雲黒ミモリ達との閑話

 ある日のラヴェル、フェアリィ学園のある教室の中にて。

 今の時刻が放課後であるにもかかわらず、その部屋の中は、十数人はいるであろうフェアリィ達が、肩を並べて座っていた。


「皆さま、本日は集まっていただきありがとうございます」


 まるで円卓のように並べられた席の、そのひとつに座っている少女。

 雲黒ミモリは、神妙な顔でその場にいる全員に話しかけた。


 彼女の後ろを見ると、黒板に大きく『第34回 ウルフ・ファンクラブ特別MTGミーティング』と書かれていた。

 その文字が示す通り、ここに集まっているフェアリィ達は皆、ウルフ隊の熱狂的なファンである。

 

 ミモリが主催しているこのファンクラブ活動だが、今回の様相は通常時とは異なっていた。

 普段ならここは和気あいあいと、やれ誰が推しだ、この組み合わせが最高だなどとウルフ隊に関して熱弁、議論をする場所だ。

 生産性が無くもそれは楽しく、故に貴重な時間だと言える。

 だが今回に限っては、皆その表情は一様に重々しく、間違ってもジョークを言えるような雰囲気はない。


 ファン会員のフェアリィの一人が、ミモリのほうを見た。


「ミモリ会長、今回の議題は、やはり……」

「そうです」


 言われたミモリは眉間にしわを寄せながら、懐から一枚の写真を取り出す。

 かと思えば、それを皆に見せるため、というには過ぎた勢いで、机に叩きつけた。

 重い空気の中で、机をたたく音が部屋中に響く。


「今回の議題は、この謎の男についてです」


 酷く冷えたような声色でそう言い放った。

 その声に同調するように、その一枚の写真が他のフェアリィ達の射殺すような視線に晒される。


 写真に写っている被写体は、いつの間にか撮られていた、旧時代の有人戦闘機『トラスニク』の傍に立ち、ヘルメットを抱えた、パイロットスーツの男。


 つまり、ニッパーだ。


「ここ最近、この男がナナ様達の周りをウロチョロしているのが散見されます。一大事です!」


 話しながら怒りが込み上げてきたようで、ミモリの声は大きくなる。

 まるでそれが皮切りになったように、他のフェアリィ達も一斉に話し始めた。


「私はこの写真にあるハンガーで、ナナ様と早朝に話されているところを見ました。それも2人切りで」

「ふ、2人切り!? そんな、もうそこまでの関係に……」

「私なんて、ウルフ隊メンバー全員と、あの方達御用達のカフェに入ってくのを見たよ。ショックだ」

「えー!? そんな、ずるい!」

「なんて恐れ多いことを……」


 先ほどの静寂から一変して、部屋は喧騒に溢れかえった。

 だがそれはもはや阿鼻叫喚と呼べるような状態で、とてもではないが、平時の彼女たちからは想像もつかない有様と言えた。


「わ、私も、大変なものを目撃してしまいました」


 おずおずといった様子で手を上げ、そう発言する少女に、周りは一旦口を閉じ、彼女のほうを見た。


