第61話 飲み会 男性陣

「名前、イツキであってる?」


「はい、合ってます」


シェリーの発案で男女分かれて座ることになったのだが、俺は今めちゃめちゃ緊張している。


エドウィンとバズとは初対面なので、何話せば良いのか分からない。


dolphinとならRITの話で盛り上がれるが、エドウィンとバズは名前はなんとなく聞いたことがあってもプレーも何も知らないので話しようがない。


「失礼します、ジンとウォッカと赤ワイン、コーラです」


お互いが口を噤んでいて、気まずくなりそうになったタイミングで店員さんが俺たちの頼んだ飲み物を持って来た。


部屋に、ジンとウォッカから漂う強烈なお酒の匂いが充満した。


匂いだけで酔ってしまいそうなレベルだ。


「カンパイ!」


「「「カンパイ!」」」


取り敢えず乾杯して、俺はコーラを一口飲んだ。


その横と正面で、dolphinがウォッカ、バズがジンを勢い良く飲んでいる。


2人が度数の高い酒をがぶ飲みしていると、エドウィンが少し心配そうな声で2人に話しかけた。


「大丈夫なのかい?明日二日酔いになってしまったら困ってしまうんだけど」


エドウィンの心配はもっともだ。


「大丈夫さ、いつもこれくらい飲んでいるだろう?」


「はぁ」


だが、dolphinとバズは二日酔いになりにくいらしい。


エドウィンの心配する声を無視して、口にお酒を流し込んでいる。


「かぁ〜〜」


「いや、飲むの早すぎだろ」


思わず俺はそう突っ込んでしまった。


ちょっと前に興味本位でちょびっとお酒を口にしたことがあるのだが、口の中をよく分からない感覚に襲われ気持ち悪くなってしまった。


それをこの勢いでがぶ飲みしたのだから突っ込みたくもなる。


「私はお酒に強いのでな、ハハハ!」


「俺も強いから大丈夫だな、ハハハ!」


「エドは心配だよ……」


エドウィン一人称エドなんだ。


なんでか分からないけどしっくりくるな。


「この調子でどんどん食べて飲もう!今日は私の奢りだからな!ハハハ!」


dolphinはもう酔ってる感が否めない。


雲行きが少し怪しくなった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


………10分後


「樹君はどうなんだい?あんな可愛いジャパニーズ達に囲まれて?ファックしたいとは思わないのか〜い?」


「もし俺がイツキだったら、我慢出来る気がしないぞ!ハハハ!」


dolphinとバズはベロンベロンに酔っていた。


隣の部屋にお客さんが居ないのが分かっているからいいが、バズは結構大きな声で下ネタ言ってくるし、dolphinは俺の腕を掴んで離さない。


「エドウィンさん!やっぱりこの2人お酒弱いじゃないですか!」


「あらやだ、エドにそんな大声上げないでぇ〜」


悲報 エドウィンさん、お酒に酔うとおねぇ化することが発覚。


あとエドウィンさん、あなたお酒弱くない?


あなた赤ワインしか飲んで無いよね?


バズとdolphinくらい酔ってるけど大丈夫?


金髪イケメンで筋骨隆々のおねぇが1人、ベロンベロンに酔って呂律が怪しいの2人。


現場はカオスだ。


「樹君はろうなんだい?はまん出来てるのかい?」


「あ、もうこの人ダメだ、呂律が回ってない」


「大丈夫さ〜、私はまだまだシラフだぞ〜」


「俺も〜」


どっからどう見ても酔ってる人に限って、自分はシラフだと主張したがるのは何故だろうか?


「イツキ〜、どうなんだ〜い?我慢出来てるのか〜い?」


「実際、我慢出来てるかは怪しいラインです」


「お!!もうヤることヤっちゃったのかい!?」


「じゃあ君は経験者なの?ならエドのアナー」


「掘れないから!俺同性愛者じゃないから!」


エドウィンが少し暴走しかけた。


そんな下ネタ談話を横に店員がちょくちょく出入りしているが、真顔になっている


「どこまで進んだんだい!?もう全てプレイしたのかい!?」


「そこまで進んでねぇよ!!」


あの3人と全てのプレイをしたら、俺の息子が千切れてしまう。


おそらく出る物も出なくなってしまうだろう。


「ハッ、お子ちゃまだな、俺はもうーー」


「やめて!俺は人の性事情聞きたくない!!」


頼んでも無いのに、バズが1人で性事情をベラベラと話し始めた。


「樹君いい事教えてあげるよ、女の弱点はこうさ」


今度はdolphinがそう言って、人差し指と中指を曲げて何かを一気に抉り出す様な動きをした。


教えてもらって損する情報では無かったが、得する情報でも無かった。


「鮑は見た目もエロいし、味は良いし最高だな、ハハハ!」


dolphinが笑いながら口に鮑を詰め込んでいる。


「エドからもいい事教えてあげるよ!女の尻掘る時はーー」


「俺そういう趣味ない!!」


「イツキ、こいつのアドバイスは意外とためになるから聞いておけ」


急にバズが真顔になってそう言ってきた。


「そうよ、エドのアナル講座はためになるわよ!」


「講座名からして怪しさ満天なんだけど」


「樹君、エドウィンの話は聞いておきなよ、後々役に立つ思うよ」


「そんなに言うなら………」


dolphinに説得され、俺は何故か飲み会の場でエドウィンの尻穴講座を受けさせられたのだった。



後書き


次は女性陣ですね!


多分冬樹視点メインになると思います!


今まであんまり冬樹視点の話は書いて来なかったと思うので!

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