作戦の説明を俺はあまり聞いていなかった


結局は犯人が出てくるまで、俺たちは星の顔もわからない…

ぶっつけ本番のクソミッションだからな…




「先に言っておくが、私たちが先に見つかって奴らにを使われたら、一瞬で全滅する可能性もある…」

「こちらが先に赤を使う訳にはいかないからね…」

「こっちのは瀬戸に託す、頼んだよ…」




基本的に赤の時計は使わない


他の時計に比べて燃費が悪すぎるからだ…


いざという時の切り札が『赤』





「はぁ〜面倒くさいんで、瀬戸さんがさっさと終わらせちゃってくだよー」




ダルそうにしている三畑は役に立たないかもな…


なんでこんな奴がチームに入ってるんだよ…




「…小早川…」

「俺がしくじったら、お前の判断でミッション継続の判断をしてくれ…」

「もちろん、これはフラグではない」



いや…十分フラグ立ててるだろ瀬戸さんよぉ!




犯行時刻10分前


俺たちは配置に着いて無線でやり取りをする





瀬戸は歩道橋の上

俺は右側の歩道に配置

ボスは左側だ

三畑は後続として輸送車後部の扉を担当する




「最終確認だ…」

「合図で全員が時計を発動」

「輸送車に近づく者を発見次第、速やかに容疑者として確保すること」





作戦開始5秒前…




緊張はない…




今日のラッキーアイテムは赤のネクタイだからな


完璧に終わらせてみせる…






目標の輸送車が接近する





「…作戦開始」


カチッ…




全員が緑の時計を発動し、10分の1の速度で進む時の中、輸送車を監視する…




(さっさと出てこい…)

そう思った直後

俺の脳裏には

ふとボスの放った言葉がぎる…


『先に言っておくが、私たちが先に見つかってに赤の時計を使われたら、一瞬で全滅する可能性もある…』



……………って…

…何で複数なんだ?

俺たちは犯人の顔も人数も知らないはずなのに?




犯行時刻ジャスト


瀬戸が歩道橋の上から飛び降り、輸送車に飛び乗ろうとしていた


後部からは三畑も接近中





(!!!!!!)

まさか!!……


「瀬戸!三畑!行くな!!!」

「輸送車から離れろ!!!」








カチッ…








…一瞬だった…


輸送車が停止しようとしている




道路に横たわる瀬戸と三畑


「瀬戸!!!三畑!!!」

「大丈夫か!!!?」

俺は急いで2人に駆け寄るが…




!!!!


全身に数箇所の刺し傷…

………これでは……2人とも……


俺は遅延中の時の中、周囲を見渡す


……ボスが…

…いない………?




「……小早川…」

「…輸送車…は?」


瀬戸!まだ息がある!


「やられたよ、多分現金は盗まれた!」

「瀬戸!あの一瞬で何があった!?」

「話せるか!!?」


瀬戸…頼む…何が情報を…


「…わから…ない…」

「気づいたら、このザマだ…」

「…なんで…







「………あの、クソ女…」


!!!

三畑!!?


「…たぶん、ボスだよ…」

「私と…瀬戸をやったのは…」


「…ちくしょう…痛いよぉ」

「死にたくないよぉ…うぅ…」


三畑……瀬戸……


クソっ!!俺はどうすれば…







---------








「勘が鋭いって本当だったのね…」

「3人まとめて始末する予定だったのに、残念だわ…」




!!!!

ボスの声だ!!

……声は聞こえるが、姿が見えない!


「ボス!!アンタがやったのか!!?」

「だとしたら何でだ!!!!!?」









「なんで?って、あははははははは」


に決まってるじゃない!?」


「今回は見逃してあげるけど、いずれ殺すから!」

「リベリオンの人間は






その言葉を最後に、ボス…

早乙女 火輪はその場から消えた…

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