第39話 夏だ!海だ!水着だ!

「………あ、海行きたい」


打ち上げを終えて家に帰り、RITをやっていると冬樹が呟いた。


RIT内の世界で砂浜にいるので行きたくなったのだろう。


日中はかなり気温が高いので海に行くには良い頃合いだ。


「行っても良いんだけどさ、ナンパされない?」


「樹君が?とんだナルシスト変態男だね」


「違う!冬樹たちの事だ!あと、俺はナルシスト変態男じゃない!」


矢吹が切れ味のある言葉を言ってきた。


よくこんな言葉がツラツラと出てくるな。


それはさておき、俺が気にしているのはナンパだ。


冬樹たちはいうまでもなく美少女だ。


ラウンドワンの時は周りが打ち上げとかで仲間内で盛り上がってる人が多かったから、ナンパはされなかったが海となると話は別だ。


これは完全に偏見なのだが、ナンパ目的で来てるやつが多そう。


そして冬樹たちは真っ先にナンパのターゲットになりそう。


前にも言ったが、俺はボクシングを習っていたのもあって暴力には多少抵抗出来る。


いや、今時暴力振るってくるやつは居ないか。


そう信じたい。


「私たちは大丈夫よ?ナンパとかは振り慣れてるから」


「もしミーにナンパしてくるやつがいたら、キ◯タマ蹴り潰してやるわよ」


「私には樹君がいるのでナンパされても靡かないっす!」


矢吹は本当に蹴り潰しそうなのである意味不安ではあるが、本人が大丈夫だと言っているなら大丈夫なのだろう。


それ以前に、俺がずっと側に居てナンパされないようにすれば良いか。


「じゃあ明日水着買いに行こうかしら?」


「え、冬樹ちゃん水着持ってきてないんっすか?」


「サイズが合わなくなっちゃってね〜大きいのも困るわね〜」


「へ、へぇ〜」


思ったのだが、冬樹も大概じゃないだろうか?


俺は煽るとかではなく言ってはならない事実を指摘してしまっているだけだが、冬樹はゴリゴリに煽っている。


大きくならなくて困っている人に、サイズが合わなくて困っちゃうは酷すぎる。


現に優葉が嫉妬と悲しみと羨望が混ざったような、なんとも言えない複雑な視線で冬樹の胸を見ている。


少し可哀想だ。


「冬樹…優葉の前でそんなこと言わないであげて」


「なんで?」


「なんでって優葉はひんにーイッタ!?なんで!?」


「それはフォローじゃなくて貶してるでしょ」


貶してるつもりなどないのだが、矢吹がそう言うならこれ以上言うのはやめておこう。


「樹君って意外とデリカシーないのよね〜」


「痴女に言われたくない!」


「痴女とは何よ!」


「公衆トイレで半裸になって誘惑してきたじゃん!あれで痴女じゃなかったら何が痴女なんだよ!?」


「樹君も服脱ごうとした癖に?私の胸の揉んだ癖に???」


「あれは冬樹に誘惑されたからだ!!」


何故、公衆トイレで半裸になって誘惑してきた痴女にデリカシーがないと言われなければならないのだろうか?


とはいえ俺もデリカシーがあまりないのは確かだ。


だが、冬樹ほど無いわけではないのも確かだ。


「樹君がノンデリ男、冬樹ちゃんが痴女なのは事実なんだから良いでしょ」


「「良くない!!」」


「はいはい、じゃあいつ水着買いに行く?」


また雑に流された……


不服だがこれ以上言い合っても、不毛な争いなので何も言わないでおこう。


「私は買いに行かなくていいのでどうぞ3人で…ハハハ……」


優葉がガチ凹みしてしまっている。


「優葉ちゃんももしかしたら大きくなってるかもしれないから一緒に行こう?」


「でも、雫ちゃん中学の時の私の胸の大きさ知ってるっすよね?」


「知ってるけど……うん、大丈夫、一緒に行こう?」


おい、矢吹。


お前のフォローもまあまあ酷くないか?


何が大丈夫なのか分からないし、あの間が中学から胸が成長してないのを暗に認めてるぞ。


「良いすよ!別に!樹君にこれから大きくしてもらう予定っすから!」


「大きくなると良いわね〜」


「ちょっと冬樹は喋らないで」


もう煽ってるようにしか聞こえない。


それどころか、意図的に煽ってるんじゃないだろうかとまで思っている。


「じゃ、水着は明日買いに行くで決定。海はいつ行く?」


「明後日雨っぽいから明日で良いんじゃないかしら?」


冬樹がスマホをいじりながらそう言った。


水着買ってそのまま、海に行く感じか。


「逗子(ずし)海水浴場でいいかしら?」


逗子海水浴場は神奈川県にあって、ここから1番近くて綺麗な海だ。


あと、優葉と小学生の頃に行った海でもある。


「そういえば樹君、私たち2人で逗子海水浴場行ったっすよね?」


「ね、懐かしい思い出だよ」


どうやら優葉も覚えていたらしい。


9年以上前の出来事なのですごく懐かしく感じる。


あの時は俺も純粋で邪な思いを抱くことが無かったので楽しかった記憶がうっすらとあるが、今回はどうなるだろうか。


服越しでも、冬樹の胸に欲情している俺が耐えられるか些か不安である。


「じゃあそろそろ寝るか〜」


時間はもう11時過ぎ、明日朝早く出るならそろそろ寝てもいい頃合いだろう。


あとこのまま優葉のおっぱいマッサージも逃れtーー


「樹君はまだ私のおっぱい揉んでないので寝れないっすよ、思い出話も兼ねて揉んでください」


「じゃ、ミーたちは寝るわね」


「おやすみ〜」


そして今日も、優葉のおっぱいマッサージから逃れることは出来なかった。


後書き


何故か作業用タブレットでログイン出来なくなってしまい更新できませんでした😭


すいません😭

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