第25話 カウントダウン

202号室 桜井さくらい 真弓まゆみ


203号室 桜井さくらい 友希ゆき


ユキはマユミの隣の部屋を借りていた


僕はユキの部屋に移り


ユキの話しを聞く




「…ごめんなさい…、全部私が悪いの…」

「マユミは悪くない…」


「マユミはただ、私のためにやっただけ…」


僕の首を絞めるマユミを止めたのはユキだった


やはりユキは二重人格…




小学生の頃、一度だけマユミを見た


ユキは鏡に向かって話しをしていて


鏡に映るその顔はユキじゃなかった


…マユミちゃん…


そう呼んでいたのを覚えている




「もう…終わりにする…」


「こんなこと…ダメだよね?…」

「トモキとアキラは…」


「もう死んでるのに…」


ユキの悲しそうな表情は


先程まで怒りに震えていた僕を冷静にさせる






「…ありがとう………」






「……えっ!?」


僕の口からふいに出た言葉…


ユキはそのあり得ない言葉に驚いている





「僕とトモキの人生をもてあそんだ事は、やっぱり許すことはできない…」


「でも……よく考えたら…」


僕とトモキの命は数年延長された」


「本当なら経験できなかったこと…」


「楽しいことや辛いことも、沢山…」


「ユキが見せてくれた…」


「3人で話し合って…決めないか?」


「これから






一度落ち着いた涙が再び流れ出すユキ…


彼女はただ泣きながら


首を縦に振った…









ピンポーーン






ユキの部屋のインターホンが鳴る




覗き穴から見えたのは…




ハルとトモキだった




「急におじゃま!」

「やぁアキラ…」

「とりあえず話しは終わったかい?」


ハルがなぜトモキを連れてユキの部屋にやってきたのか分からなかったが


妙にタイミングが良すぎる…





「…アキラ…」

「このハルって人から聞いた…」

「過去で俺が死んで…」

「俺を助けるために意識を未来に飛ばしたって」



つい数時間前に会っていたはずのトモキの声が


どこか懐かしく感じる…


元気そうなトモキの姿に


僕の目は潤んでいた



「アキラ…俺も今…」


「未来から来てるんだ…」




!!!!!!

「………なんだって!!!?」




僕は怖くなった……



…僕が未来に意識を飛ばして…


…アキラが過去に意識を戻した…


になるなんて…





……そして…この状況…


僕…アキラ…ユキ…


マユミ……そして、時間屋のハル…






「…アキラ…変に疑うなよ?」

「君の悪い癖だ…」



!!!?

ハルは…なぜが………

全て分かっているかのように見える…



「面倒だから、5で会話を進めたくてね!」

調



「ちなみに…」


「時間を行き来したトモキとアキラが出会うと」






!!!!!!!!!

はぁ!!!!?





「どちらも時間を移動していた場合は…」


362




!!!!!!!?


「はぁ!?何言ってんだアンタ!!」

「ってか!それなら…なんて事してくれてんだよ!!!?」


トモキが声を荒げてハルに掴み掛かる


僕も当然、トモキと同じ感情だ






「言っただろ?アキラ…」


「僕は動いてる」


「そしてこのループを壊して」


「桜井 友希にも死んでもらう」





「それがこのループを完全に終わらせる…」



「唯一の方法だから…」

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