「その男、さ、最近入隊された、レイ様と一緒にいたのですが……な、なんと――その時のレイ様が、今まで見たことが無いくらい、泣いておられたのです」


 その言葉に、周囲は再びざわつき始めた。

 何人かが思わずといった具合に、机に身を乗り出す。


「まさかレイ様を泣かせたの!?」

「許せない……!」


 聞きかじった情報から、その時の状況を仮定し、彼女たちはニッパーに対して憤りを感じた。

 実際にレイが泣いた原因に、ニッパーは直接的な関係はないのだが、そんなことを彼女たちは知る由もない。

 仮に知っていたとしても、それはそれとして、怒りの矛先がニッパーに行くのは変わらないだろう。

 今の彼女達は、そういう精神状態だ。


「会長!」


 と、一人のフェアリィが、ミモリを呼ぶ。


「このままではウルフ隊の皆さまが、この男の毒牙にかかってしまうのは時間の問題です! 早急に対策を立てなくては!」


 そう言って、その少女は悔しさを表すように、拳を握りしめた。

 他の者たちも同様の心持のようで、ミモリからのGOサインを、今か今かと待ちわびていた。


「……皆さまのお気持ち、よくわかりました。私としても、ナナ様に取り入ろうとするこの男を、到底容認することはできません」

「おお、では!」


 ミモリはニッパーの写真を取って席を立ち、壇上に立つ。

 そして、黒板に写真を思いきり叩きつけた。


「必ずやこの男の邪知暴虐を暴き、白日の下に晒しましょう! 私たちで、ナナ様達を守るのです!」


 ミモリのその宣言と共に、部屋中に歓声が沸き上がった。

 勝利のそれではない。

 それはこれから自分たちが挑む戦いへの鼓舞。

 彼女らにとって、闘志を表すものであった。


 雲黒ミモリは思う。

 ナナ様はいつも私を守ってくれた。

 今度は私が守る番だ。

 この、どこの馬の骨かもわからない、不気味な男から。


 そう思いながら、ミモリは再び写真を手に取り、それをぐしゃぐしゃに丸めるのだった。





 *





 事後報告というのは、これ以上ないくらいにつまらなく、面倒臭い。

 コロニー作戦から一日後。

 自分の現状を鑑みて、俺は思わずそんな愚痴のようなことを考えた。


 現在、俺はハンガー近くの事務室にて、先日のコロニー作戦に関するレポートを製作させられていた。

 今俺がいる事務室は、俺にも雨風をしのげる場所が必要だろう、という理事長の計らいで、倉庫扱いされていた部屋を宛がってもらったものだ。


 ここが俺の、ラヴェルでの仕事場兼寝床ということになる。

 狭く埃っぽくはあるが、地上の仕事や生活を行う場所としては、申し分ない。

 むしろ、冷暖房付きの個室というだけで、贅沢なくらいだ。

 理事長には、あとで御礼を言う必要があるだろう。


 とは言え、だ。

 いくら良い部屋をもらったところで、事務仕事の難易度は変わるわけじゃない。

 ため息を吐きたくなる。


 と、そう思った矢先、ノックの音がした。


 誰だ?

