933 おい、まさか、オマエ等……

 毎度の愚痴を零しながらも、帰宅したら組が騒がしい。

そして組の騒がしい原因が、素直ちゃん達の来訪だと聞かされ大慌て。


これは世間的にも不味いっと感じ、慌てて説教をしに自室に入って行ったら、そこで何故か銃声の様な音が!!


***


「「「「お帰り倉津君♪」」」」

「なんだ?今、どこからともなく発砲音が聞こえたぞ!!」

「どこだ?何所の組が押しかけてきやがった!!」

「倉津組をなめた野郎共に、血の報復を!!」


オンドレ等アホか!!

『お帰り倉津君♪』じゃねぇわ!!

しかも、なんの音かと思えばクラッカーとか……

オマエ等ねぇ、夕方過ぎの暗くなってきてる危険な時間に、ヤクザの家で、無防備にクラッカーの音を鳴り響かせてんじゃねぇよ!!


此処は、ヤクザの組の本家だからな!!

そう言う音には過敏に反応するんだからやめろよな!!


コイツ等、不用意になんちゅう事してくれんだよ。

その発砲の音に似た音と共に、どこかからのカチコミと勘違いしたウチのアホ組員共が騒いで、組の中を騒然とさせてるじゃねぇかよ。


もぉ、マジで勘弁してくれよぉ。

罷り間違っても、此処でクラッカーなんか鳴らしてんじゃねぇよ。



「お~~~い!!お~~~い!!なんでもねぇから!!今のはクラッカーの音だからな!!心配すんなよ!!他所の組の、ややこしい事じゃねぇからな!!心配すんなよ!!」

「あぁ、そうなんッスか?」


……っと言いながら、近くに居た若い衆を捕まえて事情を説明。

取り敢えず、事無きを得る事は出来たが……心臓に悪いから、マジで勘弁してくれ。


組自体が大事になるところだったじゃねぇかよ。


勿論、そんな訳なんで、組員に話を付けた後、俺は部屋に踵を返して、素直達を……怒る!!



「アホかオマエ等!!なに考えとんじゃ!!此処ヤクザのお家だからな!!そう言う音には、必要以上に過敏に反応するからヤメロっての!!」

「あれれ?お祝いして上げてるのに、なんか怒られたよ~~~」

「コラ~~~、真琴君、そんなに怒っちゃらめれすよ~~~」


『パン!!』



「あはっはっははは……」

「なんだ、なんだ?今度こそ発砲の音が聞こえたぞ!!」

「どこだ?何所に打ち込まれたんだ?何所の組が押しかけてきやがった!!」

「倉津組をなめた野郎共に、血の報復を!!」


だ~~か~~ら~~~~!!笑いながら、なにしとんじゃオマエは!!


さっきから、心の中でヤメイって散々言うとろうが!!


ちょっとは場の空気ってもんを汲み取れ!!


そんな訳でだ。

俺は再び踵を返して、近くに居た奴を再度ひっ捕まえて、またまた説明をする羽目になった。


つぅか、なんなんだよ、この嫌な天丼は?



「大丈夫だぞ!!今のもクラッカーの音だからな!!全然大丈夫だからな!!」

「あぁ、そうなんッスか?」


ハァハァハァハァ……馬鹿じゃねぇのか?



「オイ、素直!!クラッカーはヤメロって言ってんだろ!!」

「ごめんなさ~~~~い。もぉ鳴らしませんから許し下さ~~~い」


あれ?なんだ?この素直の妙に呂律の回っていない様な口調は?

しかも、この素直の口からは、なんとも嗅ぎ慣れた匂いがするんだが……



「おっ、おい、素直。オマエ……まさかとは思うが、この状況で酒を飲んでんじゃねぇだろうな?」

「大丈夫れすよ。ちょっと、らけれすから。そんなに沢山飲んでないれす」


かぁ~~~!!

飲んでる処か、既にロレツが廻ってねぇ位のレベルでヘベレケになってんじゃねぇかよ!!



