炎の中に見つけたもの

上手く行くと思われた大学生活だったが、思い描いた夢の国とは異なるらしく、僕はまたしてもボッチ生活を送ろうとしていた。いやー、誤算だなぁ。うん。やっぱそう簡単に友達って出来ないもんだよなー。環境が変われば人も変わるってどこかのネット記事に書いてあったけどやっぱ嘘なのかな。誰だよ友達100人作ろうとか言い出した奴。そう心のなかで愚痴を言いながら歩いていると、いつの間にか迷っていたらしい。全く身に覚えのない道に出ていた。薄暗く、いかにも路地って感じの道だ。後ろを振り返るが、そこにあるのは一本の狭い道と生暖かい排気口ばかり。

「なんだここ.....?」

自分が迷っていたことにも十分驚くが、そんなこととは比にならないぐらいの熱風を感じ我に返った。メラメラと滾る赤い炎。湧き上がる白い煙。そう、ご察しの通り僕は今絶賛火事現場に直面している。

「嘘だろ.......!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る