第27話 結末のつくりかた【前編】
僕たち全員が死なない限り
このループは終わらない…
時間屋のタブーを破ったマユミ
それを完全に終わらせるのが
ハルの役目だった…
「先程ご説明した通り…」
「マユミさんと契約した管理人は始末されました」
「時間屋としては、このままあなた達を放置しておけない…」
「36時間以内…」
「アキラとトモキさんが死ぬまでに」
「あなた達でこの運命にケリをつけて下さい」
「間に合わなければ」
「私の手で3人を救います」
僕たちは思い出の神社に
3人でやって来た…
これからどうするのか
ケリをつけるために…
「2人共…本当にごめんなさい…」
そう言ってユキはポケットから
黒い時計を取り出した…
!!!?
「ユキ!?それは?」
トモキは黒い時計を知っている…
ふとユキの顔がマユミに変化する
「あの時…花火大会の日…」
「ユキはあなた達との待ち合わせ時間に遅れた」
「本当はね……」
「あの時事故で死にかけたのはユキなの」
!!!!!?
僕とトモキ、ユキまでもが知らない真実…
「ユキを失いたくなかった私が」
「所持していた黒い時計を使った…」
「そして…」
「アキラとトモキがユキを助けて死ぬ」
「……その世界を作ったの」
僕とトモキはたぶん
驚いてばかりだ…
ありえない事が連続で起きる…
事故で死にかけたユキを救ったマユミ
それにより今度は僕たちが死ぬことになった…
その現実を受け入れられないユキ…
ユキの願いを叶えるため…
僕たちともう一度出会うため…
2人は死のループを始めたのだ…
「私と契約した管理人が死んだのなら」
「時計の使用は、もう無制限じゃない…」
マユミの顔がユキに戻る…
「マユミ…もういいよね…」
「私のために…ありがとう…」
「アキラと…トモキも…ありがとう…」
「……ユキ?何をする気だ!??」
ユキはこのループを終わらせる方法を知っている…
僕とトモキは、そう思った…
「私たちがあの時に戻る」
「そして私が死ねば…」
「アキラとトモキが生きているはずの…」
「本来の世界に戻るから」
ドン!
トモキは近くの木を殴りつけ
ユキの提案を拒否する…
「なんだよ…それ…」
「確かに、ユキとマユミって奴が俺たちにした事は…許される事じゃない…」
「けどさ……」
「……それで、俺たち救われんのか?」
………………
僕もアキラと同じ気持ちだ…
散々振り回されたけど…
ユキとマユミが死んで全て解決!
って気持ちにはなれない…
「…わかってるよ…」
「でも、ケリをつけたいの…」
「2人の命を弄んだ…」
「私たちの罪滅ぼし…」
……わからない…
どうすればいい?
…ユキとマユミが、死ぬしかないのか?
………………
しばらくの沈黙が4人を包む…
「…………」
「よし!!わかった!!!」
!!?
「アキラ!ユキの気持ちを受け取るぞ!」
!!!?
「な、何言ってんだトモキ!!」
「それで解決するのかよ!?」
「アキラ…たぶん、もうそれしかないんだよ」
「でも、条件がある!!」
「……残り約3日間…」
「4人で最高の思い出作ろうぜ?」
「…ユキが…寂しくならないようにさ…」
「…トモキ…」
その言葉を聞いたユキは泣き崩れる…
そして僕たちは
ユキの提案を受け入れる形で…
残りの時間を一緒に過ごす事にした…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます