第19話 日没
日が沈み始める頃には機械が次々と停止工程に入っていく。
機械には棺桶のような物が隣接しており、ネズミ色の1人が仰向けに寝ている。機械が停止すると寝ていたネズミ色は棺桶から出て来てどこかに歩いていく。
停止工程が完了した後、他のネズミ色は機械からやや離れたところにしゃがんだり寝そべり、そのまま動かなくなる。
照明は全くなく、月明かりでこれらの様子を観察する。
夜警のような者はおらず、死んだように静かだ。妻木がそうであったように、接触などの刺激があれば起きるのだろうが、基本はこうやって日没と共に眠る生態なのだ。作り変えられ、尋常ではない肉体を持ってても動物としてそこは変わらない。
基本が動物と同じならば、こいつらの食糧を断てば飢え死にさせられる。食糧が不要なわけがない。これだけ何もかも食い尽くしたのだ。
もしかすると、覚醒時間の全てを費やして立方体を作っているのは食糧確保のためかもしれない。自らの生存に意味のないことに時間と労力を割くわけがない。
暗くてよく見えないし私自身も睡眠が必要なのでその日の調査はここで終えた。
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