第28話 結末のつくりかた【後編】
ユキ…アキラ…トモキ…私…
残された30時間余りを
4人で過ごした…
それは幸せな時間…
私たちは笑顔で
時計のスイッチを押す…
これでお別れ…
でも、きっと…
ユキは救われる…
あの夏に戻り
2人との待ち合わせに遅れたユキは
大急ぎで神社に向かう…
その道中で軽トラックに轢かれ
ユキは死んだ…
ありがとう…
…ユキ…
この体…
私が貰うね…
この体は生死を彷徨うけど
ちゃんと生き返るから…
ユキの分まで…
私が2人と一緒にいるね…
さよなら
桜井 友希…
私のたった1人の友達…
『CLOCK-クロック-』
『エンディング【ルートY】』
『END』
…………………
「…あ!もしもし?」
「いやぁーーーーなげーってー」
「このゲーム!!」
「選択方式ミステリーゲームでエンディングがA〜Zまであるのは、なげーんじゃ!!」
「ここまで来るのに80時間かかってんぞ!」
「こんなのボツだよ!絶対に売れない!」
「エンディングZまでプレイヤーついて来れないって!!」
「えー……やっぱ通らないかなぁ?企画…」
「流石にAから順番にZまでプレイするのはキツイって……」
「アイデアは斬新だし、ハマる人にはハマるけど…」
「こりゃ売れんな…」
「もっかい結末のつくりかた、考え直した方がいいな…」
「そっかー、苦労したのになぁ…」
「また空眺めながらゆっくり考え直すわ…」
「なんだよアキラ…」
「また屋上で黄昏モードか?」
「ここが一番落ち着くんだよ…」
「お前も来るか?トモキ…」
「もう下まで来てるよ!」
「次は俺も一緒に考えてやるから」
アキラは笑っていた。
大学の屋上で俺を見下ろしながら。
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