「良いじゃ~~ん。良いじゃ~~ん、真琴。真琴も、早く一緒に飲もうよ。お祝い、お祝い♪」


今度は、伊藤がコッチに擦り寄って来て。

素直を押し退けて、俺に腕を絡めながらピタッとくっ付いてきやがった。


オイオイ、オマエもかよ……



「オイオイ、その調子だと、まさか伊藤まで……」

「早く、飲みりゃんせ、真琴様ぁ~~~。それとも、ワッチの薦めるお酒が飲めないって言うんでありんすかぁ~~~?連れないでありんすなぁ~~~」


今度は木根か……



「オイ、コラ、木根!!絡むな!!」


オマエ等なぁ……揃いも揃って、俺が居ない間に、人の家に来て勝手に酒盛りしてんじゃねぇぞ!!

その上、ガンガンに酔っ払ってんじゃねぇよ!!


なにを考えとんじゃ!!



「まぁまぁ、そう怒りなさんなっての。真琴、アンタの帰って来るのが遅いから悪いの」

「オイオイ、まさか、由佳まで飲んでるんじゃねぇだろうな」

「飲んでるよ。真琴が、全然帰って来てくれないから、待ちくたびれて、みんなで先に飲んだんだから、飲んでるよ。でも、此処怖いんだから、飲まなきゃやってられないっての」

「そうれすよ。みんな嬉しくて、此処に来たって言うのに、いつまで経っても真琴君が帰って来ないもんれすらから、先に飲んじゃったんれすよ。……何所で浮気してたんれすか?3B-GUILDの女の子を待たすなんて生意気れすよ。それと、ちょっと、どいてよ琴ミン。舞歌も邪魔。今日の真琴君は、僕のものれすよ」


うわ~~~、素直……

木根と、伊藤を押し退けて、俺にベッタリくっ付いてきやがった。


此処が怖いのは十分に解るが……頼むから落ち着けって。



「いやいやいやいや、待て待て素直。浮気ってなんだよ?俺、オマエと付き合った覚えなんぞ無いぞ」

「あぁ、酷い。……僕の初めてを奪ったクセに、そう言う事を言うんれすか?責任とってくらさいよぉ~~~」

「酷い、酷い~~~。責任とって、素直チンと結婚しろ~~~」

「やり逃げ反~~~対」

「最低男ぉ~~~」

「あのなぁ、オマエ等なぁ……」


ダメだコイツ等……正真正銘、俺以上のポンコツに成っちまってる。


一体どれだけ飲んでるんだよ。


この調子じゃあ、かなり飲んじまってるみたいなんだが、ヤクザの本家に来て、たらふく酒飲むなんざ、完全にゴシップ丸出しの未成年犯罪コンボじゃねぇかよ。


もぉ……ホント、マジで勘弁してくれよぉ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


壊れとる……素直ちゃん達一行が、何故かお酒を飲んで壊れとる(笑)


いやまぁ、確かにヤクザの本家なんて物は、地獄の様に怖い所なんで。

そんな場所で待ってる間のプレッシャーを考えれば、こう成ってしまった理由も解らなくもないんですがね。


でも、冷静に考えれば、少し変な部分があるんですが、皆さん、そこにお気付きに成ったでしょうか?


そぉ……『この子達が酔っているって事は、自分達でお酒を持ち込んでる』って事なんですよ(笑)


まぁまぁ、そうは言っても、別に悪意があって、そんな事をしてる訳ではないんですが、この4人、倉津君が彼女である奈緒さんの家で晩酌してる事を知っているからこそ、まずは、倉津君の歓迎会をする為にもお酒を買って来たんですがね。

如何せん『倉津君1人だけにお酒を飲ますのもなんですし』『それなら試しに、自分達も、倉津君に付き合う為にお酒を買ってみようか』なんて話になってしまい、お酒を買ってしまった訳なんですね(笑)


まぁ、子供心なんかでは、よくある『ちょっと下背伸びした現象』ですね(笑)


さてさて、そんな中。

素直ちゃん達一行は、妙に酔ってしまい。

倉津君に対する本音が駄々洩れ状態に成ってしまっているので、これは確実にハプニングが起こる予感ですね。


それを倉津君は、上手く回避できるのか?


次回は、その辺を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


どうせ回避出来ねぇんだろ( ゚Д゚) ('ω'*)あら、よくご存じで(笑)

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