 そう思いながら、椅子から立ち上がり、数歩歩いて、ドアを開けた。


「こんにちは」


 訪問してきたのは天神だった。

 手には、書類の束を抱えている。


「……ひょっとして、追加か?」


 そう聞くと、彼女は少しおかしそうに微笑んだ。

 表情に出ていただろうか。


「違うわ、私の。これから提出に行くから、良かったら、ニッパーのも持ってってあげようかと思って」


 なんだ、そうか。

 そう思い胸をなでおろしながら、しかし自分の書類の進捗具合を思い出した。


「それはありがたいが、すまない。まだほとんど終わってなくてな、提出できる状態じゃない」


 今陥っている状況を伝えると、彼女は怪訝そうな顔をした。


「何か難しいとこでもある?」


 そう言って、彼女は部屋に入ってきて、事務机においてあった俺の書類を見た。

 すると、途端に驚いた――というよりも、引いてるような表情になった。

 理由は、多分予想通りだ。


「……ニッパー、今一目見ただけで、書類のミスが尋常じゃないのだけれど」

「ああ」

「ひょっとして、こういうの苦手なの?」

「……その通りだ」


 認めてしまうが、俺はこういった事務作業が酷く不得手だった。

 誤字脱字、文法、文章内容、全てが最低レベルと言ってもいい。

 何度セルフチェックを行おうと、文章を見直そうと、これだ。

 常人では信じられないミスをしているとは、かつて俺のレポートを見て大笑いした23番の言だ。


 そもそもにして、ライカのテストや操縦以外で、自分が一定以上の成果を上げた業務は、一個もないと言える。

 研究所時代、レポートのミスが多すぎて、よく桂木を困らせていたことを、ふと思い出した。

 きっと俺という存在は、彼女にとってひどく迷惑だったろう。

 今更そんなことを考えても、仕様がないが。


「うん……しょうがないわね」


 天神はそう息を吐くと、おもむろに、放置してあるパイプ椅子を机に寄せた。

 ちょうど、俺が座っていた椅子と隣同士になるような位置だ。


「手伝うわ、せっかくここまで来たんだし」

「なに? いや、しかし――」

「どうせこれで無駄な時間食ってたんでしょう? ほら、さっさとやる、命令」

「……すまない」

「いいわ、こういうのはヨーコで慣れてるし」


 駆藤も事務仕事は苦手なのか。

 天神はああは言っているものの、必要以上に多忙な彼女の時間を奪うのは、あまりよろしくはないだろう。

 そうことを思いながら、俺は事務仕事を早急に終わらせるべく、天神の傍に座った。





 結果として言うと、僅か30分ほどで、書類が片付いた。

 天神の助けもあり、正確に、かつ効率よく作業をすることが出来、普段の何倍ものスピードでこなすことが出来た。


「……よし、確認OK。お疲れ様」


 最後の確認が終わり、天神は大きく伸びをした。

 あとは提出するだけだが、その前に俺も一息つきたい気分だ。


「すまない、迷惑かけたな。今度、礼をするよ」

「別に――いや、そうね。じゃあ、コーヒーでも淹れてもらおうかしら」


 そう言って、彼女は伸びをやめ、脱力する。


「構わないが、それだけでいいのか?」

「まあ、残りは貸しにしとくわ」


 言いながら、彼女は微笑んだ。

 後々どんなことを請求されるのかはわからないが、それはまあ、致し方のないことだろう。

 今更文句も出ようものか。


「了解した」


 俺はそう言い、コーヒーを入れるべく、キッチンのほうへ向かった。

 備え付けの紙コップがあったはずだ。探してみよう。


 キッチンスペースに入り、お目当てのものを探そうとしていると、再びノックの音が鳴った。

 この部屋は、天神が入ってきた外から直接入ってこれる出入口のほかに、裏口と呼べる、キッチンに備え付けられた別の出入り口が存在する。

 今ノックされたのは、その裏口のほうだった。


 何かと思いながらドアを開けた。

 するとそこには、面識のない、赤髪のフェアリィがいた。


「……どうも」


 そんな風に言ったフェアリィは、睨みつけんばかりに目を細めている。

 敵意を持った目だ。

 よく見ると、彼女の後ろにも、複数人のフェアリィがいた。

 そこそこの人数だった。

 しかして、その表情は赤髪の彼女と同様のものだ。


「失礼ながら」


 そう言いながら、赤髪は制服のポケットから、くしゃくしゃになった紙を見せてきた。

 どうやら写真のようだった。


「あなた、この写真に写っている男性で間違いないですね?」


 写真を見ると、確かに映っているのは、ライカと俺であった。

 いつの間に撮ったのだろうか?


「ああ、まあ」


 そう言うと、彼女は無造作に写真をしまい、再び目を俺に向けた。


「私、ウルフ隊非公式ファンクラブ会長、雲黒ミモリと申します。以後お見知りおきを」

「……ああ、よろしく」


 と、俺はただそう言うしかできなかった。

 知らない組織名だが、ウルフ隊の関係者だろうか?

 後ろにいる彼女らも、そのファンクラブとやらの会員なのか。


 よくわからないが、ひとつ確かなのは、彼女らにとって今の俺は敵性体である。ということだ。


「で、その会長様が、どういったご用件で?」


 何が何やらさっぱりだが、このまま考えていてもらちが明かない。

 聞くのが手っ取り早いだろう。


「用件ですか? ええ、ありますとも、大いに!」


 雲黒は大げさな身振りで、俺の問いに肯定した。

 後ろの連中も、彼女に賛同するように頷いている。

 苦手なテンションかもしれない。そう思った。


「ズバリ聞きますが、アナタ、ウルフ隊の方々と、どういう関係なんですか?」


 雲黒に聞かれたのは、なんとも曖昧で、答えにくいものだった。


 これは、どうこたえるべきだろうか?

