第77話 比喩
「というわけで今日は何をする?」
ゴキブリから逃げ帰ってきた日の、次の日の朝、ベッドの上であぐらをかきながら、同じくベッドの上で伸びている3人にそう聞いた。
昨日は大会のあと祭りに行ったりしたが、今日は朝から遊び放題だ。
「ちなみに俺は熱海サンビーチ行きたい」
俺の中で熱海と言ったら水族館と海、魚介みたいな所があるので3人にそう提案した。
「ただ水着が見たいだけならいくらでもここで見せるっすよ?」
「そんな下心ない……とは言い切れないが、俺は純粋に海上アスレで遊びたいだけだ」
「言い切れないんっすね……」
正直言うと、女子の水着は男のロマンが詰まってるんだから見たくないわけがない。
めちゃめちゃ見たい。
多分、3人が海辺を水着でじゃれあっている姿は何時間でも眺めてられると思う。
「私も海上アスレ行ってみたいっす」
「あーしも賛成」
「私も賛成ね、海上アスレおもしろそうだし」
揉めると思っていたが意外とあっさりと遊び先が決まった。
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「人多すぎて熱中症になりそう」
「誰か防水のスマホケース持って無いっすか?」
「あそこの海の家に売ってると思うけどなんで?」
「写真、私たちここ来てからほとんど写真撮って無いじゃいっすか?だから今日はいっぱい写真撮りたいな〜って」
「あ、買いに行くなら私のも買ってきて〜」
「分かったっす〜」
優葉が財布を持って海の家に走っていった。
俺と矢吹はロッカーにスマホを置いていくつもりなので写真は2人に任せるとしよう。
「買ってきたっすよ〜!」
数分待っていると、優葉が帰ってきた。
「これっすよね?」
「そ〜これこれ」
優葉の買ったケースとニコニコで冬樹が受け取った。
「じゃ、また着替えてから会いましょ〜」
「また〜ね樹くん」
「おう、またな」
必要な物が全部揃ったので、俺たちは更衣室に入った。
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「あんな事やってても、やっぱ可愛いんだよな、あの3人」
秒で着替えを終えてビーチ戻りから、こちらに歩いてくる3人を見ていると自然とそんな言葉が口から出た。
「樹く〜ん」
「待った?」
「待った待った、首を長くして待っていたよ」
「長くなったのは樹くんのち◯こでしょ」
「シナリオ通りに行かなかったからっていきなり刺さないで」
矢吹を少し揶揄ったら、思い切りぶっ刺された。
それを言われて、何気に冬樹と優葉も俺の股間をチラ見するの辞めてほしい。
そんなに見られると前屈みにならざるを得なくなりそうになるから。
「じゃあアスレ行くか!」
「冬樹はアスレから落ちない様に気をつけろよ、泳げないんだし」
「溺れたら、3人とも、その時は頼むわね」
「アスレやる前から不安になる様なことを言わないで!」
そんな軽口を叩きながら俺たちは海上アスレへと移動した。
「うわぁ!(バッシャーン)」
そして矢吹と冬樹が動画を撮る中、海上アスレに踏み入れて早々俺は足を滑らせて海にドボンした。
「動画撮っておいて正解だったわ、傑作よ、プククク」
「そんな事言ってないで俺を引き上げてくれ!」
「はいはい」
差し出された矢吹と優葉の手を掴んで俺は海から這い上がった。
そしてその後ろで冬樹がずーっとスマホをこちらに向けている。
「冬樹ずっとカメラ回してる、うぉっ!」
「樹君だけ転び過ぎじゃないっすか?」
その後何十回と足を滑らした俺は、立つ事を諦めて4足歩行で移動していた。
「見た目があれっすよ、妖怪っす、海で女子高生の足元這いずり回ってお尻覗き込んでくる妖怪」
「最悪な妖怪が居たもんだな」
「その名も妖怪、女子高生のお尻フェチクソ変態野郎イツーキ」
「ボロクソ言われるやん、俺、あとお尻フェチじゃないしな」
ここは重要なので否定しておく。
俺は圧倒的おっぱいフェチだ。
「じゃあ何フェチなのよ」
「ノーコメントで」
「あー、おっぱいフェチなんだ、おっぱいフェチ変態クソ野郎」
「酷い言われよう」
「樹君、女の子にとって貧乳がどれだけ大きな問題か分かるっすか?男子で言う、短小包茎と同じくらい大問題なんっすよ」
「もっとマシな表現は無かったのか……」
胸の話になるとスイッチが入る矢吹と優葉だった。
後書き
疲れて寝てたこの時間でした、すみません
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