第47話 ハーレム4P
「はぁはぁはぁ」
「いつ、き、くん………」
「ふぅ…ふぅ………」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「俺は……あの後何をしたんだ……」
俺は謎の身体の火照りと性欲の波に飲まれた後、記憶がほとんどない。
気付いた時には俺のベッドの上に4人で寝ていた。
そして3人の服装は、俺に詰め寄ってきた時と変わらず下着のままだ。
「うわ…なんか濡れてる……」
体勢を変えようとベットに手を着くと、手にヌメヌメとした変な液体がついた。
「マジで俺は何をしたんだ……」
うっすら記憶に残っているのは冬樹たちの荒い呼吸音だけ。
「おはようっす……えぇ!?なんで樹くんが私のベッドに居るんっすか!?」
突然、優葉が目を覚ました。
「おはよう、ここ俺のベッドな」
「え?あ、ほんとっすね」
普段の優葉なら、下着姿で俺に詰め寄るなんて事をした後は恥ずかしくて会話もしてくれないはずだ。
でも今、普通に会話している。
もしかして優葉も、何も覚えていないのだろうか?
「優葉?俺たちってさ、さっき何してた?」
「さっき?あ………………ネテタッスネ」
何かを思い出したかのような間の後、カタコトでそう言った。
「絶対、何か思い出したよな?」
「オモイダシテナンカナイッス」
そう言って、優葉は「教えるつもりはありません!」とばかりに口にチャックをしてしまった。
こうなってしまうと、優葉の口から聞く事は不可能だろう。
しかしそれ程、俺に言いたく無い事なのか………
余計に気になってしまった。
「カサカサッ」
俺の後ろでベッドのシーツが擦れる音が聞こえた。
「「ゲッ………」」
「なんでそんな反応するの??」
矢吹と冬樹がそそくさと自分のベッドに帰ろうとしている所だった。
俺がそれを見ると、まずいものに見つかったかの様な声を上げて固まった。
「3人ともどうしてそんなに気まずそうな表情してるの?」
「「「なんでもない………」」」
どう見ても何でもない訳がない。
冬樹が気まずそうな表情をするってことは相当な事をやらかしたのだろう。
「あとさ、服着て」
「え?きゃぁぁ!!」
言わずもがな、この会話をしている間3人とも下着姿だ。
水着と露出度的にはほぼ変わらないとはいえど、シチュエーションと下着のガラ的にかなり問題がある。
しかし不思議な事に俺の息子は萎れたままで、興奮のコの字もない。
まるで絞り出されて力尽きてしまったかの様だ。
「「「着たよ」」」
そんな事を俺が考えている間に3人とも半袖の寝巻きを着直していた。
優葉と冬樹は気まずそうな顔をしていて、矢吹は凄く疲れた顔をしている。
「じゃあ、さっきまで俺たちは何をやっていたのか教えてくれ」
「え?覚えてないの?」
「記憶が完全飛んでて、何も覚えてない」
「なら、知らない方が良いわよ」
「その発言、恐怖しか感じないんだけど」
人生知らない方が良い事が幾つかあると言うが、そのうちの1つになる事を俺はやらかしてしまったのだろうか?
ヌメヌメした液体といい、謎が深まるばかりだ。
「ところでさ、優葉ちゃんと樹君。あのお粥に何の調味料入れた?」
「塩と、オイスターソースらしき物」
それ以外は何も調味料は入れていない。
間違えて何かを混入したはずもないので、これ以外の物が混じっている事はないだろう。
「オイスターソースらしき物………それってさ、(元気になる調味料)みたいな事書いたラベル貼ってなかったかしら?」
「……………あ、あった」
確かに(元気になる調味料!!)みたいな事が書いてあった。
でも色が完全にオイスターソースだったから、特に気にせず入れてしまったのだがそれが何か問題だったのだろう。
「はぁはぁ動悸がしてきた………」
冬樹が手を震わせて、頭を抑えている。
「あれ、何?」
「媚薬!私が一生懸命探した高級媚薬!!!!」
「ほ〜………なんてもんを買ってんだ!!」
全てが繋がった。
あの謎の身体の火照りも、性欲も、全て媚薬が原因だったのか!!
謎が解けた感じがしてスッキリした。
「ここまで聞いても樹君は何をしたか分からないんっすか?」
「モヤモヤが晴れてスッキリしたな〜としか」
「股間がスッキリしたな〜とは感じないんっすか?」
「……………」
言われてみればそうだ。
ここに引っ越してきてから、ロクに性欲を発散出来ていなかったので俺は限界を迎えて半分仏になりかけていた。
しかし、その溜まりに溜まった性欲が今は完全に消え失せている。
そして横にある、粘性の液体。
よく見ると他のところにも、シミっぽいのが幾つかある。
既に嫌な予感しかしない。
「なぁ、俺たちは本当に何をしたの??」
俺は意を決して、冬樹にそう聞いた。
「ハーレム4Pよ」
「………だよな」
予想通りの答えが返ってきた。
後書き
昨日はバレンタインでしたね、読者の皆さんは貰えましたか?チョコ。
作者は勿論のこと、0です。
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