934 この酔っ払い共が……

 倉津君生還をお祝いする為に、無謀にも倉津君の実家にやって来た現役アイドルの素直ちゃん達一行。

ただ、ヤクザに本家で長時間待たされたのが怖かったのか、お酒を飲んでしまったらしく、へべれけに(笑)


その光景を見た倉津君は……


***


「おい、オマエ等なぁ。一体、どれだけ飲んでるんだよ?」

「カルピスチューハイ1本」

「ブッ!!……アホか!!伊藤、んなもん一本ぐらいで酔うな!!」

「私、オレンジチューハイ1本!!」

「ブッ!!……だから由佳も、そんなもんぐらいで、そんなに酔うなよな……」

「わっちは、焼酎の水割りを一杯でありんす」

「琴ミン、スゴ~~イじゃん!!カクテルじゃないんだ」

「まぁ、琴美は大人な付き合いが出来る、大人でありんすからねぇ~~」

「アッ、アッ、アホかオマエ等は!!たかが水割り一杯で、なに威張ってやがんだ!!んなもんで酔うなんざ、完全に餓鬼じゃねぇかよ!!」


なんて安い連中だ。

こんなへべれけな状態だから、どれだけ飲んでやがるのかと思ったら、そんな赤ちゃんでも飲める様なレベルで酔っぱらってやがったのかよ。


それで、大人って……


奈緒さんだったら、ビールを4~5本空けても平然としてるぞ。

それぐらい飲めるようになって、初めて『大人の嗜み』を身に付けたって言うんだぞ。


それを、たった一杯の焼酎で大人って……


しかも、水割りでって、オマエ等……



「……っで、素直、オマエはどうなんだよ?」

「僕れすか?僕は、そんなに飲んでないれすよ。ビール2本れすから」

「うん。オマエ等全員、弱すぎ。……つぅか、飲めねぇ餓鬼が無理して酒なんぞ飲むな」

「じゃあ、真琴君は、どれだけ飲めるって言うんれすか?そんなに威張るほど飲めるんれすか?じゃあ、一杯飲んれくらさい」

「アホか。なんで病み上がりで酒飲まにゃあイカンのだ。アホだオマエは?」


昨日、山中ん家で缶ビールを6本ほど開けたがな。

あれは確か、アルコールではなく日本国内にある伝説の妙薬でだな。

眞子と言う猛毒を中和する為に飲んだものだからな。


解毒の為にも致し方が無いものだ。



「あぁ、そうかぁ。じゃあ、病み上がりの真琴君には、僕のおっぱい飲ませてあげますよ。はい、あ~ん」

「ちょ!!オマ!!むぐぐぐっ……」


だから、なに考えてんるんじゃコイツは?

酔っ払って、俺の顔面に、自分の胸を押し当ててきてるんじゃねぇつぅの!!


そんな事されて『病み上がり』じゃなくて『病み付き』になったら、どうしてくれんだよ!!


俺の大切な彼女である奈緒さんは、オマエみたいに、でっかいオッパイじゃねぇんだぞ!!



「一杯飲んで良いんれすよ~~~。可愛い、可愛い」

「素直チン。オッパイ出てない、オッパイ出てない。服の上からじゃ飲めないって」

「あぁ、本当れすね。ごめんね、真琴ちゃ~~~ん。今、素直ママが、オッパイ出してあげますからね。一杯飲むんれすよ」


……って言いながら。

マジでオッパイ出そうと、服を上にズリ上げ様としてやがる。


辞めないさいっての!!


女の子がハシタナイぞ!!



「アホかオマエは!!えぇ加減せぇ!!母乳なんかイランわ!!その前に出るかぁ!!」

「あっ……うっ、うっ、うわ~~~ん!!真琴君に嫌われたぁ~~~!!僕から母乳が出ないからって嫌われたぁ~~~!!もぉお仕舞いだぁ~~~」


ぎゃあああぁ~~~~!!

なんでそんな訳の解らん理由で、急に泣き出すんだよ!!


マジで意味がわかんねぇよ!!



「あはっはははっは……素直チンふられてやんの!!ショボイなぁウチのリーダーわ」

「うわ~~~~ん!!真琴君にふられたぁ~~~~!!きっと、胸だけ大きくて母乳が出ない僕なんか要らなくなったんだぁ~~~!!うわ~~~ん」


いや……そこじゃねぇからな。


それとなぁ、人を『母乳マニア』みたいに言うのは止せな。



「オイ、由佳!!アホな事を言って、素直を余計に泣かしてんじゃねぇよ!!」

「良いじゃん、良いじゃん。真琴は、素直チンより、私の方が良いんでしょ?」

「はい?なに言ってんだオマエ?」

「もぉ、照れなくても良いって、帰って来てくれたお祝いに……私のファーストキスあげるから。お祝いだからね、お・祝・い」

「はい?……いやいやいやいや、誰が、そう易々とさせるかぁ!!」

「うわ~~~~~ん!!真琴君が、僕の眼の前で浮気したぁ!!浮気したぁ~~~!!」


由佳さん……

なにしようとしてくれてるんだよ、オマエは……


それに、これの何所が歓迎会なんだよ?

ただの酔っ払いの集落と化した『煉獄』じゃねぇかよ!!



「なんで抵抗するのよ。キスさせろぉ、真琴ぉ~~」

「オイ、由佳!!落ち着けってオマエ!!イラネェから、気持ちだけで十分だ!!」

「えっ?……うっ、うっ、うわ~~~~ん!!ファーストキスなのに、あんな事を言われたぁ~~~~!!要らないとか言われたぁ~~~!!酷い~~~~」


だから!!なんでオマエまで泣くねん!!


この状況じゃあ、泣きたいのは、寧ろ俺の方じゃあ!!



「由佳ニャンは男心ってもんが解ってないなぁ。キスって言うのはね……」

「オイ、余計な事をしようとするなよ、伊藤。良いな。絶対すんな。序に木根もだぞ」

「うっ、うっ、うわ~~~~ん!!まだ、なにもしてないのに拒絶されたぁ~~~、酷い!!酷い!!」

「ワッチなんて話してもいないのに……それに、序って言われたでありんすぅ~~~。あぁ~~~ん、うわ~~~~ん!!」


なぁ……なにこれ?

マジで、なんの嫌がらせだよ?


俺、コイツ等にこんな嫌がらせをされる様ななんか悪い事したか?



「ちょっと待てって!!落ち着けってオマエ等!!落ち着いてくれって!!」

「「「「うわ~~~~~ん!!うわ~~~~ん!!」」」」


こんなもん……俺にどうせぇちゅうねん!!


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

 最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


子供が慣れないお酒で酔っぱらうと、自制心も糞もなく。

本音がダダ漏れに成ってしまい、もぉ訳の解らない状態に成ってしまっていますね(笑)


そうやって倉津君の女難は毎度の子如く続く訳ですが、このまま行ったらロクな事に成らなさそうなのですが……大丈夫なのでしょうか?


次回はその辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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