番外編 優葉、動画編集の裏
噂を流す前日の夜……
「うーん、樹君に嫌でも責任取らせる方法………」
「優葉ちゃん、良い考えがあるわ」
そんな事を呟いていると、横から冬樹ちゃんが話しかけてきた。
「既成事実を捏造してしまえば良いのよ」
「どういうことっすか?」
既成事実を捏造する……どんなふうにやるのだろうか?
「たとえば、優葉ちゃんが樹君とヤッている風に写真を編集してそれを樹君に見せる。寝込みを襲われたといえど、ここまでしてたらもう引けないでしょって思わせれば良いのよ」
「ほうほう、それ良い考えっすね」
それは思いつかなかった。
「ポ◯ノハブとかから画像引っ張ってきて、その一部分を編集して優葉ちゃんの顔を当てはめれば良いの」
学校で男子がそんな単語を使っているのを聞いた事があるが、それが実際どんなものか私は知らない。
でも冬樹ちゃんは知ってるみたいだ。
「ポ◯ノハブって……どんなのっすか?」
「え!?まさか優葉ちゃん今まで見た事無かったの!?」
なんでだろう?冬樹ちゃん凄い驚いている。
口ぶり的にみんな見た事があって当然のものなのだろうか?
「ないっす………」
「そういうのも見た事ないのに、樹君に処女あげるとか言ってたんだね………」
「何をするかは知ってるっすよ?でも、見たことはないっす」
「じゃあ良い機会ね!見てみましょう!!」
冬樹ちゃんがルンルンでゲーム部屋に向かっていき、パソコンを起動した。
そしてGooglaに「ポ◯ノハブ」と打ち込んで検索をかけ、1番上に出てきたサイトをクリックした。
「わわっ!」
すると画面には突然たくさんの女の子の裸が出てきたのだ!
「うーん、どれが良いかしらねぇ」
私が顔を隠してるのをよそに、冬樹ちゃんがカチカチとパソコンを操作している。
冬樹ちゃんはこういうの見ても平気なのだろうか?
すると、突然冬樹ちゃんは私と同年代くらいの女の子が、男にしかついていないアレを舐めているサムネイルの動画をクリックした。
「優葉ちゃん、今から見せるのは優葉ちゃんが樹君としようとしてた事だからよく見ててね」
「はいっす」
そう言われたので、恥ずかしかったが私はパソコン画面に目を向けた。
「わぁ………」
動画スタート早々に、女の子が誰かに馬乗りになって喘いでいるのが分かった。
よく分からないが気持ち良さそうだ。
「こういう事を優葉ちゃんは樹君にやろうとしてたのよ?」
「へ、へぇ〜………」
「恥ずかしいでしょ?」
まさか私がこんなにエッチな事をしようとしていたとは。
知識として知っているのと見てみるのでは大違いだった。
「でも樹君とならしてもいいっす……」
「なら、既成事実を捏造して樹君に受け入れてもらいましょう!」
「そうっすね!」
「じゃあちょっとこのサムネイルを編集しようかしらね」
そう言って、冬樹ちゃんは女の子がアレを舐めている画像を保存して別なアプリを起動した。
「じゃあ、まずは素材を撮りましょう!」
「素材?」
画像編集の素材を撮るというのはどういう事だろうか?
「優葉ちゃんの顔写真を上手くこの女の子の顔に嵌め込むの」
「既成事実の捏造ってそういうふうにやるんっすね…」
「これを画像の女の子みたいに舐めてみて」
冬樹ちゃんはポケットから棒状のプラスチックでできた何かを取り出した。
これを画像の女の子みたいに舐めるのか……
私はそれの半分くらいが口の中に入るように咥えた。
「凄い良い感じよ!優葉ちゃん!!」
そしてその状態で冬樹ちゃんがスマホで写真を撮った。
「もう良いわよ、それ使ってるやつだから汚いだろうし」
「使ってるやつ……?」
よく分からないが、とりあえず写真は撮り終わったようだ。
「画像の編集は私に任せて!」
すると冬樹ちゃんはさっき撮った私の顔を切り抜いて、画像に移植した。
「あとはこうやって………」
あの女の子の顔にきれいに私の顔が被さった。
そして、私の顔の一部分を消したり、少し色を変えて陰影を付けたりしてあたかも私がアレを舐めているかのような画像の出来上がった。
「これを樹君に見せてあげなさい!」
出来上がった画像を私のスマホに送ってきた。
周りの色とかが違うのでバレちゃうかもしれないが、よくみないと分からないので大丈夫だろう。
そして私はルンルンでその画像をスマホに保存したのだった。
後書き
遅くなりました……
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