 コロニー作戦でウルフ隊以外のフェアリィも徴収したあたり、恐らく理事長はもう、俺やライカの存在を秘匿しているわけでもないだろう。

 少なくとも、この学園内に限って言えば、そうであるはずだ。


 そういえば、と思い出した。

 以前渡された、ラヴェルの戦力配備状況の資料に、ドギー1の名前が記載されていたはずだ。

 ならば、簡単だ。

 それをそのまま答えればいい。


「ウルフ隊に限った話じゃないが、今のところは彼女たちの直属ということになっている。まあ、一時的な措置なので、あとでいくらでも変わるかも――」

「ち、直属ですって!?」


 なにやら随分俺の答えは予想外だったらしく、雲黒は目を丸くして大層驚いた。

 他のフェアリィ達も同様なのか、ざわざわとお互いの顔を見合った。


「な、なぜあなたが、そんな名誉を……」


 信じられないとでも言うように、雲黒はわなわなと震え、ついには、ドアの前にへたり込んでしまった。


「ミモリさん!」

「会長!」


 周りにいたフェアリィ達が、雲黒の身を案じて彼女の周りに集まる。

 へたり込んだ雲黒の肩を支えながら、俺を睨みつけていた。


 彼女たちが俺のことを敵視しようが、それはまあいいだろう。

 だがしかし、いい加減コーヒーを入れて戻りたいところだ。

 天神もいい加減、しびれを切らしてしまうだろうから。


「質問は以上でいいだろうか? いいなら、そろそろ失礼させてもらいたい」

「……いいえ、いいえ! あなたには一言釘を刺しておかなければなりません!」


 俺が会話を終了しようすると、雲黒はそう言いながら、震えた足で辛うじて立ち上がった。

 その弱弱しい動きとは違い、その目は一層鋭さを増し、俺を捉えている。

 すさまじい気力だ。いや執念と言うべきか。

 なぜ今の会話でダメージを受けて、何に執念を燃やしているのか、皆目見当もつかないが。


 すると、雲黒は俺を、途端に力強く指さした。

 まだ元気なようで、何よりである。


「アナタは今後一切! 少なくともプライベートでは! ナナ様達に一切話しかけないでください!」


 と、彼女はそんなことを言い出した。

 また突飛な要求だな、と思った。


「……よくわからないんだが、なぜそうする必要がある?」

「わからないんですか!? アナタごときがナナ様方と対等にお話ししようなんて、おこがましいです! あの方々にとって不利益です! 神聖さが失われます!」


 雲黒のその力説ともいえる説明に、他の連中もそうだ、そうだと合いの手を入れていた。


「ふむ」


 手を顎に当てて、考えてみる。

 そう言った可能性は考えていなかったな、と。


 フェアリィというのは、未だにどういった理由でSUに適性を示すのか、明確にはわかっていないと聞く。

 ひょっとすると精神的な作用によって、その適性値が変化するというのは、あり得ない話ではない。


 神聖さだ何だというのは正直わからない。

 しかしもし俺との会話で、ウルフ隊のフェアリィがそう言った悪影響を被るというのならば、なるほど確かに、彼女達の言う通り、無用に話しかける、と言うのは控えるべきだろう。


