第21話 解明
人形病を蔓延させることで、ネズミ色共の「主人」は地球中の人間から精神を奪い奴隷化の下地を作った。だが、人形共はその際限ない食欲により地上の生物を意図せず殲滅。地球人口100億の奴隷を掌握した「主人」はまずは奴隷の食糧確保と供給調整に、無秩序に奴隷が食糧に手を出さないよう、あの立方体を奴隷自身に作らせた。立方体は見た目通り、奴隷を収監する檻なのだ。
なぜそんなことをするのか。人形の超常の身体機能を可能とする技術など、いかなる地球の文明でも持っているわけがない。宇宙戦争で使う兵隊や奴隷の生産拠点と考えれば辻褄が合う。だから、ネズミ色共以外に宇宙人を見かけない。牧場のオーナーとして、本拠地から現地の支配人に指令を出しているのだ。
では、どうすれば地球人の手に地球を取り戻せるのか。再生した湿地を破壊し食糧供給を断つか?そんなことをすれば地球文明再生の芽は今度こそ失われる。羊を自由にしたければ羊飼いを殺せばいいのだ。羊飼いの上に王がいるか神がいるかなど関係ない。真の主人まで遡る必要などないのだ。
ネズミ色共の支配者を殺すんだ。
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