939 その清らかな乙女の認識って違くないですか?
話の流れから、再び『清らかな乙女の存在』についての話題に。
以前眞子の時には伝えられなかった意思を、今度は倉津君としてキッチリ伝える事が出来るのか?
***
「そりゃあ居ますよ。居ないで、どうするんですか」
「あぁそぉ。……因みに、そんなの居ないからね。みんな、所詮は計算だって」
ヤッパリ、この受け答えになるんッスね。
だったら、このまま、もぅちょっと話を続行してみるか。
あの時『清らかな乙女』について、完全に説明し切れてなかった様な気がするしな。
「なんちゅう事を言うんッスか!!俺にとっちゃあ、女子はみんな、清らかな乙女ッスよ!!勿論、奈緒さんもそうだし、眞子だってそうッスよ。他の女子も全員、清らかな乙女ッス!!」
「えっ?私も清らかな乙女なの?」
「はぁ?なに言ってんッスか奈緒さん?そんなの当たり前じゃないですか。俺にしたら、奈緒さんが一番清らかですよ」
ホント、なに言ってんだよ、この人は?
奈緒さん程、清らかな女性なんて、この世には存在する筈ないじゃないッスか。
世界一清らかな乙女は、貴女様ですぞ。
「なんでそうなるのよ?私、結構SEXする方だから清らかには程遠くない?」
「あの~~~、なに勘違いしてるんッスか?」
「へっ?」
「『SEXしたら清らかじゃない』なんて思うのは、古臭いアホな宗教か、処女性でしか判断出来無いアホな幻獣のユニコーン位のもんッスよ。……そう言う見方、完全に間違ってますよ」
「なんで?」
「いや、だってSEXって神が認めた自然の摂理なんッスよね?じゃあ、なんで神が認めた行為をしたら清らかじゃなくなるんッスか?そんなの、根本の部分からして、おかしいじゃないですか。それにSEXは、子供を宿す為の行為だから、寧ろ聖なる行為なんじゃないッスかね?」
「あぁそうだね。言われてみたら、確かにそうだね」
「そうしょ。だからッスね。本来の清らかって言うのは精神性の問題。所謂、心の問題なんッスよ。だから、どれだけSEXしてようと、その人の気持ちが純粋であるならば、それは清らかなんじゃないッスかね?娼婦をしてる人だって、気持ちが綺麗なら、それは清らかな乙女なんじゃないかなぁって、俺は思うんッスけど」
だって、そうだろ。
SEXしてなくても、心の汚い女なんか世の中には履いて捨てるほど居るんだからよぉ。
そんな杜撰な精神の者に比べたら、沢山SEXしてても、心の綺麗な人の方が断然清らかな乙女になるんじゃないッスかね?
俺は、そうだと思うんッスけどね。
つぅか、なんかそう言う所だけ、世間の観点ってズレてんだよな。
『処女だから』って『清らかだ』とか思ってる馬鹿が多すぎるんだよな。
特に女の子が勘違いし易い点でも有るな。
***
―――ちょっとだけサイド眞子。
「ヘぷちん!!」
「んあ?なんだオマエ、風邪か?」
「わかんない。なんか知らないんだけど。最近よくクシャミが出るんだよね」
「そっか、気をつけろよ」
「あぁうん。でも、今は崇秀で暖かいから大丈夫だもん」
「あっそ」
なんか最近、矢鱈とくしゃみが出るんだけど、何処かで私の悪い噂でも立ってるのかなぁ?
もしそうなら、誰だろうね?
***
「……っと言う訳なんで、SEXと、清らかの間に関連性は殆どないんッス。まぁ勿論、そんな話を抜いたとしても、俺にとっちゃあ奈緒さんは世界一清らかな乙女なんッスけどね」
「はぁ~~~、そんな風に見れるもんなんだね」
はい、十分にして見れますけど。
いや、それ以前に、奈緒さんを清らかに見れない理由なんて、何処にもないっすよ。
それが、なんかおかしいッスかね?
「いや、見るもなにも。現実的に見ても、奈緒さんは凄い純粋な人だから、俺にとっちゃあ最高に清らかな人ですよ」
「あの……でも、それってさぁ、クラ。自分に都合が良いだけの女って事じゃないの?」
「まぁ、それも一理あるのかも知れないんッスけど。一生懸命、嘘偽りなく恋愛をしてる人って、凄く輝いてるじゃないッスか。それも1つの純粋な気持ちだと思うんッスけどね」
違うか?
俺は、絶対にそうだと思うけどな。
「ははっ……まいったなぁ。けど私は、クラが思う様な純粋な人間じゃないよ。ただ単に、クラに逢いたい気持ちが抑えられてないだけの女。そう言うんじゃないんだよね」
「そんな事ないッス。そんな奈緒さんを見て、清らかじゃないなんて思う奴はクズっすよクズ。そんな心の汚れた人間の見解なんて無視すりゃあ良いんッスよ。その証拠に俺は、奈緒さんが傍に居てくれるだけで、いつも幸せな気持ちに成れるッスからね」
「でも……」
「此処には『でも』なんてものは無いんッスよ、奈緒さん。そう言った癒しは、清らかな人間からしか感じられないものなんッス。だから、これ自体が、清らかだって良い証拠じゃないッスか」
「はぁ……もぉ君だけはギャフンだよ。まいった。本当にもぉ、なにも反論出来ないよ」
なにがッスか?
なにを怒ってるんッスか?
……っで、なにが、ギャフンなんッスかね?
「なにが、ギャフンなんッスか?」
「ウグッ!!この天然男だけは……」
「あれ?天然って言われるって事は……なんか、また余計な事言いましたか俺?」
「言ってない、言ってない。君にとっての当たり前の事が、余りにも衝撃的だっただけだから……ホント、君と居たら退屈しないよ」
「そッスか?だったらOKッスね。奈緒さんに退屈されたら、俺、別れられちゃいますからね」
「ははっ……そう言えば、そうだったね」
なんか笑いが引き攣ってるぞ。
でも、最低限笑ってるって事は、退屈じゃないって事……だよな。
「あぁ、それはそうとしてさぁ、クラ」
「あぁ、はい、なんッスかね?」
「……Hしよっか?」
「ブッ!!」
なんでいつも、そんな、なんの脈絡もなく、そう言う事を平然と言うッスかね、貴女は!!
そこまでの心理に行き着く行程は、全部無視ッスか?
急に、そんな事を言うからビックリしたじゃないッスか!!
……って言いながらも。
その言葉を聞いた瞬間には、俺の下半身についてる棒が反応して、思いっ切り立ちやがったけどな!!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
此処は倉津君の言う通り、世間での『清らかな乙女』の認識が、妙におかしいんですよね。
『処女だから清らか』だとか『SEXしたから清らかじゃない』とか、本来、そこの問題って言うのは大した問題でもないのに、何故か重要視されてる。
これって『神様に生贄を捧げてた時代』から、何も進歩もしていない認識なのかもしれない証拠かも知れませんね(笑)
さてさて、そんな中。
それを聞かされた奈緒さんは『自分をそんな風に思ってくれてる倉津君』に対して、なにやらスィッチが入ってしまった様な感じなのですが。
隣の部屋には素直ちゃん達が寝てるんですが……大丈夫なんですかね?(笑)
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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