第11話 初っ端からやらかしていくスタイル

「…………じゃあ、荷物置きにいこう」


部屋に入ってなんとも言えない気まずい空気のなか立っていると、引っ越し業者が来たので俺たちは荷物の起き場所を伝えに行った。


「多くね………?」


アパートの前には4台のトラックが停まっていた。


「じゃあ、ベッドは………どこに置けばいいんだ?」


周りを見ても個人部屋らしき扉はなく、恐らく洗面所と風呂、寝室の3つしか部屋がない。


「個人部屋ないから、ベッドはみんなあの部屋!」


「同じなの!?」


悲報、個人部屋あると思ってたら無かった。


普通にみんな同じ部屋で寝るってヤバいだろ。


一応俺だって健全な男子高校生だ。


自分でもなにをやらかすか分からない。


しかし、寝室が1つしかないので別なところで寝れるわけもなく俺はベッドを冬樹に言われた部屋に置くように言った。


幸い冷蔵庫などの必需品は元々設置されていたので、程なくして全てのものが部屋に運び込まれた。


これでようやくまともに生活出来る環境になった。


勿論、もう一度1つの部屋にPCも設置されてるぞ。


まだ時間は6時半くらい。


さて、ここから何をするか………


「ぐぅぅぅ~」


優葉のお腹がなった。


こいつはさっきから身体から色んな音出すな。


「お腹減ったっす」


言われてみれば、俺も学校から帰って以降何も口にしてない。


いつもはお菓子などを少しつまんでいたが引っ越し作業に追われてたし、そもそもお菓子がないのでお腹が減った。


「何もないから今日は外食にする?」


「「「さんせ〜!」」」


このメンバーで2度目の外食に出かけたのだった。


「またここにしましょう!」


流石、都会だ。


少し歩くとすぐに飲食店があった。


しかしそこには見覚えがある景色が広がっていた。


「ん!?ここオフ会した所じゃね!?」


そう冬樹が指差したのは、あの時行った財宝島だったのだ。


俺たちは焼肉しか食べてないので別のところにしようかなと思ったが、冬樹の食べる量を考えると、食べ放題出来るここが妥当だろう。


「つい数週間前に来たばっかなのになんか懐かしいっすね〜」


俺たちの原点となった場所だからな。


オフ会におかげで俺は一緒に昼飯食う相手見つかったし。


今のルームシェアは考えものだが、それを除けば良い出会いだっただろう。


「外いると蚊刺されそうだし入るか」


そう言って店内に入った時にあの時の店員さんが青い顔をしていて、なんか申し訳なくなった。


「雫ちゃんと優葉ちゃんの高校どこにあるの?」


肉を焼いている間、そんな話が出てきた。


前とは違い、一緒に住む関係になったのでゲーム以外の話が出てくるのも当然だろう。


「千葉にめっちゃ近い東京」


「東京っす」


奇跡的に2人とも学校が東京にあるらしい。


言ってながった、同波高校は東京にある。


俺はずっと神奈川から東京に通っていたのだ。


ここほど発展してるわけじゃないのであまり東京感が無いが、しっかり東京に入っている。


「じゃあ、みんな通学には影響しないわけっすか」


なんなら俺と冬樹は通学距離短くなってる。


定期券はもう切れそうだったのでお金に関しては大して問題ない。


「質問なんだけど、みんななんて言う高校?」


「道楽高校っす!」


「開明高校よ」


「まぁみんな同じくらいのレベルだね」


1人頭良い奴いるかと思ったがそうでもなかった。


全員俗に言う進学校という奴だったのでいずれ大学受験することになるだろう。


まあ俺はまだ高1なので深く考えていないのだが。


「冬樹とかって受験考えてる?」


「多少は考えてるけどね〜」


「ミーはまだ遊びたいから考えてない」


流石に冬樹たちも高2になってばっかりだから深くは考えてないか。


「あちっ!」


腕に油が跳ねてきた。


肉が焼けたよいだ。


俺の腕には油が引きつく磁石でもついてるんだろうか?


前回も跳ねてきた気がする。


それより、腹減った。


3人も目の前の肉に目が釘付けだ。


「「「「いただきま〜す」」」」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ふぅ〜。食った食った」


冬樹ほどは食べていないが、なんだかんだ言って俺も結構食った。


優葉も矢吹も相当食べている。


冬樹なんか前より食べている。


みんな引っ越し作業でお腹が減っていたのだろう。


今は部屋の中で椅子に座ってくつろいでいる。


「じゃあ今日は風呂入って寝るだけっすね!」


あ、風呂の存在忘れてた。


「誰が先に入る?暑いしシャワーになるけど」


「私は入りたいっす」


「次ミー」


「じゃあ3番目私で」


こうして自然と俺が最後になる流れになった。


「待ってる間にWi-Fiの設定しちゃおう!」


との事で設定していたのだが、


「こんなにギュウギュウになる必要なくない?」


3人で一斉にルーターのパスワードを見ようとしたせいでめっちゃギュウギュウになっていた。


俺の腕に冬樹の柔らかな双山が当たっていて、色々ヤバかったので写真を撮ってリビングに戻った。


Wi-Fiを繋ぎ俺は歯ブラシを取るため洗面所へと向かった。


「洗面所なくねえか?」


部屋を全部開けてまわったがどこにも洗面所はない。


まさか独立洗面所がないのか?


そう思ったので俺は風呂場へと向かった。


少しドアを開けて、覗き込んでみた。


「あ………」


「あ」


全裸の優葉と目があった。


後書き


今日知ったんですけど、走れメロスのメロスってマッハ11で走ってるらしいですw


マッハ11って周りに爆風が発生するので、ガラスとかが割れるそうです。


意外と設定ガバガバなの面白いですよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る