第22話 ラブコール
『桜井 友希さんを殺して頂きたい…』
『アキラとトモキくん、死んじゃうんだよね…』
言ってる事がめちゃくちゃだよアイツ…
そもそもユキを殺して解決する問題なのか??
仮に解決したとして、僕らは死んでしまう…
くそっ…今は…
とにかくトモキに会わないと!
♪♪♪♪♪♪♪♪
!!!!?
……マユミからの電話!!!?なんで!?
僕は恐る恐るスマホの通話を押す…
「あ、アキラーー?」
「今バイト終わったよー♪」
「そろそろアキラもバイト終わる頃かなぁって思って!何時に
………は?
「マ、マユミ?………なんで…」
「え!?なんで?ってひどくない!?」
「今日ウチに泊まる約束だったじゃん!」
「イチャイチャするって言ったじゃーん!」
え?……なに…
この感じ…
まるで………
僕とマユミが付き合ってるみたいだ…
「えっと……」
どうする?…どうする?…
「…ごめんマユミ、今日忙しくてさ!正直忘れてた…」
「悪いけど迎えに来てくれないか??」
「一緒に…行こう」
「おいっ忘れるなよーーっ!」
「ってか元々私が迎えに行く予定だったでしょ?」
「今電車で向かってるから待っててねーー♪」
思い出せ…僕…
どうなってる?……
なんでマユミと…
僕を突き落として…
トモキを殺した奴と…
なんで付き合ってるんだ!?
僕はふと、ハルの言葉を思い出す…
『アナタとトモキさんは、様々なエンディングを迎えながら』
『何度も何度も、同じ時の流れを繰り返している』
……様々な、エンディング…
………………
…そうか…!!
僕は白い時計で、トモキが時計を使う前に戻った……
…この時間の流れでは、まだマユミは僕を突き落としていない…
……薄い記憶…
もしかして…ユキ=マユミって事を知らないまま…
僕はマユミと付き合っていた??……
でも、今の僕はそれを知っている…
待てよ…ユキって…
今トモキと付き合ってるよな?
いや…マユミとは昔に会った事が…
あーーくそっ!
頭の中の情報がめちゃくちゃだ…!
……アイツの、マユミの罠…って事も…
…ならば逆にマユミから色々聞き出すって手も…
くそっ…
会ってみるか…
会って…
確かめる…
「アキラーーーお待たせー♪」
僕は声のする方を振り向いて
マユミを見つける…
マユミに対しては、怒りや憎しみの感情しか持っていなかったはずなのに…
目の前に現れた彼女は
とても可愛らしく…幸せそうな表情をしている…
僕に会えた事を心から喜んでいるかのように…
僕は無意識にマユミを見つめる…
友達を殺した相手のはずなのに…
それなのに…
あまりにも可愛らしい彼女の笑顔に…
僕は………
一瞬で心を奪われていた…
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