第24話 ユキとマユミ その③

幼い頃の私は


友達がいなかった




いつも


鏡に映る自分と


おままごとをして


おはなしをして


お嫁さんごっこをして…




ある時


鏡の中の私が


話しかけてきた




鏡の中のお友達は


マユミちゃん


っていうんだよ




マユミちゃんは


可愛くて


面白くて


時々怖くて








少し大きくなって


男の子のお友達が


2人できた




トモキくんと


アキラくん




私は2人の事を


好きになった




また少し大きくなって


もっと2人の事が


好きになった




ずっと一緒にいたい




マユミちゃんとも


ずっと友達








トモキとアキラが


事故で死んだ




私とマユミは


その現実を


無かったことにした




ある時は


私とトモキが…


マユミとアキラが…


付き合うの…




またある時は


私とアキラが…


マユミとトモキが…








時間を操る時計


マユミは頭が良くて




命を消費しない


その契約を結んだ




何度も何度も




私たちは幸せな時間を


過ごしてきた




トモキとアキラが


死に続ける世界を




私たちは満喫した




この幸せは




いつまで続くのかな?




ダメな事だって…




異常な事だって…




わかってる…




でも、この幸せを…




手放す勇気が




私にはなかった…


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