 そもそもにして、俺から彼女たちに話しかけるということは滅多にない。

 プライベートに限った話らしいので、そう考えると、この要請は受けても特に問題はないだろう。


「ああ、了解した」


 そう言って、俺は雲黒に受諾の意を伝える。

 すると彼女は、当然だというように、鼻を鳴らした。


「わかっていただけたようですね?」

「ああ、今後はできる範囲で、ウルフ隊とはあまり話さないように――」



「何をしているの、ミモリ」



 そんな声が聞こえた瞬間、後ろから、凄まじい圧が襲ってきた。

 雲黒たちが、俺ではなく、俺の後ろに視線を向け、驚愕と恐怖が混ざった表情をしていた。

 何事かと思い、ゆっくりと後ろを振り返ってみる。


 すると、そこには天神がいた。

 待たせすぎたのか、凄まじく不機嫌そうな顔をしている。


「な、ナナ様? なぜ、このようなところに――」

「ミモリ」

「は、はい!」


 雲黒は天神に呼ばれた瞬間、それはそれは見事な気を付けをしてみせた。

 そんな彼女を、天神はまるでヘビのように睨みつける。


「何だか騒がしいと思えば。ニッパーに変なことを言っていたわね、ウルフ隊と話すな、とか」

「そ、それは……最近、この男がウルフ隊の皆様に悪影響を及ぼしていると聞き及んでいたので、釘を刺しておこうかと――」

「誰がそんなことをしろと言ったの?」


 天神は俺の横を通り抜け、雲黒に近づいた。

 目の前にまで近づいたところで止まり、彼女は雲黒を見据えた。


「誰と話すかは私が自分で決める。それをアナタに横からどうこう言われる筋合いはないわ」

「で、でも」

「私は彼を信用している。アナタが言うような不利益はないと判断したから、こういう関係になっている。余計な口出しをしないで」


 天神のその言葉を聞くと、雲黒は目を見開いて、打ちひしがれたかのような表情になった。

 表情筋のやかましいやつだ。


「……わかりました」


 すると、雲黒は弱弱しく呟いた。

 それを見て、天神は安心したように、息を吐いた。


「はあ、わかったならいいのよ。もう変なちょっかいみたいなことはしないで――」

「まさかもう、恋仲にまで発展していたなんて、私たちはお邪魔だったってことですね……!」


 と、雲黒は突拍子もないことを言い出した。


「……は?」


 天神は目を丸くして、狼狽えていた。

 その瞬間、先ほどの圧が嘘のように消えた。


「でも私、諦めませんから! その男のことは、絶対認めませんからね!」

「は? いや、ちが……ちょっと!?」


 天神の制止も無視して、雲黒は随伴していた連中と一緒に、走って去って行ってしまった。

 なるほど、ああいうフェアリィも中にはいるわけだ。


「はあ……」


 すると、天神は心底疲れたとでも言うように、深いため息を吐いていた。

 そこまで来て、俺はなぜキッチンに来たのかを思い出した。


「コーヒーを淹れる」

「……濃い目でお願いするわ」


 リクエストを聞いて、俺はキッチンへと戻る。


「あ、ニッパー」


 すると、天神は俺のほうに振り向いて、俺を呼んだ。


「さっきの子たちが言ったこと、全部気にしないでいいから。変に私たちと接触を減らそうとなんて、しなくていい」

「ふむ、了解した」

「……その、恋仲だどうだって言うのも、気にしなくていいから。そんなんじゃ、ないし」


 天神はどこかバツが悪そうに、目をそらしながらそう言った。


「無論だ。そこに関しては、元から別に、どうとも思ってない」


 率直にそう言った。

 実際、俺と彼女は恋仲ではないのだから。


 そのはずなのだが、何が気に入らなかったのか、彼女は俺の答えに、納得いかないように眉を顰めた。


「……それはそれで腹が立つのだけど」


 どうしろと言うのか。

 そう聞いたところで、明確な答えは返ってこないだろう。

 最近、そういうことが少しだけ、予測できるようになった。


 これ以上の問答は必要ないと判断し、コーヒーを淹れる作業に戻る。

 なんだか、いやに脳を使う時間だった。

 少し休もう。温かいものを飲んで。


 望むものを手に入れるため、ポットに水を入れ、ボタンを押した。

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