第16話 物語の始まり その③

周囲の景色が歪んでいく


石階段から落ちた衝撃で脳が揺れてんのか?


…いや…本当に歪んでいる…


世界にノイズが走っているみたいに…






スーツの男は僕の都合を無視して話しを始める


「時の行き来は、内容によって本来の運命を消滅させます」


「宮下 智樹さんは約5年の時をさかのぼり」


「過去で死を迎えた」


「それはつまり、 ということになります」




!!!!!!!


この状況で突然説明されても難しいが…

時間移動の…タイムパラドックス…ってやつか?





「……僕は…どうすればいい?…」

「このままトモキを死なせたくない…」

「訳もわからず…」









「運命が書き変わる前に、未来へ意識を飛ばすのです」

「宮下 智樹さんが、



「そこでアナタが何をするのか?」

「どう行動するのか?」


「それによって





…くそっ…訳のわからない展開を信じろとでも言うのか?…

……トモキに何があったのか知らないが…


もし本当なら、アイツもだったはず……


「マユミ…」

「あいつの目的は何だ…!?」

「何のために…










「それは…この未来さきでご説明いたします」


「とにかく今は、急いだほうがよいかと…」







「…………………」








このままじゃ、今のトモキも結局助からない!


ユキも…マユミも、このままにしておけない…


行けばわかるのか?……


僕にとっては記憶のない未来への意識…








マユミの言っていた…


『私達の物語』ってのに、たぶん巻き込まれてる…





止めないと…


変えないと…


今のトモキを助けられるのは、僕だけだ








世界のノイズが激しくなる



崩壊寸前の今を変えるため



未来を変えるため



意識は先行する



新しい刻を刻むために








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