第15話 物語の始まり その②
……うぅ…痛てぇ…
何なんだよ…急に……
ちくしょう…
誰だよ…僕をいきなり突き落としやがったのは…
僕が目を開けると
そこには血まみれのトモキが居た…
「トモキ!!!!!!!」
「うぁあああ!!」
怖かった…
微かな記憶が正しければ、トモキは僕を庇いながら石階段から落ちた…
僕も激痛で体が思うように動かない…
一体…この一瞬で何が起きたんだ…?
「…くそっ…今は、それよりも…」
「ぐぅ…トモキ……早く…救急車…」
神社から
女がゆっくりと石階段を降りてくる
「アキラく〜ん、無駄だよ♪」
「トモキくんは、もう死ぬ…」
「助けたいよねぇー♡助けたいよねぇー♡」
「だって君のために死んだのだから」
!!!!!!!!?
コ…コイツは…
ユキ…
…じゃない…
コイツは………
「マユミ!!!」
「へぇ〜覚えててくれたんだ!一度しか会ったことないはずだけど、さすがアキラくん!」
マユミ…間違いない…
たぶん、トモキも知らない…もう1人のユキ…
「いやぁ…少し焦ったよ♪」
「トモキくんったら、このまま書き換えちゃうんじゃないかってね!」
「やっぱり今日に戻ってきて正解だった♪」
「あの時間屋が特別仕様の時計を持たせるなんて想定外…」
「どうやってその時計を使わせるか…」
「…それが上手くいってホッとしてるの♪」
何言ってんだコイツは…!?
痛みもキツイが、そもそも今何が起きているのか全く整理できない…
何でトモキが血まみれで、マユミがそこに居る?
くそっ……頭が回らない…
「もうトモキくんは助からないよ♪」
「今、アキラくんに出来ることは一つ」
『未来に行き、トモキくんを救うこと』
『私たちのシナリオに沿ってね♪』
!!!!?
未来…って…は?何なんだよ…
夢でも見てるのか?…………
「たぶんもう来るから」
「あとは頑張ってね♡アキラくん♡」
そう言い残し
マユミは悠々と僕たちの前から姿を消した
その数秒後
黒いスーツを着た男が僕の前に現れる
「はじめまして」
「時間屋CLOCK、出張サービス担当の者です」
「佐々本 輝さん、あなたにこれをお渡しに参りました」
突然現れたその男はそう言って
僕に白色の時計を手渡した
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