第12話 カミングアウト

「えっとー、今から何するんだっけ!?」


「何言ってんの!?トモキが図書館で一緒に勉強しよう!って言ったんだよ!?」




ユキにツッコまれても仕方がないほどアホな質問




「…あ!……そうだったそうだった!ごめん!」


マジで覚えてるわけねーだろ!5年前の事なんて!


…はぁ…この先が心配すぎる…





「アキラも付き合ってくれて、ありがとな!」




「……いや、お前…僕には来るなって言ってたくせに……ユキが僕を誘ったんだろ」



「え!!?」

マジか!!………


そういえば…この頃の俺たちって、微妙に仲悪かったっけ?


あー懐かしー!!!


って…喜んでる場合じゃないのか…


「い、いや、一応来たんなら、礼ぐらい…言っといて…や、やるよ!!」


「………??」


「…なんか…今日のトモキ変だぞ?」


アキラは俺に対して違和感を感じているようだったが、ユキは特に気にしてい様子だった


そのまま俺たちは歩いて図書館まで向かった











「ふふふ…」


ユキはさっきからニヤニヤしながら独り言を言っている


「…ユキ、どうした?キモイぞ…」


この頃のアキラは思った事をすぐに言うタイプ?だった気がする


「キモイって言うな!バカアキラ!」

「今日の夜、花火大会でしょ??」

「また3人で行くのが楽しみなだけー」



「あー、今日だっけ!?毎年行ってるもんな、3人で…」




ユキとアキラの会話について行けない…

そういえば、毎年3人で行ってたっけ…花火大会…



しかし俺たちが車に跳ねられるタイミング…

いつなのか全然思い出せん……






俺は図書館でも全く勉強に集中できなかった


勉強したところで…って感じだし…











「じゃあ夕方6時、いつもの場所に集合ね」



「…………えっとーーどこだったっけー!?」

また何もわからないな俺…ヤバい…


「神社だろうが!一番花火がよく見える」

「僕たちだけの穴場スポット」

「ホント、どうしたんだよ?ボケたか??」

アキラは俺にも容赦ない…


「ふっ…ちゃんと覚えているかアキラを試したんだよ!いつも忘れてるだろ!?」



「いや、忘れるわけねーだろ…そんな大切な場所」



「…………」

「へぇー!今回は覚えてたんだな!よしよし!」


俺が全力で誤魔化したので、アキラは腹を立てて先に帰ってしまった




「あーぁ、アキラ帰っちゃった」

「まぁ、花火には来るでしょ!」



「そ、そうだよな……!あいつ寂しがりやだもんな!」



「ふふ…なんか今日のトモキ可愛いね!」



「…か、可愛いとか言うな!」



「あ、もしかして怒った?やっぱ今日のトモキ可愛い」



はぁ…


俺はため息をついて、ユキと話しをしながら


一緒に家の方向まで歩いて帰る




その後すぐ


いつもおしゃべりなユキが


急に黙ってしまった







「…ユキ…」


「……どうかしたか?」








「……トモキ…あのね…」


「…………」






????

なんだろう……







「………」









「………私ね…」



「私…」






「未来から………来たの…」



「……トモキも、そうなんじゃない?…」





!!!!!!!!!!!??


ユキ?……なんで!!!!?





俺は言葉がでなかった


もう何度目か…


驚き過ぎて言葉がでないってやつ





「な……なに言ってんだよ、ユキ」

「そんなこと……」


「わかるの!」

「今のトモキは…


………なっ…??

なんでだ??なんでこんな展開に??






「今日…トモキとアキラが死んじゃう…」


「私…2人を助けたくて…」





「今ここにいるのは……」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る